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第857回 カンムリカイツブリの逆マウンティン

①https://note.com/chlorine0528/n/n6f31e359c50aより引用のイラスト

   カンムリカイツブリといえば、カイツブリの仲間で、漢字表記も見たまんまの「冠鳰」。凄く発音は長いのに、漢字表記すれば、二文字で済みます。カイツブリと名前が付くくらいですから、当然潜水して、獲物の魚を捕食します。日本では、冬季に九州以北に冬鳥として飛来さますが、青森県の下北半島や滋賀県の琵琶湖など本州の湖沼でも少数繁殖が確認されています。カイツブリが体長約26㌢に対して、このカンムリカイツブリは体長約56㌢もあり、日本のカイツブリでは最大級。

カンムリカイツブリ(左側がメス、右側がオス共に体長約56㌢)の求愛ダンス

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   カンムリカイツブリは②や③の写真をご覧になればお分かり頂けると思いますが、カイツブリ同様に雌雄同色です。雌雄の区別は二枚の写真ではわかりづらいですが、オスの方の頭に名前の由来通り、冠が大きいです。また首筋の襟飾りと言われる羽もオスの方が目立ちます。また②の写真のように、求愛ディスプレイも素晴らしく、写真のように、お互いが水上に立ち上がるようにして、オスはメスへの結婚指輪代わりの魚、メスは新居となる水上の巣の材料をオスに渡して結婚成立。

③普段のカンムリカイツブリのつがい(奥側がオス、手前がメス)

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   カンムリカイツブリは流れの緩やかな河川、湖沼、湿原などに生息しますが、冬季には河口、港湾、沿岸部にも生息します。食性は動物食で、魚類、両生類、水生昆虫などを食べます。潜水して獲物を捕食するのに30秒以上潜ることもあります。やはりカイツブリの仲間なので、お尻の近くに脚が生えており、歩行が下手で、飛び立つには水面を蹴って滑走してから飛び立ち、長い頸(クビ)を伸ばして小刻みな翼動で直線的に飛びます。最大級の大きさでもやはりカイツブリなんです。

④https://terachan.at.webry.info/201906/article_2.htmlより引用の通常のカンムリカイツブリ(上側がオス、下側がメス)の交尾

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   ④の写真は普通のカンムリカイツブリの交尾です。しかし、カイツブリの仲間には、全てではありませんが、ネット検索していると、普通の交尾と違い、雄と雌の体位が入れ替わって、交尾する"逆マウンティング"があるということです。残業ながら、その証拠映像は動画しかなく、私はいつもスマホからお届けしていますので、載せることができません。どういう身体の構造をすれば、"逆マウンティング"が出来るのか、興味深く思いますが、あまりにも資料が少ない現状です。

⑤https://www.love-birds.net/h220815/より引用のタマシギ(上側がオス体長約22㌢、下側がメス体長約26㌢)の交尾

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   ⑤の写真をご覧になった方なら、大きな身体のオスドリの上に小さな身体のメスドリが乗っているのだから、カンムリカイツブリ以外にも"逆マウンティング"をする種はいると勘違いされては困りますが、この種名はタマシギと言いまして、雌雄逆転をして。子育てから何もかも画上の小さなオスがします。この世の中には、有り得ないことが時たま起こります。このカンムリカイツブリは普通の交尾と逆さまの雌雄逆の交尾を使い分けるのか、今後の研究に期待するしかないと思います。

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