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第946回 江戸言葉の中の鳥

①https://www.fugetsudo-ueno.co.jp/oedo_kotoba_01.htmlより引用の「江戸ことば」のイラスト

   江戸っ子の定義は「三代続いて江戸に住んでいること」など諸説あるようですが、江戸っ子「ひ」と「し」の区別がつかないというのは有名です。
年配の方の中には「潮干狩り」が「ひおしがり」になったり「広くするのか白くするのか」わからなかったり「おしたし」か「おひたし」か迷ったりすることもあるようです。「ひ」と「し」だけでなく、「さ」行が「た」行になってしまうことは、しばしばあります。さあ、江戸ことばにはどんな鳥たちが現れるのでしょうか。

②http://sakurabayukiko.net/2019/02/17/akegarasu-kousatu/より引用の「明烏」

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   ⑴青首→マガモのオスのこと。捕獲が禁止され、売買も役人の検印が必要。
明烏(あけがらす)→夜明け頃に鳴く鴉
男女の別れを表すもの。
浅黄鴨(あさぎがも)→あさぎ色の半天を着た小者。黒半天の「黒鴨」より更にみすぼらしいとされた。「藪医者は 浅黄鴨など つれてくる」
頭の欠けた鳥→蝙蝠の異名。頭に比して耳の大きいところから。
家鴨(あひる)→深川の岡場所の異称。
(二百のことをガアと申します。ガアを二つで一本になりますから、泊が出来ます。ガアガアといふものはハ、家鴨より外ござりません)「ふか川は 海にあひるの 居る所」
有難山の時鳥(ありがたやまのほととぎす)→山ほど感謝するで「有難山」と付いたのでホトトギス
好鳥(いいとり)→自分にとって大変に都合が良いもの。良い鴨≒鴨にする。

③https://zukan.com/jbirds/leaf84727より引用の「頂山の鳶烏」

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   ⑺頂山の鳶烏(いただきやまのとびがらす)→「いただきます」から山の頂。鳶や烏は飛んで来て物をさらっていくから、思いがけず手に入ること。
意地雁股(いじかりまた)→荷物を運ぶ時の足の形。中腰で両足を広げた状態。がに股のこと。
川柳「五百両 いじかり股に 歩かせる」
鵜の反吐(うのへど)→鮎の異称。鵜飼において、鵜が一度飲み込んだ魚を吐くことによる。
鵜の目返(うのめがえし)→布を強化するために、糸で点々と差し縫いすること。「手には鷹、足には鵜の目、返し也」
(11)鵜の目鷹の目→鵜が小魚を探すような、鷹が小鳥を探すような、懸命に物を探し出すさま。
(12)(ウズラ)→1.芝居小屋の後方の安い席が鶉座敷  2.鶉餅。中に塩餡を入れた饅頭。

④https://kotaka-eyelashkimono.amebaownd.com/posts/page/0?type=gridより引用の「小鷹結び」

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   (13)餌差(えさし)→鷹の餌にする小鳥を捕える人。江戸幕府にはこの役職があり、鷹匠の配下。
(14)江戸雀→江戸の事情に精通した人。
「椋鳥も 毎年来ると 江戸雀」
(15)小鷹結び(おたかむすび)→帯の結び方の一つ。
小鷹が飛び回っているように見える。
(16)尾羽打枯らす(おはうちからす)→鷹の尾と羽が傷んでみすぼらしくなる意。落ちぶれて以前のおもかげのないこと。
(17)掻立(かきたて)→行灯の灯心を押さえる心押し。鶴のデザインが多い。
(18)鶴翼(かくよく)→鶴が翼を広げているような形に陣を張り、敵を包囲する。

⑤https://www.google.co.jp/amp/s/mag.japaaan.com/archives/108918/ampより引用の「籠の鳥」

   (19)籠の鳥→吉原の遊女。廓から自由に出られず、年季や借金に縛られているさま。「籠の鳥 三度目からは 餌付くなり」(馴染みになる)
(20)風吹烏(かざふきがらす)→風が強いとカラスも真っすぐ飛べない。よろめくので、酔って足取りのしっかりしないさま。
(21)鴎髱(かもめづと)→髱(たぼ)の長く反った髪型。より細いものは「鶺鴒髱」。髱が、鳥の尾のように長い。
(22)烏金(からすがね)→朝借りて、夕または翌朝に返す小口の事業資金。カラスが早朝に町に来て、夕方には帰って行くのに掛けた。
(23)雁瘡(がんがさ)→湿疹など、特に手足にできるもの。雁が渡ってくる頃でき、去る頃に治ることから。川柳「うるさゝは 初雁がねを 脛で知り」

⑥https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12203341537より引用の「雁首」

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   (24)雁首(がんくび)→煙管の頭。たいていの人が煙草を吸っていたので、「まぁ一服」となり、何人か人が集まることを「雁首揃える」といった。(25)鳩首(きゅうしゅ)→人が集まって相談する様を、鳩が集まる様に掛けた。
(26)九の鳥(くのとり)→鳩の異称。文字の洒落。
「八の字で 九の鳥を書く 御神号」(八=八幡)
(27)黒鴨→紺の無地木綿物をつけた草履取り、下男など。「あひるでも 追えと黒鴨 弐朱もらい」
(28)鴟尾(しび)→鴟(ミミズク)の尾を象る装飾瓦。
(29)雀色時(すずめいろどき)→夕暮れ時、黄昏時。

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