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第1683回 『山海経』の鳥たち ⑴

①http://only-juku.com/blog/shanhaijing/より引用の山海経のイラスト

   『山海経(せんがいきょう)』は、中国の地理書。中国古代の戦国時代から秦朝・漢代(前4世紀〜3世紀頃)にかけ、徐々に付加執筆されて成立したものと考えられています。最古の地理書(地誌)とされます。『山海経』は今日的な地理書ではなく、古代中国人の伝説的地理認識を示すものであり、「奇書」扱いされています。内容の殆どは各地の動物、植物、鉱物などの産物を記し、その中には空想的な物や妖怪、神々の記述も多く含み、そこに古い時代の中国各地の神話が伝えられています。

②https://ja.m.wikipedia.org/wiki/鴆より引用の毒鳥鴆(ちん)

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   中国では紀元前から、その一つに羽毛に猛毒のある鳥が用いられていました。 名前を鴆(チン)鳥といい、かつて揚子江以南に生息していたたいです。しかし唐代になると政府も存在を認めず、六五九年の『新修本草』からは有名無用になり、それが伝説化され『山海経』の珍奇な動物同様、空想上の毒鳥とも考えられていました。その昔は毒を持った野鳥がいるなんて、誰もが知らない事実でしたが、最近、ニューギニアでピトフーイという六種の毒鳥が発見され、鴆も現実化しました。

③『山海経』卷一 南山經(山海經第一)に登場する怪鳥

⑴https://www.google.co.jp/amp/s/myth.maji.asia/amp/sakuin_he.htmlより引用の怪鳥へつふ

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   基山(きざん)という場所に棲んでいて、全体として鶏のようだが頭が三つ、足が六本、翼が三つあるといいへつふを食べると眠らなくてもよいとされます。

⑵https://myth.maji.asia/amp/item_kankan.htmlより引用の怪鳥灌灌(かんかん)

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   青丘山(しょうきゅうざん)に棲んでいる鳥で、鳩のような姿で、人間が呼び交わすような声で鳴く鳥だといいます。この鳥を身に帯びると惑いがなくなるとされます。

⑶https://prometheusblog.net/2017/12/02/post-6403/より引用の怪鳥鴸(しゅ)

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   柜山(くさん)という山に棲んでいる鳶のような姿の鳥で、人の手のような足を持ちます。「鴸(しゅ)」と名前を鳴きます。この鳥が現われると追放される人が増えるといいます。鴸は人面で描かれ、これは今でいうフクロウの一種だったと思われます。

⑷https://myth.maji.asia/amp/item_kotyou.htmlより引用の怪鳥蠱雕(こちょう)

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   鹿呉山(ろくごさん)という山に棲む鳥で、雕(わし=鷲)のような鳥で、角が生えており、赤ん坊のような声で鳴くといいます。人を喰らうとされる怖い鳥です。

⑸https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Imperial_Encyclopaedia_-_Animal_Kingdom_-_pic098_-_瞿如圖.pngより引用の怪鳥瞿如(くじょ)

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   祷過山(とうかざん)に棲む鵁(鷺の一種なのに鴨の仲間)のような姿の鳥で、白く人間のような頭と三つの足を持つといいます。自分の名の「瞿如(くじょ)」と鳴きます。(鵁→こう)

https://amenofuchikoma.net/2020/04/17/幻獣図鑑%E3%80%80鳳凰/より引用の怪鳥鳳皇

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   丹穴之山(たんけつのやま?)に生息し、鶏のような姿の鳥で、五彩(青黄赤白黒)の体色で頭に「徳」、翼に「義」、背中に「礼」、胸に「仁」、腹に「信」の模様があって、これが現われると天下は太平になります。

⑺https://ja.m.wikipedia.org/wiki/顒より引用の怪鳥顒(ぎょう)

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   凶兆とされる怪鳥。あちこちに炎が噴き出していて草木も生えていない殺風景な活火山「令丘」の山に棲んでいる。梟(フクロウ)に似た鳥の姿をしていますが顔は人面で四つの目が縦に二個ずつ並んでおり、顔の両側には人間の耳があり、自分の名でつまり「顒(ぎょう)」と鳴くといいます。この鳥が出現すると天下は大旱魃(だいひでり)になるとされています。

④番外

※http://www.cc.rim.or.jp/~toshino/Sengai/nanzan/senki.htmより引用の鳥の頭に身体は亀の旋亀(せんき)

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   杻陽之山(ちょうようのやま)に生息し、憲翼(けんよく)の水に住む黒い亀で鳥のような頭、蝮(マムシ)のような尾を持ちます。木を裂くような声で鳴き、身に帯びれば聾唖(ろうあ)にならず、また手足のタコを直す薬になるといいます。


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