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第839回 『日本書紀』に登場する鳥たち

①https://zinja-omairi.com/nihonshoki/より引用のイラスト 

   『日本書紀』に登場する野鳥では、やはりこのセグロセキレイが一番最初に来て当然だと思います。イザナギ、イザナミの二人の夫婦の神様に子作りの仕方を教えて差し上げて、いま私たちが存在するこの日本の創設のお手伝いをして差し上げたのですから。この『日本書紀』には三十人の天皇の時代に文章として表されるのか、歌謡としてなのか、地名や人名にまつわる表し方なのか『古事記』より違った野鳥が登場するのか、その歴史ある時代の古名で表される野鳥はどの鳥なのか。

②『日本書紀』の代表的な野鳥のセグロセキレイ(体長約21㌢)

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   神代上天皇から神代下、神武と続き30の項があります。セキレイ、トコヨナガナキドリ(鶏?)、ササギ=カクガドリ(ミソサザイ)、鴫、鷲、キジ、雁、鶏、スズメ、ソニ(カワセミ)、トビ、鴉、鵜、千鳥、鶴、夷鳥(ひなどり?)、クグイ(白鳥)、トキ、黒鳥、ニホドリ(カイツブリ)=カヅクトリ(潜鳥)、ネトリ(寝鳥)、メトリ?、ハヤブサ
ミミヅク=木菟、鷲、鷹、モズ、鳩、マトリ(真鳥)、トリ(鳥?)、ガチョウ、オホトリ(鳳)、ミズトリ(水鳥≒鴨?)、イカル、コトリ(小鳥?)、

③『金鵄』と言われたトビ(体長約59㌢〜69㌢)

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   アトリ、アカハト(キジバト?)、カササギクジャク、トリカヒ(今の摂津市鳥飼←地名から)、クヒナフクロウオウムオシドリツバメヤマドリ、シトド(ホオジロ)、コウモリ(この当時は飛ぶものや高所から鳴くサルも鳥)と『古事記』に比べてみると、この古名は現在のこの鳥であろうとか、ずばり今の名前の鳥が登場しています。また外国からの野鳥のクジャクガチョウオウムなども登場しています。よく古名で登場するシトドことホオジロは『日本書紀』から登場です。

 ④斑鳩からのイカル(体長約23㌢)

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   この『日本書紀』で一番有名な話は神武天皇と八咫烏(ヤタガラス)ですが、敢えてヤタガラスは存在しないので『金鵄』ことトビにしました。やはり同じように神武天皇率いる軍が劣勢だった時に、ヤタガラスは目的地を導きましたが、金鵄は決戦の際に突如として、天皇側の槍の上に現れ、その激しく輝く黄金色で、敵軍の眼を眩ませて天皇軍を勝利に導きました。そのほかこの『日本書紀』には、存在しない鳳凰が登場したり、外国からのクジャクオウムが登場しています。

⑤臘子鳥(アトリ 体長約16㌢)

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   『日本書紀』には沢山の大神方が登場され、そのひとつに臘子鳥(アトリ)の話があり「臘子鳥天を弊ひて西南より東北に飛ぶ」と、臘子(ろうし)は狩子(かりこ)を指し、狩りのとき山野に狩子が満ちるように、山林に満ちているという意味と、アトリのその鳴き声から名付けられた名前の由来を紹介しています。またイカルの名前の由来も、現在の奈良県の斑鳩(いかるが)をして「斑鳩(イカル=いかるが)、鳥を以て名をせしなり」と詠われています。セキレイの国造りから始まります。

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