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第763回 野鳥の警戒音

①https://www.silhouette-illust.com/illust/29534より引用のイラスト

   前回、前々回と続けて、野鳥の歌自慢という形で野鳥の鳴き声について語りましたが、ではその鳴管を持っていない野鳥たちはどうつがいを探すディスプレイをどうやって表現しているのでしょうか。それは鳴くこと以外の伝達方法をしなくてはいけません。そのひとつにドラミングという伝達方法があります。大きな括りの野鳥のドラミングとは、声によらないで生じる音による伝達のことで、さえずりと同様に異性を惹きつけ、縄張防衛に役立てます。

②http://karapaia.com/archives/52194463.htmlより引用のキツツキのドラミング

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   1.ドラミング=タトゥーイング→キツツキ類が木の幹を激しく叩くのを、一般にはドラミングと呼びます。一分間に20回ほど、オスメス共に行ないます。2.クラッタリング→コウノトリアホウドリでは、くちばしをカスタネットのように、叩いて音を出します。オスメス共に出します。その音は800m先も届きます。昔話『鶴の恩返し』の鶴はコウノトリでクラッタリングの音が機織の音です。3.母衣打ち(ほろうち)→母衣とは翼の下の羽のこと。キジヤマドリは、翼で地面を打ち音を立てます。エリマキライチョウでは胸をたたいて音を出します。4.尾音誇示→オオジシギでは尾羽の摩擦音で縄張りを主張します。

キジの警戒音の母衣(ほろ)うち

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   ②の写真のキツツキのドラミングは本来なら餌を探し当てるためと営巣(木を突いて音の変化で空洞を探し当てる)のためにドラミングします。時には繁殖期の相手探しや縄張りの警戒音のためでもあります。突いた反動はクチバシから蝶つがいの骨と筋肉、頭蓋、頚椎と伝わって、体へと抜けます。衝撃を体全体に分散するような頭部の構造になっていて、1.クチバシは真っ直ぐで、基部が太い  2.頭骨は厚く隙間が少ない  3.骨を支える筋肉が発達。雌雄行いますがやはりオスが多いです。

④http://noriobachan.blog56.fc2.com/blog-entry-830.htmlより引用のコウノトリのクラッタリング

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   ③の写真のキジの母衣打ちですが、別にキジは鳴き声を発することが出来ないのではありません。キジの声は「ケーン、ケーン」(縄張り宣言)「ケッ、ケッ、ケッ」(警報鳴き)と他のオスに対して、自分の縄張りに入らないように警告。「ケーケーケー」(敵対鳴き)縄張りに侵入した♂に対して『俺の方が強いぞ』『攻撃するぞ』「チョケーン、チョケーン」(飛翔鳴き)飛行中の鳴き声で、上空から威嚇する意味も。それに加えてこの母衣打ちをして、縄張りの侵入者を牽制します。

⑤http://jisiginavi.web.fc2.com/pinandswinhoesidetification20120826a.htmlより引用のオオジシギの尾音誇示

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   ④の写真はコウノトリのクラッタリングです。昔の人はツルとコウノトリを間違えて、正月のめでたい松の木に止まったツルが出来上がりました。ツルは枝には止まれないのです。ツルと見た目がそっくりなコウノトリは、生まれた頃は「ピーピー」と鳴きますが、大きくなると鳴かないで、くちばしを「カタカタ」とならして仲間と連携を取ります。かなり大きな声で遠くにまで聞こえます。また⑤のオオジシギの尾音誇示は尾羽の摩擦音でなわばりを主張します。

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