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第2031回 似てるようで似てないムクドリとヒヨドリ

①https://tabihon.jp/birdwatching/basic/rulerbird/より引用のムクドリヒヨドリはものさし鳥のイラスト

   ①のタイトルイラストは、ものさし鳥と言われています日本では身近な鳥として知られていますスズメを基本の基本として、ムクドリヒヨドリハシブトガラスとお馴染みの四種が選ばれています。この四種の中で真ん中に位置しますムクドリヒヨドリが良く似ているのでわかりづらいといわれます。古くからは「ホー、ホケキョ」でお馴染みのウグイスと、春になると街中に甘いものを求めて民家の梅の木にもやってきますメジロとの間違いなど、何かひとつからの勘違いから、良く似ていると間違われる事は非常に多いようです。

②http://mellwave.web.fc2.com/birds/mukudori.htmより引用のつがいのムクドリ(左がオス、右がメス共に体長約24㌢)

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   ムクドリも私が小さな頃には身近に見れない鳥だったと思います。今では環境の変化から低地の平野や低山地にかけて広く生息し、街中などの人家付近や田畑などでもよく見られます。雑食性で、植物の種子や果物、虫の幼虫などを好んで食べます。地面に降りて歩いて虫などを探すこともあれば、木の枝に留まってカキなどの熟した実をついばむ様子も観察されます。しかし夏頃には子育てが活発になりますので、草地などの地面や地中にいる幼虫を捕獲するのに集団で歩く姿をよく見ます。椋の木の実を好んで食べるため「椋鳥」と呼ばれるようになったといわれていますが、これに限らず幅広く食べ、また集団の鳴き声は「ギャー、ギャー」と鳴くので、とてもうるさいです。

③http://walkeriana1.rssing.com/chan-17506578/all_p1.htmlより引用のヒヨドリのつがい(左がメス、右がオス共に体長約27㌢)

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   ムクドリは集団で鳴き声がうるさいと言いましたが、ヒヨドリは一羽だけでも「ヒーヨ、ヒーヨ」と自分はヒヨドリだといつも大きな声で鳴きます。朝方には「ピッピッピピピ」とリズムよく鳴くこともあります。里山や公園などある程度樹木のある環境に多く生息して、都市部でも見られます。ツグミムクドリよりも体を直立させて枝に止まり、主に樹上で活動しますが、地上に降りることもありますが、非常に珍しいと思います。脚はツバメまではいきませんがかなりか細いです。飛ぶときは数回羽ばたくと翼をたたんで滑空するパターンを繰り返して飛ぶため、飛ぶ軌道は波型になりますので、省エネの波状飛行といいます。寒冷地のヒヨドリは国内に限り、越冬する漂鳥もいて、伊良湖岬や関門海峡の渡りは有名です。

④-1.https://blog.goo.ne.jp/kiku1103_2008/e/684ead79f16bec5de7b93e3d6d17c821より引用の戸袋に作られたムクドリの巣

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④-2.https://hisa3621.exblog.jp/238683132/より引用の樹上に作られたヒヨドリの巣 

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   ムクドリの繁殖期は春から夏で、つがいで分散し④-1.のように木の洞や人家の軒先などの穴に巣を作ります。一回に4〜7個産卵し、両親ともに子育てを行い、とくに育雛期には両親が揃って出掛け、食糧を探して仲良さそうに歩き回る様子が観察されます。こんな時でも集団行動を行います。繁殖期は巣で寝ますが、ヒナが巣立つと親子ともに集まって群れを形成するようになり、夜は一か所に集まってねぐらを形成します。ここでも集団行動を幼鳥に教えます。対するヒヨドリの営巣は百㌢以上の樹木に作られる④-2.のようなものが営巣です。5〜9月にかけて繁殖し、繁殖期間が比較的長いことは捕食されるなど繁殖の失敗による再繁殖が多いことがあげられます。ヒヨドリは木の枝上に身体の大きさの割には小型の巣を作り、一回の繁殖で3〜5個産卵します。抱卵はメスがします。巣立って幼鳥になっても、あまり飛ぶことができないので、1〜2ヶ月は親鳥の周りにいます。

⑤https://yacho-joho.com/niteiru-yacho-chigai-miwakekata/hiyodori-mukudori-chigai-miwakekata/より引用のムクドリヒヨドリの違い

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   ムクドリヒヨドリの二種ともに別名が「白頭鳥」です。昔から二種が似ているところは遠くから見ましたら、白っぽい頭が見えたからでしょうか。また二種共に留鳥や漂鳥として山地から平地まで様々な環境に生息しており、数も多く市街地でも普通に見られる野鳥で、寒冷地に生息するものは越冬のため移動します漂鳥です。二種の違いを申し上げますと、ムクドリは地上性の高い食域で、雑食ですがどちらかというと幼虫などを食べる印象が強く、群れ中心の集団行動をします。対するヒヨドリは樹上性の高い食域で、甘い果実を啄む印象が強く。単独行動もしくは少数の群れを形成はしますが、単独行動をします。飛行の仕方が独特で、セキレイなどと同じく波状飛行です。

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