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第1412回 日本の鳥

①https://www.photolibrary.jp/img413/225151_4004500.htmlより引用の日本の鳥のイラスト

   日本の鳥と自分で銘打って記事を書こうとしましたら、身近な野鳥が日本の鳥ではないのだろうかと思います。その鳥の第一候補はスズメだろうと。「舌切り雀」なんていう昔話もあります。次には日本に繁殖のために春先に帰ってくるツバメ。人が住む民家の軒先に毎年帰ってくるのです。今でこそ毎日見ているハシブトガラスは子供の頃にはいませんでした。そして、今では山野に引っ込んだハシボソガラスは童話「七つの子」でのカラスです。一体どの鳥が日本の鳥なのか。

②-1.https://www.birdfan.net/2014/05/02/28092/より引用のつがいのキジ(左側がメス体長約60㌢、右側がオス体長約80㌢)

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②-2.https://www.birdfan.net/2020/06/12/78970/より引用のセグロセキレイ(体長約21㌢)  

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   いま挙げた身近な野鳥たちは、昔からの日本にしかいない鳥ではありません。厳密に『日本の鳥』というのは『日本固有種の鳥』ということになります。それに認定されているのは、メグロルリカケスアカヒゲアカコッコカヤクグリセグロセキレイアオゲラノグチゲラアマミヤマシギヤンバルクイナヤマドリキジの十二種のようです。この中で、街中に住んでいて、まあまあの身近に感じるのは、②-1.の写真の国鳥キジと、②-2.の写真のセグロセキレイだけです。

③-1.https://www.birdfan.net/2019/04/12/69840/より引用のアオゲラ(体長約29㌢)

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③-2.https://www.birdfan.net/2017/02/24/50435/より引用のカヤクグリ(体長約14㌢)

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③-3.https://zaonofumoto.blog.fc2.com/blog-entry-2707.htmlより引用のつがいのヤマドリ(奥側がオス体長約125㌢、手前側がメス体長約55㌢)

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   国鳥キジと国産みのセグロセキレイを抜けば、あと十種がのこります。しかしこの中で、本州で見られる日本固有種となれば、③-1.のキツツキの仲間のアオゲラは平地から山地にかけての森林に生息し、亜種アオゲラは住宅地などでも観察されます。③-2.のカヤクグリは漂鳥で夏に本州中部以北、南千島などで繁殖し、冬季になると本州、四国、九州の暖地へ南下し九州では冬鳥です。③-3.のヤマドリは山地に生息することに由来し、野外で出会うのは少し困難な鳥で、キジの仲間です。

④-1.https://www.birdfan.net/2011/07/15/15451/より引用のアカコッコ(体長約23㌢)

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④-2.https://www.birdfan.net/2011/06/17/15159/より引用のアカヒゲ(体長約14㌢)

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④-3.https://www.birdfan.net/2017/10/20/56209/より引用のアマミヤマシギ(体長約36㌢)

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④-4.https://www.birdfan.net/2016/05/20/43588/より引用のノグチゲラ(体長約31㌢)

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④-5.https://www.birdfan.net/2018/03/23/61046/より引用のメグロ(体長約14㌢)

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④-6.https://www.birdfan.net/2019/06/14/71432/より引用のヤンバルクイナ(体長約30㌢)

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④-7.https://www.birdfan.net/2018/04/27/62032/より引用のルリカケス(体長約38㌢)

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   日本固有種十二種のうちの半数以上の七種は本州以外の固有種です。④-.アカコッコ(伊豆諸島とトカラ列島)、④-2.アカヒゲ(奄美大島、種子島、徳之島など)、④-3.アマミヤマシギ(奄美諸島と沖縄諸島)、④-4.ノグチゲラ(沖縄本島のみ)、④-5.メグロ(母島など、小笠原諸島の一部)、④-6.ヤンバルクイナ(沖縄本島のみ)、④-7.ルリカケス(奄美大島、加計呂麻島、請島)の七種。島は、隔離された環境だからです。鳥類に限らず、隔離されて長い時間が経つと、新種に進化することが多いです。

⑤-1.https://www.birdfan.net/2020/04/03/78618/より引用のウグイス(オス体長約16㌢、メス体長約14㌢)

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⑤-2.https://www.birdfan.net/2018/07/13/63801/より引用のコゲラ(体長約15㌢)

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⑤-3.https://www.birdfan.net/2005/06/03/1130/より引用のコマドリ(体長約14㌢)

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⑤-4.https://www.birdfan.net/2020/02/28/77580/より引用のヒレンジャク(体長約17㌢)

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⑤-5.https://www.birdfan.net/2019/12/27/76005/より引用のメジロ(体長約12㌢)

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   非公式にしろ、日本人なら誰もが日本の野鳥だと思いたいのが、⑤-1.の日本三大鳴鳥のウグイスや⑤-2.の最近では街中への進出度が大きなキツツキの仲間のコゲラ、⑤-3.はウグイスと共に日本三大鳴鳥のコマドリ、⑤-4.は歌舞伎役者のような、このヒレンジャクだけは冬鳥。⑤-5.のウグイスと間違われる影武者の様な存在ですが、梅の木に花の蜜を吸いにくるメジロ。この五種の他にも、ニッポニア日本のトキ、日本の象徴タンチョウ、山の雀と書くヤマガラなんて日本の鳥だと思いたい。

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