見出し画像

第1990回 珍鳥って何

①https://hiyoko.tv/torimono/news/eid580.htmlより引用の珍鳥のイラスト

   「珍鳥」とは何かを、調べてみますと『めずらしい鳥』『奇鳥』と表れます。『珍しい鳥』とネットで検索致しましたら、日本で見ることが出来る鳥はいますが『奇鳥』と検索してみましても、日本の鳥は表れません。変な話ですが、鳥という生き物は人類の憧れである、飛ぶための翼を持っていまして、何処へでも移動することができる唯一の生き物です。山があろうとも、川が流れていようとも、海を越えて遠くの国へも行くことが出来ます。しかし、珍しい鳥で日本に来たことのある鳥に重きを置きませんと、外国の鳥のすべてが珍鳥となってしまいますから、日本に表れたことが今までにも記録されている珍しい鳥の紹介です。

②-1.https://www.birdfan.net/2017/06/02/53150/より引用の珍鳥だったヤツガシラ(体長約26㌢)

画像1

②-2.https://costume.iz2.or.jp/costume/533.htmlより引用の高僧の衣装のひとつ

画像2

   この②-1.の写真のヤツガシラをご覧になるだけで、珍鳥と思われる方も多いと思います。冠羽を広げた状態がこの写真で、扇子を広げたような形になります。この鳥は本来ならヨーロッパ南部および中部、アフリカ、南アジアから、東南アジア、中国、沿海州にかけて分布します。日本では、少数が旅鳥もしくは冬鳥として渡来します。和名の漢字表記は「戴勝」「八頭」で植物の里芋の仲間のやつがしらと同じ名前です。また漢名があり「戴勝(たいしょう)」「呼哱哱(フーポーポー)」「山和尚」とも言われます。それは写真を見てのとおりの②-2.の写真の衣を纏った高僧のようだからです。ヤツガシラが有名になったのは、戦後になって皇居に一羽が飛来したときは、昭和天皇が観察を行っておられます。昭和天皇は皇居の庭に降り立ったヤツガシラを見る為、実施に双眼鏡を持ってくるよう命ぜられましたが、里芋の一品種であるやつがしらと勘違いした侍従は「お芋を見るのに双眼鏡が何故いるのですか」と聞き返した逸話が記事になり、一躍有名になりました。

③-1.https://j-town.net/2020/06/23306540.html?p=allより引用の都心に現れたミゾゴイ(体長約50㌢)

画像3

③-2.Twitterより引用のミゾゴイの幼鳥は親鳥から餌をせがむのにダンスを踊る

画像4

③-3.https://ameblo.jp/toukaku2019/entry-12711233565.htmlより引用の珍鳥中の珍鳥といわれるサンカノゴイ(体長約70㌢)

画像5

   ③-1.の写真のミゾゴイはNHKの「ダーウィンが来た」でも紹介されたくらいの珍鳥です。夏鳥として日本に飛来し、ほぼ日本(本州、四国、九州、伊豆諸島など)で繁殖します。③-1.の写真は色んなところに飛来するのはその鳥の勝手ですが、新宿の駅前ロータリーに現れ、話題になった珍鳥です。標高1,000メートル以下にある、平地から低山地にかけての森林に生息します。その沢の周辺で採食、営巣する映像が「ダーウィンが来た」で流れ、③-2.の写真のように幼鳥が親鳥に餌を強請るさいにダンスを踊って気をひかして餌を貰うことが紹介され、また有名な珍鳥のひとつになりました。また同じサギの仲間の③-3.のサンカノゴイの珍鳥たる由縁のひとつに、日本では北海道と滋賀県の琵琶湖、茨城県の霞ヶ浦、千葉県の印旛沼などで繁殖が確認されています。北海道では夏鳥で、他の繁殖地周辺では留鳥として生息しますが個体数は少ないです。このほか、本州以南の各地に、冬鳥として少数が渡来するという、地域によって温度差の激しい鳥で、繁殖期に「ボォー ボォー」と低くよく通る声で繰り返し鳴きます。主に夜間鳴きますが、時には日中にも鳴いてます。またシラサギとは違い、首が太いことも有名で、ヨシゴイミゾゴイサンカノゴイの三種は他の仲間が形成しますコロニーを作ろうとしません。

④-1.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Zonotrichia_atricapilla1.jpgより引用の珍鳥キガシラシトド(体長約16㌢)

画像6

④-2.http://tori3.sakura.ne.jp/birdworld_menu/atori/benimasiko/benimasiko-1w-ma.htmより引用の冬羽のオスのベニマシコ(体長約15㌢)

画像7

④-3.http://www.nagaimasato.com/works/torikunzukan2/miyamasitodo.htmlより引用の冬羽のオスのミヤマシトド(体長約17㌢)

画像8

   今、一番の珍鳥と検索致しましたら出てきますのが、④-1.の写真のキガシラシトドです。アラスカ、カナダ西北部から中部で繁殖し、冬期にはアメリカ西部に渡り越冬します。日本では迷鳥で、数回しか記録されていません迷鳥ということになります。地鳴きは「チ-、チッ、チンッ」など金属的な声で鳴きます。この鳥に似ているのは、冬羽のベニマシコとやはり冬羽のミヤマシシドキガシラシトドにそっくりと言います。ミヤマシトドは数少ない迷鳥として日本にやってきます。これまでの「珍鳥」は、ほとんどが日本に舞い込んで来た迷鳥で、紹介させて頂いた中で、日本に通常に季節の鳥として、登場したのはミゾゴイサンカノゴイの二種で、この両種は突拍子もない行動や仕草で珍鳥として扱われていて、やはり私の考えとして、このような鳥が珍鳥だと思います。

⑤-1.https://www.birdfan.net/2006/08/01/1292/より引用の真っ逆さまのゴジュウカラ(体長約14㌢)

画像9

⑤-2.https://www.birdfan.net/2020/03/06/77811/より引用の木の幹に垂直に止まれるキバシリ(体長約14㌢)

画像10

⑤-3.https://note.com/hiho2351/n/nbcd9fe7fe154より引用の爬虫類に擬態するアリスイ(体長約17㌢)

画像11

⑤-4.https://www.birdfan.net/2017/10/20/56225/より引用の普段のアリスイ

画像12

   そういう意味では、⑤-1.の写真のゴジュウカラは、シジュウカラと同じくカラの仲間ですが、写真のようにキツツキのように、木の幹に垂直に止まれるのは当たり前で、この鳥は写真のように木の幹を真っ逆さまに歩くことができます。これに近いのは、やはりキツツキではありませんが、カラの仲間でもない⑤-2.の写真のキバシリです。この鳥は、木の幹の根元から、垂直に上向きで歩いて登ります。しかし、下向きには降りることが出来ません。やはり、わたしはゴジュウカラは珍鳥だと思います。もうひとつの私が思う珍鳥は⑤-3.の写真のアリスイです。この鳥はキツツキの仲間ですが、キツツキのように木の幹を突くことはしません。写真をご覧になってお分かりのように、地上近くの木の幹にいるアリを長い舌を使い、捕食致します。この写真の姿は擬態しているのか、爬虫類のヘビのようです。自分たちの天敵に擬態するなんて、私は珍鳥であると思います。普段のアリスイの姿であります⑤-4.の写真を見まして、⑤-3.の写真が嘘のような、普通の野鳥の姿です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?