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第1869回 身近な猛禽類

①https://sowel.co.jp/illust/baikaku_eagle/より引用の猛禽類のイメージ

   身近な『猛禽類』といいますと、まずは猛禽類という鳥はどんな鳥かということから始めないといけません。それは鋭い爪とクチバシを持ち、他の動物を捕食するか、または腐肉食する習性のある鳥類の総称です。獲物を捕まえるための鋭い爪、掴む力が強い趾(あしゆび)、鉤型に曲がったクチバシを持つことが共通の特徴です。ワシ、タカ、ハゲワシ、コンドル、フクロウが代表的で、日本ではハゲワシやコンドルが省かれたものが猛禽類となります。その中で身近な猛禽類というとまた難しい選択になりますが、昔で言えばハシブトガラスヒヨドリ、最近ではイソヒヨドリハクセキレイなど以前には身近でなかった野鳥もいますし現に街中に進出してきた猛禽類もいるのです。

②-1.https://qpon.fun/yacho/tobi/より引用の身近な猛禽類のトビ(体長約59〜69㌢)

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②-2.https://acafe.msc.sony.jp/photo/detail/item/000031557643bj?ltyp=14&lfav=20583762&lpag=5より引用のトビとカラス(写真はハシボソガラス体長約50㌢)の喧嘩

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   そんな猛禽類の中でも、一番みなさんが見られたことがあるひとつは、②-1.の写真のトビではないでしょうか。よく晴れた日に山間や川辺、海辺などで空を回旋しながら、時々「ピーヒョロロ」」と鳴いているのをご覧になられた方は多いと思います。トビに②-2.のようにカラスが絡んでいるのも多い光景です。それはトビも屍肉中心の雑食でカラスも雑食。また写真のハシボソガラスは縄張りを作るカラスなので、自分たちの領域に侵入してくる自分より大きな猛禽類でも迎撃します。

③-1.http://www.birdfan.net/2019/06/21/71625/より引用のアオバズク(体長約29㌢)

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   身近な猛禽類でトビに次いで私が目にして身近なものは『フクロウ』の仲間ということになります。『フクロウ』は猛禽類でも夜のハンターです。見かけることは昼行性の野鳥よりも少ないとはいえ、③-1.のアオバズクは夏鳥で、いつも自宅マンションの裏の樹木にやってきます。夕方になると「ホーホー、ホーホー」と二回続けて鳴くのが特徴です。姿は見えなくとも鳴き声でその存在がわかるのです。また名前の由来は「青葉が映える頃にやって来るミミズク」の意があります。

③-2.http://www.birdfan.net/2020/06/12/78814/より引用のフクロウ(体長約50㌢)

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   それに対しフクロウは『フクロウ』の代表格です。その③-2.のフクロウも案外冬の森のある自然文化園などの広域公園に生息します。アオバズクが渡り鳥に対して、フクロウは留鳥です。フクロウの名前はウグイスメジロやカラスやキツツキ、カラスと同じように、昔はその鳥の判定を現在の双眼鏡やカメラなどの文明の利器がないままでした。フクロウも後でラウルフクロウの名前を頂きましたが、昔からのフクロウに収まっています。フクロウは闇夜でも見える眼を持ち、枯れ葉に隠れる齧歯類も左右非対称の耳を持ち、羽音をたてず捕獲する忍者みたいな存在の猛禽類です。

④-1.https://twiman.net/user/990477229/906451906901434368より引用のワシタカと『フクロウ』のイラスト

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④-2.https://twiman.net/user/990477229/906451906901434368より引用の大きく見せてもハトより小さなツミ(体長約27〜30㌢)

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④-3.http://www.birdfan.net/2014/08/22/29805/より引用のカンムリワシ(体長約55㌢)より大きなクマタカ(体長約72〜80㌢)

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④-4.http://www.birdfan.net/2019/02/01/67789/より引用の渡り鳥の個体もいるハイタカ(体長約32〜38㌢)

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   日本の猛禽類はワシタカと『フクロウ』と申し上げましたが、それはワシタカには②-1.と-2.の写真のトビをはじめとして、ツミハイタカチョウゲンボウハヤブササシバノスリチュウヒミサゴハチクマオオタカクマタカのタカの十二種の仲間、オオワシオジロワシイヌワシカンムリワシの四種のワシとあわせて十六種のワシタカが日本には生息しています。この中で夏鳥として渡ってくるのはサシバハチクマの二種で、最近の調査結果また越冬のためにやってくるのはオオタカハイタカツミと言ったハイタカ属のタカの仲間で、全てが渡りを行わず、ヒヨドリも留鳥と漂鳥がいるように、ハイタカの仲間にも渡り鳥と留鳥に分かれるといわれます。

⑤-1.http://www.birdfan.net/2010/01/08/4795/より引用の「ブッポウソウ」と鳴く鳥はコノハズク(体長約20㌢)

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⑤-2.http://www.birdfan.net/2009/06/12/4022/より引用の瀬川最大のシマフクロウ(体長約70㌢)

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  昼行性のワシタカに対して、夜行性の『フクロウ』の仲間には(ラウル)フクロウキンメフクロウシロフクロウシマフクロウの四種は羽角のないとされる 「フクロウ」の仲間。コノハズクオオコノハズクリュウキュウコノハズクアオバズクコミミズクトラフズクトラフズクの七種は羽角のあるとされる「ミミズク」の仲間です。しかしシマフクロウには羽角があり、アオバズクは羽角がありません。「フクロウ」の仲間のフクロウ以外は北海道に生息しています。鷲鷹十六種と『フクロウ』十一種の計二十七種が日本の猛禽類となります。時々「鷹になれなかった雀」と揶揄されるモズは鉤状のクチバシこそありますが、もう一つの条件の鉤爪ではなかったのです。

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