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第754回 カワウ(3回目)の生態

①https://db3.bird-research.jp/news/201602-no4/より引用のカワウ(体長約81㌢)の「コロニー」

   カワウをはじめとして、ウミウヒメウを含めた「ウ(鵜)」はどの種も黒色の身体をしています。「カラス(鴉)」と全く同じの黒い姿です。またその黒い姿を遠くに見て、松に止まっている白いコウノトリタンチョウと間違えて、日本画に描かれたりとか。この「ウ」と「カラス」も先程表した漢字表記の「鵜」と「鴉」も間違えそうなくらい似ていますが、もうひとつの漢字表記はお互いに「ウ」も「カラス」も『烏』です。やはりお互いに黒い故の出来事かと思います。

②https://kurokawaseiryu.exblog.jp/iv/view/?i=201803%2F27%2F44%2Fd0354344_11432582.jpgより引用のカワウのつがい(左側がオスで、右側がメス)

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  「烏合の衆」と言うことわざがあり、その意味は『烏の群れのように統一も規律もなく寄り集まった群衆、または軍勢』とあります。このことわざの『烏』は「カラス」の方です。①の写真はカワウの「コロニー」です。「コロニー」とは『鳥の集団繁殖地。英語の場合、"colony" だけで鳥類に限ることでない』となります。野鳥ではこの「ウ」や「サギ」と「シギチ」の一部で行われます。またこのカワウに関しては、同じ水辺に生息する「サギ」との混合の「コロニー」をします。

③http://fukuejima.la.coocan.jp/tori/umi-u.htmlより引用のカワウウミウ(体長約84㌢)の違い

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   今でも同じ「ウ」の仲間でもヒメウは体長約73㌢とカワウよりひと回りくらい小さいので、わかりますが、この③のカワウウミウの比較写真を見ても、おそらくわからないと思います。まず夏場になるとカワウが海辺にやってきたり、ウミウが河口を遡って中流付近までくるからです。③の区別のほかクチバシの先っぽがカワウは口角では尖らず、ウミウは口角で三角形に尖ります。それでも近づかないとわかりません。私の街は山に近いので、夏に溜池に来るのはカワウです。

④https://iinemuu.com/7513.htmlより引用のカワウの眼のアップ

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   カワウカイツブリと並んで、潜水して採餌する水鳥です。潜水できるカモは海ガモで、陸ガモは潜れても十秒未満です。カイツブリでも約㌢三十秒なのに、なんとカワウは平均72秒も潜れるます。因みにウミウは倍の144秒です。その潜水中に採餌のために魚を狩ります。カワウの水中での視力は水の屈折率と角膜の屈折率が調合され、人が水中眼鏡をかけているようなものです。しかし陸に上がると近視です。水中に於いてはカワウは人間の五倍程度の調整能力があります。

⑤http://bungo.or.jp/don2gawa/haguregumo/2015_11_20umiu-kawau/umiu_kawau.htmlより引用のカワウの日光浴

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   カワウでも全体的に「ウ」の仲間は野鳥の中では万能鳥類と思います。「ウ」の趾(あしゆび)は「全蹼足(水掻きの付いた足)でも、木の枝にも止まれますし、歩行も難なくこなし、鳥だから飛行もでき、水上でも泳げ、また潜水もできるのです。ただ一つの弱点は、翼は親水性が高いので、尾脂腺が未発達で、脂分の少ない羽毛が水をよく吸い、そのため、羽毛の中に空気がたまらず、潜水しやすいですが、しかし濡れた羽毛は体温保持能力が低いので、日光浴で羽を乾かす必要があります。


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