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第1979回 鳥の羽のいろいろ

①amazon.jop.より引用の色んな鳥の羽

   一般的に「はね」と言っても、漢字表記を調べて見ますと『羽』が一番多いですが『羽根』『翅』と三つの漢字が現れます。第一に現れる『羽』は鳥の「はね」のことであり、また『羽根』も鳥の「はね」のことです。最後の『翅』は昆虫の「はね」のことです。ではなぜ鳥に関しての「はね」の漢字が二つもあり、また、昆虫の「はね」は『翅』の一つであるのか。この三つの漢字の解説をしてみますと、鳥に使う『羽』はまだ鳥の身体に生えている翼や尾羽の『羽』のことであり、もう一つの『羽根』は換羽のために抜けた「羽根」のことであります。最後の昆虫の『翅』はチョウチや羽虫、甲虫の合計四枚の『翅』のことです。

②https://k-tac.jp/about_feather/より引用の色んな鳥の羽の部位のイラスト

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   羽は皮膚の変形したものです。ケラチンという蛋白質が主成分で、人の毛や爪もケラチンです。ケラチンには多量のリン成分が含まれ、燃やすと独特の臭いがあります。毛が焼ける臭いは羽毛が焼ける臭いと同じなんです。羽毛を持つのは鳥だけで、羽毛を持たない鳥はいません。羽毛は、皮膚から伸びて作られている間は、その毛根である基部に血液が通っています。しかし羽毛が完成されると血流は途絶し、その後は死んだ組織として激しく羽ばたいても取れないように、皮膚に強く固着しています。クチバシ、爪、脚の鱗と同様、死んだ組織なので損傷を受けても痛みは感じません。死んだ器官であるため、維持管理する内部システムを持ちません。水分や栄養を補給する必要がなく、極限まで軽量化が可能です。脂腺からの分泌物を塗布する必要があります。無理に抜くと羽根が破壊されて、生えなくなる事が多いです。緊張すると羽毛が寝た状態になり、縮小します。

③-1.http://www.torinobyouki.com/blog/2013/01/post-38-136565.htmlより引用の正羽

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③-2.http://www.torinobyouki.com/blog/2017/02/post-697-333880.htmlより引用の半綿羽

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③-3.http://www.torinobyouki.com/blog/2013/02/post-39-136568.htmlより引用の綿羽

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 ③-4.http://birdfeathers.seesaa.net/article/298402682.htmlより引用の糸状羽

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③-5.https://www5.city.kyoto.jp/zoo/enjoy/blog/rescue-blog/20200327-38994.htmlより引用の粉綿羽

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③-6.http://birdfeathers.seesaa.net/article/298402682.htmlより引用の剛毛羽

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   ⑴  羽の中で鳥にとって、一番大事なのは③-1.の写真の正羽です。正羽は外から見える羽で羽弁(羽枝及び小羽枝により構成され、羽軸を中心に左右に広がる部分)を作ります。飛行するのになくてはならない羽で風切羽、尾羽、雨覆羽にあります。⑵  ③-2.の写真の半綿羽は軸が有る綿羽のことで
赤い羽根募金の羽に使われます。鳥の体温の維持のために生えています。                                           ⑶  ③-3.の写真は綿羽で、正羽の下で羽枝が羽弁を作りません。羽の役目は鳥の体温の維持する事にあります。ダチョウ類やペンギン類には保温する綿羽はありません。                                                                                                 ⑷  ③-4.の写真の糸状羽は感覚器官の働きをします。羽のうちで一番本数が最多です。飛ばない鳥にはありません。                                                  ⑸  ③-5.の写真の粉綿羽は、伸びると先端が崩れて粉になります。この羽は防水効果があります。一生を通じて換羽しない特殊な羽毛で、直径1μの綿羽の一種。
羽枝と小羽枝が絶えず伸び続けます。先端が壊れて遊離し、ケラチン質の粉末となり羽毛を覆います。この粉末を羽に塗り、汚れの除去や防水に役立てる。人でいうドライシャンプーの応用です。  1.  尾脂腺が発達していない鳥で見られます。
→ハト、フクロウの仲間、インコ
2.  体全体に粉綿羽がある→サギ類、モリツバメ類
シギダチョウ類
胸や腰に粉綿羽斑があり、多量に粉羽を生成。
クイナモドキ科では5対(10ヶ所)もあります。          ⑹  ③-6.の写真は剛毛羽です。鼻孔の上部、口角部、目の周囲などに生えている剛毛状の羽毛です。羽枝が無い羽幹部だけのものと、短い羽枝がまばらに生えるものとあります。                          1.  ヨタカアマツバメ、ヒタキの仲間に発達し、飛びながらクチバシで、昆虫類を捕らえるとき、捕虫網の役目をします。
2.  ダチョウなどのまつ毛も剛毛羽。

④-1.http://www.torinobyouki.com/blog/2016/09/post-164-332980.htmlより引用の後羽

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④-2.https://www.wikiwand.com/zh-sg/%E7%BE%BD%E6%AF%9Bより引用の羽小枝

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   ⑺  後羽(④-1.の写真)
1.  最大級の大きさ→エミュー、ヒクイドリ
2. 大きい種
→シギダチョウ類、キジ類、ライチョウ類
3.  持たない種→ハト類
   ※  後羽があることは原始的な形質で、退化や消失は進化の過程で一様ではありません。翼や尾羽にはなく、体羽だけに存在いたします。                 ⑻  羽小枝(④-2.の写真)
1.  多くの水鳥→発達していて撥水性を生む
2.  ウ類→ないので、水が浸透し、浮力が減る
3.  サケイ類→渦巻状。砂漠に生息するので、水を運ぶのに役立つ

⑤https://bmw3931.blog.fc2.com/blog-category-8.htmlより引用のタゲリ(体長約32㌢)の冠羽

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⑤-2.http://jisiginavi.web.fc2.com/pinandswinhoesidetification20120826a.htmlより引用のハリオシギ(体長約25㌢)の尾羽

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   ⑼  冠羽(⑤-1.の写真)                                              →タゲリヒバリなどでは一年中見られる。              ※  以下の羽は②のイラスト参照
⑽  雨覆→
1.  空気が逃げるのを防ぎ、雨除けではない
2.  下雨覆は上面とは違う柔らかな羽
(11)  小翼羽
1.  翼を畳んだとき、最も前にくる部分で、手首に相当
2.  急旋回や着地のとき、失速を防ぐ。
タカ目で特に発達
(12)  上尾筒
1.  孔雀、ケツァールのオスでは非常に長い。
2.  尾羽は飛行時にブレーキの役割をするので、飛行にはあまり影響のない上尾筒が伸びた。
(13)  尾羽
1.  背骨の後部先端に付く。
2.  迎角、面積を変えられ、安定と制御の働きをし
大きいほど遠距離飛行には不利。
3.  陸鳥では面積が大きいものが多い。
4.  首の長い鳥は尾羽が短い傾向がある。
5.  ツバメなどが活動する空中は逆光で、色彩が目立たず、同種か別種か色彩では判別しにくい。
6.  逆光世界の鳥ではシルエットの特徴が発達しやすい。
7.  海上を飛ぶアジサシ類の尾は燕尾型、M字型、丸型など特徴的。ツバメトビなど空中で急に方向転換をする種では尾が二股に割れているものが多い。燕尾は方向転換に有利に働く。
8.  尾骨の両側から生えているので、必ず偶数。
畳むと中央尾羽が上になる。10~32枚(日本の鳥では最高26枚)多くが12枚。近似の鳥でも異なることも多い。系統上にはあまり重要な意味は無い。
タシギ類ではコシギ14、オオジシギ18、ハリオシギ26枚(⑤-2.の写真)

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