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第864回 春になると…

①https://www.photolibrary.jp/img631/243712_5723646.htmlより引用の春のイラスト 

   二月も中旬ともなると、身近な野鳥たちがざわつき始めます。身近な野鳥というと、私にはスズメであり、ドバトハシブトガラスたちのことです。普段は庭先や植え込みなどで、仲良く固まっていたスズメや、いつも団体行動のドバトはなぜか一羽の同じ仲間を突いたり、餌を分けてあげなかったり、ハシブトガラスに於いては、突然に猛スピードで一羽の同じ仲間を追い回し、空中戦を仕掛けたり、どの種も普段とは違う鳴き声を出して威嚇したりして、何か殺気だっています。

②https://carasblog.net/20170708.phpより引用のハシブトガラス(体長約56㌢)の縄張り争い

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    春が近づいてきましたら、野鳥の多くは、繁殖期に入ります。つがいになる相手を射止めるために、自分の縄張りが必要なのです。スズメに於いては、親鳥が自分の大きくなった子供の若鳥をひとり立ちさせるために、親鳥の縄張りから追い出して、親も新たなる繁殖を、若鳥も自分の縄張りをという親心です。ドバトとて同じことです。ハシブトガラスに至っては、他の縄張りから、繁殖相手を探しにやってきた、若鳥を②の写真のように、自分の縄張りから追い出し、守り抜きます。

③https://note.com/hiho2351/n/n41aa0b5a5bb6より引用のメスもさえずるイソヒヨドリ(体長約25㌢)

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   今までの身近な野鳥のスズメドバトハシブトガラスは春の予感を告げる縄張り争いで、春の幕を引き開けますが、この③の写真のイソヒヨドリ(メス)は雌雄揃ってさえずる貴重な野鳥の一種です。二月の中旬過ぎともなると、まだ開けやらぬ暗い朝に「ピーチュリツチーチュルリル」とこの時期はオスがつがい相手候補のメスに対して、大きく通る声でさえずります。ツグミの仲間のイソヒヨドリは繁殖期を過ぎても、天気の良い日には雌雄揃って、さえずる貴重な野鳥の一種です。

④http://www.asahi.com/area/wakayama/articles/MTW20121026310520004.htmlより引用のメジロのつがい(右側がオス、左側がメス共に体長約12㌢)

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   イソヒヨドリは明け方暗いうちからさえずり、そのよく通る大きな声で、春の予感を知らせてくれる野鳥もいれば、知らない間にいつのまにか街中に、④の写真のようにつがいで中良さそうに街中に現れるメジロ。「チィ、チィ」と身体に合わした小さな鳴き声。それがつがいの二羽とも、民家の庭の梅の木なんかに、仲良く並んで鳴いていたり、梅の花の蜜を小さなクチバシからストローのように舌を差し込んで、美味しそうに蜜を吸います。蜜を吸っている時は警戒心はありません。

⑤http://photozou.jp/photo/show/169066/20337339より引用の「春告鳥」ウグイス(写真はオス体長約16㌢、メス体長約14㌢)のさえずり

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   メジロは今でも⑤の写真の「春告鳥」ことウグイスと勘違いされます。別に身体の色が似ているのではなく、ウグイスは硬派で一夫多妻の日本の三鳴鳥のひとつの大スター。メジロみたいにちょこまかなんかせず、いつもは藪中に潜んでいる隠遁生活。片やメジロは甘いもの好きで、甘い花の蜜を求めて街中にも平気でやって来ます。そのメジロが街中に現れる頃、ウグイスも藪中からちょこちょこ外に出だして、鳴き始めを行います。若鳥なので「ホー、ホケキョ」なんとなく下手くそ。

⑥https://www.google.co.jp/amp/s/tenki.jp/amp/suppl/usagida/2016/03/13/10751.htmlより引用のツバメの家族(左側がメス、右側がオス共に体長約17㌢)

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   どん尻はなんといっても、この⑥の写真のツバメだと思います。写真ではもう既にマイホームも完成していて、つがいが揃って子育ての真っ最中というところです。日本で育ったツバメは必ず春になると故郷日本に帰ってきます。昆虫を主食とするツバメは冬になると越冬のためにフィリピンや台湾、東南アジアですごします。そのために日本で産まれた若鳥を長距離の渡りに耐えれるまで育てます。「ツチクッテ、ムシクッテ、シブイ」こんなききなしにもなるさえずりで嫁募集します。

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