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第883回 カワセミ(14回目)を点検すると

①https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/kaysandesu/entry-12265945922.htmlより引用のカワセミのつがい(左側がメス、右側がオス共に体長約20㌢)

   カワセミといえば、昔からその美姿に魅了された人たちが『ソニドリ』の漢字表記は「翠鳥」「鴗」で『セミドリ』とも呼ばれていました。『ソニドリ』のソニは青土のことで『セミドリ』のセミは昆虫の蝉でなく、背が緑の『セミドリ』で、この『セミドリ』から緑色が生まれました。また漢名である「翡翠」からこのカワセミの青とも緑ともつかない美しさに似た宝石のことをヒスイ(翡翠)と名付けられました。宝石のヒスイから取られた名前ではなく、カワセミが名付けました。

②https://blog.ap.teacup.com/kmsi04/229.htmlより引用のカワセミのクチバシ

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   カワセミの漢字表記は「川蝉」の蝉はたんなる当て字で「翡翠」はその美しさから「魚狗」 「水狗」「魚虎」「魚師」この四つは水辺の名ハンターぶりを表しています。「鴗」は古名です。カワセミのクチバシは特徴的です。雌雄の区別を表す
オスの成鳥は上下黒、メスの成鳥は下が赤です。繁殖期にクチバシの内側が赤くなります。巣立ったばかりの幼鳥では上下黒で短く先端は白いです。カワセミの首はあの『フクロウ』のように、
320度まわり、真後ろの背景も見渡せます。

③http://www.eisvogel.jp/blog/archives/0400.php?page=allより引用のカワセミの趾

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   カワセミのもう一つの身体の特徴は短い趾(あしゆび)にあります。脚は短く、趾の基部が癒合しています。それは巣穴を掘るときに趾が離れると掘りにくいが、癒合していれば掘りやすいことからです。巣穴が大きすぎると天敵に襲われやすくなりますが、短い脚なら体とほぼ同じ大きさの穴を掘れます。あのモグラも全ての指が癒合しています。趾は三本でそのうちの二本が癒着し、全体として二本しか機能していないです。カワセミは木の枝にとまれますが、趾は穴掘りようです。

④http://photozou.jp/photo/show/169066/36696357より引用のカワセミの営巣

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   営巣は川辺に有る赤土の露出した所で、垂直またはひさし屋根のようなものがあるところです。直径は6~9㌢、奥行き0.5~1m 奥に行くほど登り勾配の訳は産室内に糞が流れ込むのを防ぐため。
産室は一番奥。巣穴は、毎年同じくらいの高さに作ります。⑴ 土が軟らかく、巣穴を掘る労力と時間が節約できる。⑵ 上に締まった土があるため、雨水がしみこみにくい。⑶ 毛細管引力が弱いで、地下水が上昇しない。⑷ 多孔質なので、温度変化が少なく、卵や雛を保護する。⑸ 雛が出す液状の糞が吸収されやすいためにです。

⑤https://www.birdfan.net/2004/07/05/1078/より引用のカワセミの仲間のアカショウビン(体長約27㌢)

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   日本でのカワセミの仲間は⑤の写真のアカショウビンヤマセミヤマショウビンの四種です。アカショウビンは飛び込みはしますが、ホバリングはしません。瞼には眉毛のように白い羽が生えます。山のカワセミと言われるヤマセミはの給餌は始めはオスが主に与え、終盤はメス中心で、親鳥は、ヒナが大きくなると、小さな獲物は自分で食べ、大物が獲れると巣に戻り、ヒナに与えます。ヤマショウビンのメスは首や胸が錆び色を帯びています。さえずりはキョロキョロと鳴きます。

カワセミのルーツのブッポウソウのつがい(左側がメス、右側がオス、共に体長約29㌢)

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   カワセミは大きく分けるとブッポウソウと近縁にあたります。共通の特徴として、足指が合趾(がっし)足ないし半合趾足です。すなわち、三本の前趾の全部または少なくとも二本が基部で互いに癒着しています。かといってブッポウソウは穴掘りはしません。ブッポウソウは趾が癒着しているので、地上を歩いたり、枝伝いに歩くことはできません。しかし、その分翼は長く、空中生活に適していて、曲芸的な飛行も可能。空中でセミや甲虫などを捕獲することができます。

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