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第818回 野鳥の歩行

①https://pixta.jp/illustration/58764771より引用のイラスト

   以前に鳥の歩行のスタイルを調べてみた時には、ぴょんぴょん飛び跳ねて歩く「ホッピング」と、普通通りに左右の脚を交互に出して歩く、私たちと同じ歩き方の「ウォーキング」の二種類だったのに対して、おそらくせわしなくちょこまかちょこまか歩く「ランニング」まで分けている文献がありました。速足であるくか急ぎ足で歩くかの違いなので、基本的には「ウォーキング」と同じ扱いになると思います。またこの「ランニング」は速度を速める時は、一歩を長くしています。

②歩くことしか出来ないヤンバルクイナ(体長約30㌢)

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   鳥類にはペンギンやダチョウ、②の写真のヤンバルクイナを始めとして、鳥類なのにその生息する環境により、飛ぶことが必要でなく、飛行する翼の筋肉が衰えて歩くか走るかの生活をしている鳥たちも沢山います。また鳥類の歩行は「ホッピング」と「ランニング」の膝や足首の動きの特徴が同じでも「ウォーキング」は「ホッピング」や「ランニング」とは運動の性質がかなり違います。「ホッピング」は素早く動くのに適し「ウォーキング」よりエネルギーが多く必要です。

③一番身近に見られるスズメ(体長約15㌢)のホッピング

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   スズメを始めとする「ホッピング」する野鳥は小型の鳥に多く、樹上性の鳥がそれに当たります。ヒヨドリモズルリビタキジョウビタキ
ノビタキイソヒヨドリウグイスキクイタダキキビタキオオルリエナガコガラヒガラヤマガラシジュウカラゴジュウカラメジロカシラダカクロジアトリマヒワハギマシコイカルニュウナイスズメイスカなどとお馴染みの野鳥の面々です。ペンギンはたまに下り坂で、翼も使うナンバ歩きをします。

④ちょこまかゆっくり歩くドバト(体長約33㌢)

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   反対に「ウォーキング」の鳥類は、大型の鳥に多く、地上性の陸鳥で、多くの水鳥がそうであるように、指の長い鳥がその歩き方です。「ウォーキング」は速度を速めるときは、脚を素早く動かすことが多く、鳩やバンコジュケイムクドリのように首を振る鳥は、一歩を長くすることが多いです。反対に千鳥足で有名なチドリの仲間は首を固定したまま小走りします。この歩き方は大きな身体のハイタカオオタカノスリハヤブサドバトキジバトキジなどがそうです。

⑤ホッピングもウォーキングも行うハシブトガラス(体長約56㌢)

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   「カラス」といえば、ハシボソガラスハシブトガラスがそれに当たりますが、地上性の高いハシボソガラスは「ウォーキング」ですが、そんなに地上性の高くないハシブトガラスは「ウォーキング」も「ホッピング」も両方こなします。「カラス」だけでなく、カワウの仲間や、ワシタカ、ヒバリハクセキレイツグミホオジロムクドリカワラヒワシメアオジの野鳥が両方こなす部類になります。両方ともこなすことができたら、早く目的地に向かう時はホッピングです。


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