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第2122回 名前が仲間でも仲間でない鳥

①https://yacho-joho.com/niteiru-yacho-chigai-miwakekata/sekka-osekka-chigai-miwakekata/より引用の左がセッカ(体長約12㌢)と右がオオセッカ(体長約13㌢)

   ①のタイトル写真は左がセッカに対して、右がオオセッカです。二種の写真比較でもいかに似ているか分かると思います。それはそうでしょ、同じセッカの仲間なんだから、似ていて当たり前、でもその二種の身体の違いはセッカとオオが付くセッカのオオセッカなんだから、身体の大小で違いがわかるはずと「同じセッカの仲間」と「身体の大きさの違い」の二点が挙げられ似ていて当たり前ですが、身体の大きさの違いで判別をすることが出来ると本来からの識別ですが、実際にはこの二種は同じ「セッカ」の仲間ではなく、また身体の大きさもセッカ約12㌢、オオセッカ約13㌢とされていますが、大きさには個体差もあります。

②-1.https://www.birdfan.net/2017/01/27/49544/より引用のトラツグミ(体長約30㌢)

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②-2.https://zukan.com/jbirds/leaf127307より引用のオオトラツグミ(体長約30㌢)

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   同じような鳥の仲間に②-1.の写真のツグミの仲間のトラツグミとやはり同じく、②-2.の写真のオオトラツグミがいます。前者は日本では留鳥か漂鳥で、仲間の冬鳥のツグミシロハラや、夏鳥のクロツグミ、また本州中部以北では夏鳥、冬季になると本州中部以西で越冬する冬鳥のふた通りの習性を持つアカハラと色んな習性を持つ仲間に加えて、後者は日本の奄美大島にのみ留鳥として生息致しますオオトラツグミです。前項のセッカオオセッカもよく似ていて体長の差だけが、種別の見分け方でしたが、この頃の二種は姿形も同じで、名前に「オオ」が付いても二種とも体長約30㌢と同じです。ただ分布地が違うだけなんです。

③-1.https://yacho-joho.com/niteiru-yacho-chigai-miwakekata/ban-ooban-chigai-miwakekata/より引用の左がバン(体長約32㌢)

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③-2. http://www3.famille.ne.jp/~ochi/bird/ban-1.htmlより引用のバン

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③-3.https://satoyama.pref.fukui.lg.jp/diary/archives/439より引用のオオバンの趾

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   ①の項のセッカオオセッカ、②の項のトラツグミオオトラツグミと、良く似すぎた鳥はいくらでもいるかも知れませんが、この③-1.の写真はバンオオバンを取り上げています。ぱっと見ましたら、バンのんびり鼻筋は赤い、オオバンは白い、また③-2.のバンの趾と③-3.のオオバンの趾を比べて見ましても、バンの趾は緑色で、完全蹼足、オオバンカイツブリのような弁足とどなたが拝見されても一眼で判別は出来ます。この二種はよく一緒に行動しているところを写された写真かネットではよく見かけます。しかし面白いことにバンオオバンとなら、行動を共にしますが、普段では単独か、多くても少数の群れでの行動です。対しオオバンは冬には大群や混群を形成します。二種は違う仲間ではなくクイナの仲間です。

④-1.http://h-noguchi.blog.jp/archives/40110516.htmlより引用のセッカの顔

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④-2.https://blog.goo.ne.jp/inpre-anac/e/d1816b92934a9812b22d9e3bd121fe7dより引用の口の中が黒いオスのセッカ

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   本来のセッカオオセッカのお話に戻ります。④-1.の写真にはセッカの顔のアップ。また⑤-1.にはオオセッカの顔のアップ写真を載せました。セッカの漢字表記の「雪加」「雪下」をご覧になりますと『雪』の漢字が付いていますので、冬鳥ではないかと思われがちです。実は留鳥で、雌雄同色の鳥です。ただしオスの成鳥は④-2.の写真のように、口内が黒い。またメスのくちばしはオスより白っぽいのが、オオセッカとの判別のひとつです。またセッカの営巣方法は、オスは繁殖期に入ると、チガヤやススキなどの草にクモの糸を巻き付けて楕円形の巣をつくります。 セッカは漢字一説によると、巣づくりのためにセッカが咥えたクモの卵のうや植物の白い綿毛が雪のように見える事から名付けられたという話があります。 また一夫多妻の鳥として知られるウグイスの仲間です。

⑤http://h-noguchi.blog.jp/archives/40096363.htmlより引用のオオセッカの顔

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   ⑤の写真はセッカの仲間ではなく、センニュウの仲間のオオセッカ(大雪加)です。『大』がつく割に両種の身体の大きさはあまり変わらないらしいです。やはり雌雄同色の留鳥です。セッカオオセッカの顔の違いとしては、頭の色や眉斑があげられます。オオセッカは頭と眉斑の境目がセッカに比べると不明瞭です。またもう一度①の写真では両種の違いをご覧頂きますと、左のセッカの尾羽は短く、右のオオセッカの尾羽はそれに対して、長いです。このポイントが一番判断の決め手になるかもしれません。以前ではこの鳥はセッカの仲間とされていましたが、尾羽やクチバシや後肢などの形態から、センニュウの仲間にされました。

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