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第1553回 謎のアオバト

①https://mobile.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/4519.html?transfer=pc_to_mobile&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jpより引用のつがいのアオバト(左がオス、右がメス、共に体長約33㌢)

   日本に於いて、総称で『鳩』と言いますと、街中にたむろしているドバトと、最近になって街中に進出してきましたキジバト、そして今でも山中に生息している今回の主役のアオバトの三種です。あとは地域限定の埼玉県鳥シラコバト、小笠原諸島のカラスバト、南西諸島のキンバト、鳩には珍しく冬鳥として、西日本に飛来するアカバトの七種です。これまでもアオバトを取り上げてきましたが、再度復習の意味を込めて、日本に生息するハト七種のうち、非常に綺麗な謎の鳩なのです。

②https://tr.twipple.jp/hs/b4/3f/アオバト.amp.htmlより引用の緑に溶け込むアオバト

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   ②の写真のアオバトは山の緑に溶け込んでいます様子を表しています。森の中では木々の緑にまぎれて見つけにくいアオバトは、忍者の「木の葉がくれ」の術のようです。美しい緑の身体に、尺八を思い浮かばせるような神秘的な鳴き声「オー、オアーオ、オアーオ」と、自分はアオバトである事を鳴き声で周囲に知らせます。鳴き声でその鳥の名前を表していますのは、身近なところではヒヨドリの「ヒーヨ、ヒーヨ」世界的に有名な托卵鳥のカッコウは、そのものズバリの「カッコー」

③-1.YouTubeより引用の海水を飲むアオバト

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③-2.https://aobato-japan.com/drink/より引用の鉱水も飲むアオバト

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   殆どの鳥は「水を吸う」ことが出来ず、水を飲む時は、頭を上に向けて喉の奥に水を流し込みます。鳩はストローのように水を吸うことができます。また、野鳥の中で唯一アオバトは5月~10月頃になると、海水や鉱水などの、塩分を含む水を飲む姿が目撃されています。塩分をゴクゴクと大量に摂取する鳥は、世界的に見ても日本のアオバトでしか確認されていません。アオバトのこの不思議な行動は、いったいどんな理由で行われているのでしょう。いまは二つの説があると言います。

④https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アオバトより引用の果実食のアオバト

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   その理由のひとつに、アオバトは完全なる植物採取の果実食てす。アオバトが夏になると果実しか採餌しないため、果実にはナトリウムがなく、その代替えとして、海水を飲んで補給するのではないか。人でも果実しか食べない人は、塩分を多めに摂取します。二つ目の理由としては、子育ての時に大量のミネラルが必要とし、ピジョンミルクが体内に形成されます。しかし、同じ鳩の仲間すべては子育てにピジョンミルクを形成しますが海水や鉱水を飲んで塩分を摂取する事はないです。

⑤-1.https://petippai.com/wildbird/catalog/064.htmlより引用のズアカアオバト(体長約35㌢)

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⑤-2.https://www.birdfan.net/2019/05/17/70628/より引用のキジバト(体長約33㌢)

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   また、新たな謎として挙げられるのは、アオバト以外の鳩は地上採餌の穀物食で、これに対してアオバトは樹上採餌の果実及び果肉食です。面白い別名にアオバト(⑤-1.の写真のズアカアオバトも含め)と⑤-2.の写真のキジバトは同じく『ヤマバト』という名前を持っています。体内構造に於いてアオバトは果実食、キジバトは穀物食で、間にズアカアオバトが位置します。しかしこの三種とも穀物をすり潰せる砂嚢を持って、なぜ同じ砂嚢を持つアオバトが果実食で塩分を取得するか謎です。

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