見出し画像

第1721回 忍術を使う鳥

①Twitterより引用のイラスト

   もう何回か野鳥の水辺に於ける忍者のような高度を紹介させて頂いたことでしょう。鳥が空を飛ぶことは当たり前ですが、①のタイトルイラストのように水上に浮いて歩く忍者のような行動や、岩苔が生えて滑りやすい水面の岩をいとも簡単に跳び走ったり、その水上を走り抜けたり、泳げることは当たり前で、水中を長い時間も潜水したり、また、川底を水中遊泳して歩いてみたり、水陸空共に熟せる野鳥の姿に羨ましさを覚えると共に、人でいうとトライアスロンのようにも感じます。

②-1.http://divinghamamatsu.blog.fc2.com/blog-entry-1843.html?spより引用の潜水するカワウ(体長約81㌢)

画像1

②-2.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/kawasemi2030/entry-12242192753.htmlより引用のカワウの趾

画像2

   ②-1.のカワウは後に登場しますカワガラスと共に黒っぽい羽を纏っていかにも忍者という雰囲気の野鳥です。長良川の鵜飼はウミウですが、同じ鵜の仲間ですので、長く水中に潜っていられます。カワウで最高120秒潜水することができるようです。カワウはカモやハクチョウ、サギ、カワセミと同じく水鳥の仲間です。②-2.の「全蹼」と言われる水掻きを持ち、普通に泳ぐことは勿論、このように潜水も出来、また飛行する事は当たり前で、起用なのはこの趾で樹木の枝にとまります。

③-1.Twitterより引用の水草の上を歩くバン(体長約32㌢)

画像3

③-2.http://www3.famille.ne.jp/~ochi/bird/ban-1.htmlより引用のバンの趾

画像4

   以前に③-1.の写真の水上の水草のハスの葉の上を沈まずに歩くクイナの仲間のバンの趾と、仲間のオオバンの趾は全く違っていました。③-2.の写真のバンの趾は、ご覧のようにバンでは三前趾足(水掻きがない趾)を持つ祖先から身体の割りに大きすぎる特異な「弁足」へ進化した趾を持っています。元々この趾では泳ぐことは不得意です。このような趾の仲間にはレンカクがいます。また仲間のオオバンは次に登場するカイツブリと同じく「弁足」なのはバンとは『属』が違うからです。

④-1.http://blog.livedoor.jp/maiaitsuki/archives/1039427633.htmlより引用の潜水するカイツブリ(体長約26㌢)

画像5

④-2.http://komorebi-yureru.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_effa.htmlより引用の水上を走るカイツブリ

画像6

④-3.https://squatyama.blog.ss-blog.jp/2009-11-09より引用のカイツブリの趾

画像7

   ③-1.の写真の水中に潜っているカイツブリはよくカモの仲間に間違われます。常にカモと行動を共にしているからです。基本的に陸ガモと呼ばれるカモは潜水ができません。潜水することができる代わりに、カイツブリの趾はカモやカワウのようか水掻きのある「蹼足」ではなく、④-2.のようなオオバンと同じく「弁足」になり、脚はお尻の近く唐生えていて、歩くことは苦手です。また翼が身体の割に小さくて、④-3.のように、水上を次助走して、水上飛行機のように舞い上がります。

⑤-1.https://note.com/hiho2351/n/nf48218433658より川の岩上を助走するカワガラス(体長約22㌢)

画像8

⑤-2.https://blog.goo.ne.jp/chobin_0129/e/e32c96062c2f293d35ec5e686e467b28より引用の潜水しながら水中を歩くカワガラス

画像9

⑤-3.http://diastataxy.jpn.org/sr1444_kawagarasu_toe.htmlより引用のカワガラスの趾

画像10

   水の上を歩くもの、又は水上を助走して飛び立つもの、泳いたり潜水するものなどいろんな忍術を使う野鳥がいます。しかし、この最後の項の⑤-1.の写真のカワガラスはカラスの仲間ではなく、カイツブリと同じく単独の属です。姿形はミソサザイに似ます。このように滑りやすい岩の上を跳び走ったり、やはり水掻きもないのに泳いたり、潜水したりなんかし、潜水は勿論、⑤-2.のように川底を流れに逆らい歩くことが出来ます。これは⑤-3.の趾の裏が吸盤状になり滑りを抑えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?