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第625回 他所からやってきたイソヒヨドリ(7回目)

①https://mobile.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/4524.html?transfer=pc_to_mobile&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2Fより引用のイソヒヨドリ(体長約25㌢)のつがいイラスト

   私が今住んでいるこの街で、初めてイソヒヨドリを見つけたのが、朝の通勤時の駅までの道すがら…道沿いの三階建ハイツの三階角部屋が空部屋になっていました。人影なく、そのベランダの吊ってあるエアコン室外機と天井の隙間にこの青くて綺麗なイソヒヨドリは営巣していました。いつもその向かいの工場の上あたりから、聴き慣れない綺麗なさえずりが聴こえてくるなと思っていましたら、ちょうどその鳴き声をたどって、屋根の辺りを見渡すと見たことのない鳥がいました。

②日本では本来なら磯辺にいるはずのイソヒヨドリ

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    そのイソヒヨドリは工場の旗を揚げるポールのてっぺんに、ぽつんと止まってさえずっていました。パッと見ただけでオスだとわかりました。その仕事帰りにポケット版ながら野鳥図鑑を持ち合わせていたので、調べてみると磯辺に生息しているイソヒヨドリだとわかりました。今ではこのイソヒヨドリの街中への進出は当たり前のことかもしれませんが、その当時は本当に驚きました。考えてみれば、カモメが山合いに巣を構えたようなものです。イソヒヨドリとの初の遭遇でした。

③飛翔しながらでもさえずるイソヒヨドリ 

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   何はともかくイソヒヨドリは名前に「ヒヨドリ」とつくので、ヒヨドリの仲間かと思いきや、実はツグミの仲間だからさえずり上手と知りました。ツグミは冬鳥で越冬地の日本ではさえずることがないのです。しかし、仲間のクロツグミツグミが去った後に夏鳥としてやってきて、その声量豊富な鳴き声を体験していますから、このイソヒヨドリの豊富な声量でさえずられたら、思わずその鳴き声の方向を見やってしまいます。またヒバリのように飛翔しながらさえずりもします。

④http://opipo.blog.fc2.com/blog-entry-139.html?spより引用のイソヒヨドリ一家

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   遠く離れた海の磯から引っ越してきたイソヒヨドリ。そのイソヒヨドリの生活は他所者だから遠慮するかと思いきや、同じく食性の昆虫が主食のこれも他所者ハクセキレイが捕獲して捕食しようとしている時に横取りしたり、また追いかけ回して辺り所構わずのワガママぶりでした。それが繁殖期に子育てとなると「鳥」が変わったように、メスと巣作りから、我が子やメスへの給餌、また巣立ち後もメスと幼鳥を分担して、野鳥初のつがい揃っての分担制を試みて子育てをしています。

イソヒヨドリのメスもさえずる

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   またイソヒヨドリはメスとともに子育てを分担して、長男はメス、次男はオスという具合の育てかたをします。また幼鳥のおり1〜2年はオスであろうが、メスであろうが身体の色はメスです。これはさえずりの上手な野鳥に多くて、目立つ色のオスは何かと狙われやすいからです。遠縁のヒタキ類にも同じようなことがあります。また凄いのはイソヒヨドリは雌雄揃ってさえずる数少ない野鳥です。ほかに雌雄揃ってさえずることができるのはつがいで鳴き合わせのソウシチョウです。

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