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第876回 また『フクロウ』って言わないで

①https://jp.freepik.com/free-vector/illustration-drawing-style-of-owl-birds-collection_2783079.htmより引用の『フクロウ』のイラスト

   前回の第868回での『サギ』は総称としてもその名前の鳥はいなく、中称の「シラサギ」でもその名前の鳥はいません。今回の総称の『フクロウ』は中称の「フクロウ」にも、種としてもフクロウがいて、昔の人の鳥の呼び方や名付けに複雑さを覚えます。スズメツバメのようにフクロウはいますが、おかしなことに中称の「ミミズク」にはそんな鳥はいません。また「フクロウ」と「ミミズク」の『フクロウ』の分別も曖昧で、また耳のついている位置なども違うややこしさです。

②『フクロウ』の代表フクロウ(体長約50㌢)

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   『フクロウ』は⑴「フクロウ」と⑵「ミミズク」に二分され、日本に生息するのは、⑴フクロウキンメフクロウシロフクロウシマフクロウの四種で、⑵アオバズクコノハズクオオコノハズクリュウキュウコノハズクコミミズクトラフズクワシミミズクの七種で『フクロウ』は全部で十一種いることになります。また中称の「フクロウ」と「ミミズク」の区別の仕方も曖昧で、角羽という耳のような形をした羽が付いてないのが「フクロウ」、無いのが「ミミズク」。

③神社のヒノキなどに棲まうアオバズク(体長約29㌢)

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   しかし「フクロウ」のシマフクロウには羽角があり「ミミズク」のアオバズクには羽角がありません。また耳の位置が非対称になっているのは、齧歯目を捕食するフクロウトラフズクコノハズクの三種です。何かはっきりした境界線がないのが『フクロウ』です。そんな『フクロウ』は夜行性の鳥類は3%の中で『フクロウ』が七割以上を占めます。夜目が利くだけでなく、昼間も見えるので、子育てで給餌活動に忙しい時期や、天敵の少ない所では昼にも餌を捕まえたりできます。

④「ブッポウソウ」と鳴くのはブッポウソウではなくコノハズク(体長約20㌢)

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   顔がパラボラアンテナ状で集音効果を持ち、
ハート型の顔の表の羽毛は柔らかく、その羽毛の生え方で、音の感受性が高められます。右側からの音はほとんど右耳だけに聞こえ、顔盤の周りの羽毛は硬く、人が聞き耳を立てるときに手を耳に当てるのと同じ役目をします。それが左右非対称の『フクロウ』には耳の集音で獲物を見つけます。 暗闇では人と比べて、百倍の感度で、タペタム(照膜)は猫の目が光るのと同じで、僅かな光を集めて明るくする。長く優れて夜は良く見えます。

⑤https://blog.goo.ne.jp/khp-owlets/e/8606fad06baa8c3e036337e029f08662より引用の『フクロウ』の種が多い北海道に於いてもごく僅かの個体数のキンメフクロウ(体長約25㌢)

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   クチバシは鷲鷹と違い、視界を遮ることの無い小ささで、丸呑みが主なので、丸呑みできない大きな餌はちぎるのに苦労します。大きな獲物は脚で運ぶが、小さなものはクチバシに持ち替え運びます。体の割りに大きく幅広の翼で、自分の体重以上の獲物も運べます。翼が大きいので羽ばたく回数が少なくてすみ、その分、羽ばたき時の音も少ないです。多くの『フクロウ』では飛行時に最も前になる第十番目の初列風切羽に消音効果のある鋸歯状突起があります。サイレンサーです。

⑥http://biggame.iza-yoi.net/raptor/eagleowl.htmlより引用の世界最大の「ミミズク」のワシミミズク(体長約72㌢)

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   首には頚椎の骨が12~14(哺乳類は7)鞍状に連結し、回転します。左右どちら方向に水平に320度まわせます。『フクロウ』は正面を向いたまま首をかしげ、頭を上下逆さにできるのは、網膜のいろいろな部分に像を写して確認するためです。趾は前三本ですが、第四趾は後ろにも回転できます。掴むことを意識したときだけ第四趾が後ろになります。獲物を掴むとき十文字に開き、逃げにくくします。に止まるときだけ前二本。平らなところやに止まるときや歩くときは前三本です。



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