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第1308回 晩成性の鳥

①https://japaneseclass.jp/trends/about/ヒゲぴよより引用のイラスト

「早成性」という言葉に対する反対語は「晩成性」です。前者は地上性や水上性の強い生活を送っているため、絶えず天敵からの危険に晒されているために、親鳥の胎内や卵の中にいるうちに、孵化する前にある程度、外の環境に備えている野鳥のことで、それに対して後者は樹上性が高い生活を送っており、周りが樹々に覆われているため、天敵から不意に襲われることが少なく、また樹上なので、ヒナが自分で採餌することが難しく、親鳥からの給餌となり、巣立ちも長いです。

②-1.https://www.grey-heron.net/forum/39-chick-rearing/より引用のアオサギのヒナ

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②-2.https://waoblog.exblog.jp/26701623/より引用のトビの子育て

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   水鳥であるはずの②-1.の写真のアオサギがなぜ「早成性」の仲間に入っていないのかと、皆さんもふに落ちないことだと思います。それはアオサギが成鳥になると体長約93㌢と大きな鳥になるからです。このアオサギの他にサギの仲間のシラサギなどや、コウノトリといった種です。②-2.の写真はトビの子育てです。トビなどの猛禽類はご存知のようにメスの方がオスより身体が大きく、一羽二羽しか産まれない子供を覆い被さってまで守から大きい。でも二種のヒナは開眼しています。

③https://dot.asahi.com/print_image/index.html?photo=2021042300006_5&image=5より引用のフクロウの子育て

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   ②の項でトビなどの猛禽類としたのはワシタカのことで、③の写真のフクロウやその仲間には含まれてはいません。フクロウは猛禽類ですが、ワシタカと違い、どの種も夜行性の鳥です。夜行性ということは昼間に睡眠を摂っていることが多く、ほかの「晩成性」の野鳥が樹上性の生活に対して、樹上ではなく樹木の幹の鉾らに営巣するという産まれたヒナを守るための巣作りです。またワシタカのヒナは開眼して産まれますが、フクロウのヒナは閉眼で、綿毛のみが生えてるだけです。

④-1.http://photozou.jp/photo/show/110019/40818258より引用のスズメの子育て

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④-2.http://gazo.cocolog-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/08/10/to042013a_0808_151819img_0164karasu.jpgより引用のハシブトガラスの子育て

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   私たちのもっと身近にも「晩成性」の鳥はいます。まずは飼鳥のインコの類や文鳥などはその良い例だと思います。天敵にはまず襲われることはないのですから。また私たちの周りに住んでいる④-1.の写真のお馴染みのスズメや夏鳥のツバメなどは天敵が近寄り難い人の民家やその周りに営巣するからです。近年街中のゴミを漁る④-2.の写真のハシブトガラスのヒナも「晩成性」です。他の野鳥より安心育児ができ、綿毛すらないです。

⑤https://blog.goo.ne.jp/momo1945/e/77494a342ce779c5d4a51913da59a9bcより引用のウグイスの托卵先で幼鳥になったホトトギス

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    ⑤の写真は托卵で有名な右が押し付け側のホトトギスの幼鳥で、左が育て親のメスのウグイスです。当たり前ですが、宿主であるウグイスのメスの体長は約14㌢、オスですら約16㌢。対する托卵側のホトトギスは成鳥になると体長約28㌢にもなります。この写真では巣立ちはしたけれど、ホトトギスは「晩成性」なので幼鳥時代はまだ給餌をようするのです。自分より大きな他所の子とも知らず、育て親はせっせと給餌を繰り返します。本当に托卵側のホトトギスは呑気だと思います。

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