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第734回 始祖鳥の子孫たち

①http://nekonohige896.blog133.fc2.com/blog-entry-580.html?spより引用の始祖鳥のイラスト

 恐竜の子孫とされている鳥類。その長い長い歴史を辿っていくと、その鳥類の起源はやはりこの①のイラストの「始祖鳥」がそうです。「始祖鳥」は類の総称であります。カラスとかハトとかのように。ハシブトガラスドバトのように多くいたと見られるのがアーケオプテリクスという始祖鳥の仲間です。

②https://matome.naver.jp/m/odai/2134129885861104901より引用のツメバケイ親子のイラスト

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 この「始祖鳥」ことアーケオプテリクスの子孫とも思える野鳥がこの②のイラストのツメバケイです。「始祖鳥」の翼には爪があります。これは1800年代に世界各地から出土したアーケオプテリクスの化石からも確認されています。その遺伝子を引き継いだかどうかはわかりませんが、この②のイラストの左側のツメバケイのヒナにその傾向が現れています。しかし、右側の成鳥のイラストをご覧になってお分かりになると思いますが、成鳥の頃には翼の爪は消失しています。

③-1.https://blog-imgs-77-origin.fc2.com/t/u/g/tugumi2003/18ADT7515.jpgより引用のズグロトサカケゲリ

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③-2.https://gifmagazine.net/post_images/978009より引用のカンムリサケビドリ

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 この②のツメバケイは南米(アマゾン川とオリノコ川の各流域)の森林地帯に生息し、体長約60~70㌢の大きさです。漢字表記もあって「爪羽鶏」です。続いて「始祖鳥」の遺伝子を持っているとされるのが、③-1.のズグロトサカケゲリと③-2.のカンムリサケビドリです。ズグロトサカケゲリはご覧になれば分かるように、飛翔する時には翼に爪が見えています。カンムリサケビドリはちょっとこの翼を広げている様子はGIF画像しかありませんでした。この二種は外国の野鳥ですが「始祖鳥」のように成鳥でも爪は残っています。

④http://amasyoubin.blog.fc2.com/blog-entry-130.htmlより引用のバンの親子

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 ④の写真はクイナの仲間のバンの親子です。このバンも「始祖鳥」の遺伝子を引き継いだ野鳥と言われています。今までの②のツメバケイは南米、③-1.のズグロトサカケゲリはオーストラリア、③-2.はブラジルと日本には「始祖鳥」の遺伝子を引き継いだ野鳥はいないのかと思われるでしょうが、このバンは東日本では夏鳥、西日本では留鳥として身近にご覧頂ける野鳥です。このバンツメバケイのように、④の右側のヒナにはご存知のように爪があり、成鳥になくなります。

⑤-1.https://rakutai.jp/wp-content/uploads/2018/11/03satoyama-01.jpgより引用のケリ

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⑤-2.http://fieldnow.la.coocan.jp/file/banding/ohsekka.htmより引用のオオセッカの翼

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 このように、日本でも「始祖鳥」を引き継いだ野鳥はバンのほかにもいます。その代表的な存在が⑤-1.の写真のケリと⑤-2.の写真のオオセッカです。ケリは留鳥で皆さんの近くの田畑にいる「チドリ」の仲間です。またオオセッカは葦原にいる基本的には留鳥か夏鳥の立場で、ヒバリのように飛翔しながら、大きな声でさえずる「センニュウ」の仲間です。この日本で見られる二種の野鳥も、成鳥になっても、翼に爪がある「始祖鳥」の遺伝子を引き継いだ野鳥といえます。

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