見出し画像

第1149回 ライチョウって

①-1.https://omachi-sanpaku.com/display/archives/project/entry-404.phpより引用のつがいのライチョウ(左がメス、右がオス共に体長約37㌢)

①-2.http://bird-muromi.sakura.ne.jp/zukan/kiji/ezoraichou/ezoraichou.htmlより引用のオスのエゾライチョウ(体長約17㌢)

画像1

   世界には16種のヨーロッパオオライチョウ(シベリア)、クロライチョウ(ユーラシア北部)、オオライチョウ(シベリア)、コーカサスクロライチョウ(コーカサス高山帯)、エゾライチョウ(ユーラシア北部から北海道)、ミヤマエゾライチョウ(中国西部)、エリマキライチョウ(アメリカ北部、カナダ、アラスカ)、カマバネライチョウ(樺太から極東北方)、ライチョウ(日本を含む中緯度から北極をとりまく周極地方)、カラフトライチョウ(アラスカ、カナダ、北米、ノルウェー)、オジロライチョウ(アメリカ大陸西北部)、アオライチョウ(北アメリカ西部山地)、ハリモミライチョウ(北アメリカ北部)、キジオライチョウ(北アメリカ中西部)、ホソオライチョウ(北アメリカ北部)、ソウゲンライチョウ(北アメリカ中部)がいます。この内のライチョウエゾライチョウが日本に生息する仲間の鳥たちです。

②https://www.photolibrary.jp/img460/223190_4386815.htmlより引用の冬羽のつがいのライチョウ(左がオス、右がメス)

画像2

   世界のライチョウの仲間の分布は、ユーラシア大陸に7種、北アメリカ大陸に7種、両大陸と北極圏をとりまく寒冷な周極地方に2種が分布しています。その中で、日本に生息していますライチョウは、本州中部地方の妙高山塊、飛騨山脈、乗鞍山塊、御岳山塊、赤石山脈などの高山帯で、生息地は、極地や山岳のツンドラ地帯に生息しています。極地では海岸にも棲みます。日本では標高2400㍍以上の森林限界より高いハイマツ林や雪田植生であるお花畑に棲みます。冬季も高山に留まり、標高の低い森林帯に下ることがあります。日本のライチョウは、北半球北部に広く分布する種ライチョウの中で、分布の最南端に隔離分布する亜種。高山帯に隔離分布しており、なんと1980年代には約三千羽と推定されていましたが、2000年代には二千羽弱に減少したと推定されています。

③-1.https://www.birdfan.net/2016/05/13/43130/より引用のつがいのキジ(左がオス体長約80㌢、右がメス体長約60㌢)

画像3

③-2.http://www.wikiwand.com/ja/ウズラより引用のつがいのウズラ(手前がオス、奥がメス共に体長約20㌢)

画像4

   ここで、ライチョウにはどんな仲間がいるかを紹介致しますが、この鳥は日本の国鳥でもあります③-1.の写真のキジの仲間です。またライチョウの体型的よく似ています仲間に③-2.のウズラがいます。仲間と呼ばれる鳥には、キジと体型の良く似たヤマドリがいますし、またウズラと体型が似た仲間にはコジュケイがいます。ライチョウが属しますキジ目のキジヤマドリは留鳥で、オスの身体はメスよりも大きな派手な色合いで身体はメスよりも大きなことが特徴的です。体型的に似るウズラは日本に越冬する冬鳥で、外来種のコジュケイは日本で繁殖する夏鳥です。日本のライチョウは①の項の二枚の写真のような夏羽と冬羽の姿がありますように、キジヤマドリのように渡りをしない留鳥です。またウズラコジュケイの様に雌雄同色ではなく、キジのように性的二型です。

④https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g01195/amp/より引用のライチョウ神話を記した古書

画像5

   日本古来の山岳信仰と結びつき、高山に生息する日本のライチョウはかつて神の使いと崇められてきました。日本には古くから奥山には神霊が住むという山岳信仰があり、ライチョウは山神の化身だと思われて大事にされてきました。人を恐れないのはそうした歴史的背景があるからだという見方もあるようです。明治維新以後、修験道が廃止となり山へ信仰が薄れますと、一時期は食用目的などでライチョウが捕獲されていました。1910年には狩猟禁止鳥獣、55年には特別天然記念物に指定され、②の項のような約二千羽の推定数です。

⑤https://www.google.co.jp/amp/s/start2500.exblog.jp/amp/30475729/より引用のライチョウの秘密の立て看板

画像6

    富山県と長野県、岐阜県の三件の県鳥である国の天然記念物、絶滅危惧種に指定されたライチョウには⑤の写真の様に、沢山の秘密があります。   ⑴  ライチョウは氷河期の生き残り→ライチョウは海底面が低かった時代の最終氷期陸続きだった大陸から日本列島に移り住んできて、そのまま日本アルプスの自然に溶け込んで2万年もの年月を日本で生き抜いてきた歴史のある鳥です。                     ⑵  いざという時には結構飛ぶ→鳥だから飛ぶことは当たり前ですが、キジの仲間は苦手です。地上生活するために体力温存のため普段は歩行中心ですが、仲間との縄張り争いや外敵に襲われた時には大空を羽ばたき逃げます。長くは飛べません。   ⑶  メスは排出を我慢する時がある→ライチョウは高山植物の花や葉、茎、芽、種子、また動物食の昆虫などを食べますが、メスは抱卵期間中、食事時に巣を離れ、まとめて大きな糞をします。その糞は通常の糞とは区別して、抱卵糞といいます。   ⑷  変装上手でかくれんぼが得意→ライチョウは年に数回、夏羽の色と冬羽の色は季節ごとに周りの景色に溶け込むように、羽色を変化させ、天敵から身を命がけで変身し、守り抜いているのです。

※  ある方から、ライチョウの記事はありませんかとお便りが届き、ライチョウの事に関連した記事は投稿していたもののライチョウ中心の記事がありませんでしたから、急遽この記事を作成しました。纏まりがない様にも思いますが投稿します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?