第1576回 イカル(怒る?)
①https://illustcute.com/?id=355より引用の怒ってる鳥のイラスト
①のようなタイトルイラストを掲載致しましたら、さぞ喧嘩早い野鳥がいるのかどうかってことになりますが、実はこれはダジャレみたいなもので、私のマンションのベランダ向こうに、新春早々に現れ、楠の新芽をペンチのような太いクチバシで、音がするくらいペチペチと食いちぎる野鳥のことを紹介いたします。この鳥はアトリの仲間で、日本では漂鳥として、北日本から寒い冬には暖かい西日本に渡ってきます。古くはマメマワシやマメコロガシと別名のある日本の野鳥です。
②https://www.google.co.jp/amp/s/shimesan.com/2018/05/03/20180503p/amp/より引用のつがいのイカル(体色が濃い左がオス、右がメス共に体長約23㌢)
そんな別名がある野鳥とは、②の写真のイカルです。漢字表記が「鵤」「桑鳲」とあり、何か日本古来の野鳥のように思います。実際に調べてみましたら、イカルという名の由来は奈良県の斑鳩とも鳴き声が「イカルコキー」と聞こえるからとも言われています。また「イカルガ(斑鳩)」と呼ぶのは間違いのようで「鵤」は丈夫なクチバシを持つ鳥のことで「斑鳩」には、鳩が付いています。主に樹上で生活しますが、非繁殖期には地上で採食している姿もよく見かけ、シメとよくいます。
③-1.https://www.birdfan.net/2020/03/13/78062/より引用のよく似ているウソ(体長約16㌢)
③-2.https://www.birdfan.net/2020/04/03/78696/より引用の怖い顔だけど似ているシメ(体長約19㌢)
イカルはアトリという南極以外に広く生息しています。その中でも近種のコイカルとよく行動を共にしますが、そのほかには、③-1.の写真のウソです。古くから「鷽替神事」で各地の天満宮で有名です。イカルと比べるとおちょぼ口のクチバシをしています。口笛を吹くような鳴き声で、ヒーホーと鳴き声を発します。また、よくコイカル同様に地面でイカルと仲良く採餌しているのが、③-2.の写真のシメです。シメはイカル同様にクチバシが太くて大きいです。ご覧のように怖い顔をして、相手を黙らせるように「シー」と鳴きます。
④YouTubeより引用のイカルがさえずりながら並行飛行する日産セレナのCM
もう何年か前に、地球に優しい車として「e-POWERの気持ちいい走り」と歌い低燃費を売りに最新型セレナのCMに、走行する車と平行飛行するかのように、イカルがさえずりながらついていきます。公式に生産者サイドから、正式な案内はありませんが、この車は低燃費な上に地球にも優しいとアピールしたかったのではと私は思います。そのイカルが、セレナとは、スペイン語で晴々とした、穏やかな、バランスのとれたという意味に於いて「月・日・星」ともっと上を目指します。
⑤https://row-bow.tokyo/wild-birds-1920-02-12/より引用のさえずるききなしで有名なイカル
「ツキ、ヒ、ホシ」とさえずるというのは、イカルのききなしです。ウグイスの「ホー、ホケキョ」やツバメの「ムシクッテ、ツチクッテ、シブイ」など、野鳥のさえずりを覚えやすいように、文章化したものです。他には「イカルコキー」「キーコキーキー」「お菊二十四」「蓑笠着い」等、このイカルがそれだけ複雑ながら、美しいさえずりなので、昔の人は色んなききなしを当てはめました。「月・日・星」と鳴くので『三光鳥』。
『三光鳥』→イカルの別名としての名前で、やはり同じく、ききなしが「月・日・星」と鳴く別の野鳥にサンコウチョウがいます。
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