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第1179回 黒くないカラスの仲間

①左側の黒いミヤマガラス(体長約47㌢)に混ざって右側二羽のコクマルガラス(体長約33㌢)

   春の時期になると、毎年のように九州は佐賀県を中心に「カラスの大群襲来」とニュースになります。ミヤマガラスは越冬のために日本では九州をはじめとして日本各地に渡ってきます。その様子を見た人が空が黒くなるくらいの大群だったとか、その鳴き声による騒音被害を訴えます。またそのミヤマガラスの群れの中に、必ずと言っていいほど、①の写真のようにコクマルガラスが混じっています。ミヤマガラスによりそうが如くに、ひとまわりも小さなコクマルガラスがいます。

②https://note.com/hiho2351/n/n96bd062926e2/editより引用の左側ハシボソガラス(体長約50㌢)と右側ハシブトガラス(体長約56㌢)

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   ②の写真はハシボソガラスハシブトガラスが仲良く並んで歩いています。これは非常に珍しい光景です。普段は地上採餌しているハシボソガラスと、樹上採餌のハシブトガラスがいるのです。ハシボソガラスは縄張り意識の強いカラスです。ハシブトガラスとウマが合うわけがありません。①の写真の二種は仲が良いです。コクマルガラスには二種類あり、白が混じったタイプとやはり同じく黒いタイプの二つになります。白混じりのコクマルガラスはよく注目されるのは白いからです。

③https://www.google.co.jp/amp/s/a3dea4.exblog.jp/amp/30697639/より引用のオナガ(体長約36㌢)の子育て

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   黒くないカラスの仲間はあと四種いて、③の写真のオナガや、④のカケスルリカケス、⑤のカササギがあがります。この四種の中で、実質的に身体の小さなオナガ(尾羽が約21㌢で、本体はスズメくらいの大きさ)は、天敵に当たるカラスからヒナを守る為に、猛禽類のツミ(体長約27〜30㌢)の巣の近くに数つがいが営巣し、カラスがくると、大きな声で鳴きツミにカラスを追い払ってもらいヒナを守ります。こんなに知恵を使って用心しているのに、カッコウの托卵先になってしまいます。

④一番カラスの性格に近いカケス(体長約33㌢)

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   ④の写真はカケスです。いつも怒っている表情のシメカワラヒワと違い、なにか凄みのある睨みを利かしたような、頭頂部のだんだら模様が余計にヤクザっぽい面構えに見えます。食性は雑食で、面白いことに樫の実が大好きな故に別名をカシドリと言います。知能の高さを証明するに当たると、これらのドングリを数千箇所に貯食し、その場所を忘れないことから、車のカーナビ並みの記憶力です。物真似が上手く、モズは小鳥の鳴き真似ですが、カケスは自分の天敵の物真似です。

⑤-1.知能指数が高いカササギ(体長約45㌢)

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⑤-2.http://sunerji.blog61.fc2.com/blog-entry-2952.htmlより引用の鏡を認識するカササギ

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   残った⑤-1.⑤-2.の写真はカササギです。カササギの生息は謎に包まれています。世界的に分布していますが、ばらつきが多く、日本でも朝鮮半島から移入され佐賀県を経て全国各地にまばらに生息します。やはりオナガカケスルリカケスと並んで、カラスの仲間なのでやはり知能は高いです。カケスも他の鳥の真似をしますがカササギもします。極め付きが鳥類の中でも唯一鏡に写った自分の姿を認識することができます。身体に貼った赤いシールを見て、それを剥がしたそうです。

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