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第1681回 色んな鳥の性

①https://imagenavi.jp/search/detail.asp?id=31576468より引用のシルエットの鳥のイラスト

   私たち人間社会でも、ジェンダーだとか言って、同性愛者の生活権をもっと公に認めようとマスコミあげてテレビのコマーシャルなどでも取り上げられています。現代社会に於いてはどんな生き方をしようが、それがそのカップルにとって幸せに繋がるならそれもその人たちの人生であることを認めているからです。日本と違って海外では同性愛者同士の入籍も認めている国もあるのです。そんな人間社会だけの物と思っているジェンダーも鳥達の生活にも、色んな研究で解明しています。

②https://www.google.co.jp/amp/s/gigazine.net/amp/20161125-sparrow-with-four-sexesより引用のノドジロシトド(体長約17㌢)のイラスト

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   ②のノドジロシトドのききなしに変化が出てきたということを知り、この鳥はききなしよりもっと重要なことがあると思います。以前にも記事にしましたが、人は染色体が一つで性別は男女一組です。この鳥は四つの性別を持つ鳥です。ノドジロシトドには頭に白いストライプが入ったものと、褐色のストライプが入ったものの2種類が存在します。白いストライプのノドジロシトドは気まぐれで、子育てが不得意、攻撃的で歌が上手。一方で褐色のストライプを持つノドジロシトドは単婚で子育てが得意、保護性があり、歌が下手です。

③-1.https://www.google.co.jp/amp/s/gigazine.net/amp/20210225-half-male-half-female-songbirdより引用の雌雄一羽のショウジョウコウカンチョウ(体長約21〜24㌢)

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③-2.https://www.anuhea.info/birds-hawaii/northern-cardinal.htmlより引用のショウジョウコウカンチョウの雌雄(左がオス、右がオス)

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   ③-1.のショウジョウコウカンチョウは右半分がオスで、左半分がメスの色をしています。長ったらしい和名を英名にしますと大リーグでお馴染みのカーディナルズだと分かりやすい紅色の鳥です。③-1.はその雌雄です。問題のショウジョウコウカンチョウは通常の個体と同じように振る舞ったとのことですが、オスとして活動するのかメスとして活動するのかは不明。今回のショウジョウコウカンチョウのようなオスとメスの特徴を兼ね備えた個体は「雌雄モザイク」と呼ばれます。

④https://ja.m.wikipedia.org/wiki/キンカチョウより引用の同性愛のキンカチョウ(体長約10.5㌢)

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   野鳥のジェンダーはオス同士が多いです。④-1.は日本では明治期に輸入されて以来家禽として飼育されていますカキンチョウです。またシロトキヒゲペンギンにも同じ傾向がありそうです。キンカチョウの例では、オスだけのグループを隔離した場合、約半数の鳥が同性でのつがいを形成したそうです。さらにそこにメスを参加させたところ、八つのつがいの内五つのペアが、新たに加入したメスを無視してオス同士のつがいを維持したとのことです。鳥の世界も複雑になっています。

⑤https://www.birdfan.net/2017/05/12/52528/より引用の自由逆転のつがいのタマシギ(左がメス

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⑤-2.http://www3.ic-net.or.jp/~tfukukawa/tori/7/to75.htmより引用の派手な色合いのメスのタマシギ

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   この⑤の両方の写真は通常なら左の身体の大きな派手な体色の個体がオスで、小さくて地味な色合いの個体がメスと思われがちですが、すべては逆の雌雄入れ替わりがタマシギです。タマシギは一妻多夫の典型的な野鳥です。メスがオスに求愛し、子育てする営巣はオスが造り、メスは縄張りをまもる。卵を産んだ途端にメスはまたつがい相手のオスを求めて去ります。オスが抱卵し、ヒナから幼鳥へ子育てをして、メスがやるべき主婦業を、このオスが主夫てしてやり遂げるのです。

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