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第1532回 構造色の鳥

①http://www.techno-synergy.co.jp/opt_lectures/about_SColor00.htmlより引用のシャボン玉の構造色

   以前にも構造色のお話はさせて頂きましたが、①のタイトル写真のシャボン玉や、CDの表面色であるとか、アワビの貝殻の内側とかはご覧になった方は多いはずです。その構造色の原理も以前に説明致しましたが、書き上げてる自分でもわかったようなわからないような感覚でした。そんな原理より、こんな生き物も構造色だというのは、昔は身近にいたタマムシや、緑に光る甲虫とか、活きているイカの変わるがわるの変色とか、全て構造色のおかげで、素晴らしい色合いが楽しいです。

②https://mochico25.hatenablog.com/entry/2020/12/14/171613より引用の翆(ミドリ)の構造色のカワセミ(体長約17㌢)

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   では日本の構造色の鳥類となれば、どの種かいるのか尋ねられましたら、当然に②の写真のカワセミを思い浮かべます。カワセミの構造色こそ、青系や緑系の要素を含んだ、最強の構造色の野鳥だと思います。カワセミの一番一般的な漢字表記は「翡翠」です。「翡」はオスのカワセミを表し「翠」はメスのカワセミを表します。またカワセミの身体の色合いの宝石の『翡翠(ヒスイ)』は、カワセミから漢字を分けて貰いました。そのくらいに昔からカワセミの構造色は群を抜いています。

③-1.https://www.birdfan.net/2018/07/20/63947/より引用の紺色の構造色のブッポウソウ(体長約29㌢)

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③-2.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/bird55-2019/entry-12651260045.htmlより引用の瑠璃色の構造色のルリビタキ(体長約14㌢)

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   日本の野鳥に於ける構造色は、私は青系と緑系に二部されると思います。その青系の代表的な種が、カワセミが属する③-1.の写真のブッポウソウです。渓流の宝石のカワセミに対して、森林の宝石と呼ばれるブッポウソウ。青系の濃い紺色の綺麗な野鳥です。また、明るい青系の構造色を代表するものに、③-2.の写真のルリビタキがいます。「瑠璃」と形容されるように、この種も宝石のような構造色の鳥です。このルリビタキの仲間にはオオルリコルリがいて、こちらは濃い紺色系。

④-1.https://www.tajima.or.jp/nature/bird/134422/より碧く発光する構造色のヤイロチョウ(体長約18㌢)

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④-2.https://www.birdfan.net/2012/02/10/17808/より引用の紫黒の構造色のハシボソガラス(体長約50㌢)

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   同じく青系と言われる種でも、少し違うタイプが、④-1.の写真は日本でしか繁殖しないヤイロチョウです。ヤイロチョウは「八色鳥」と漢字表記します。八色は八つの色ではなく、多くの色を持つという意味です。その多くの色中で青白く発光しているのが構造色です。また、真っ黒だと思っています④-2.の写真はハシボソガラスです。女性の黒髪を烏の濡羽色と評しますが、そのカラスの濡羽は、光の当たり具合により、紫黒に輝く綺麗な構造色の黒でした。カラスは黒いだけでない。

⑤-1.https://www.nature-engineer.com/entry/2018/12/07/132056より引用のオスのマガモ(体長約59㌢)の碧の頭の構造色

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⑤-2.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/カワラバトより引用のドバト(体長約33㌢)の緑の構造色のクビ

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   構造色の鳥の中には、ヤイロチョウのように部分的に発光する青系の構造色もあれば、冬鳥として、全国の池や湖畔に現れて、比較的に見つけやすい⑤-1.のマガモの頭部のように、光り輝く綺麗な緑系の構造色もあります。また、もっと身近にご覧になられるなら、皆さんもご承知の、ふだんから公園や駅のロータリー、プラットホームなどに群れています⑤-2.のドバトがいます。クビを前後に振りながら歩いています。 そのクビ元をご覧いただければ、緑系に光る構造色があります。

⑤-3.https://www.birdfan.net/2012/02/10/17808/より引用の貴婦人の碧い構造色のタゲリ(体長約32㌢) 

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⑤-4.https://www.nature-engineer.com/entry/2019/03/12/080000より引用の深緑の構造色のオスのキジ(体長約80㌢)

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   緑系の部分的構造色の野鳥より、もっと広く綺麗な野鳥をご覧になるなら、美しい田んぼの貴婦人という異名があります⑤-3.のタゲリは、それこそ高級絨毯のような複雑な輝きを持つ緑系の羽が、構造色です。北海道、東北地方では旅鳥、それ以外は冬鳥です。次は割と身近な、それでいて、昔話の桃太郎や国鳥でもある⑤-4.の写真のキジです。つがいを獲得するために、母衣打ちで相手を牽制し、その時に前に張り出す胸が緑に輝く構造色です。国鳥に選ばれただけの事はあります。




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