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第815回 国産みの鶺鴒(セキレイ)

①https://www.istockphoto.com/jp/イラスト/セキレイ?sort=best&mediatype=illustration&phrase=セキレイより引用の「セキレイ」

   「セキレイ」というのは「カラス」や「ハト」というのと同じで、ハクセキレイセグロセキレイキセキレイの三種のことを言います。「セキレイ」の漢字表記は「鶺鴒」「鶺䴇」で、別名をイシクナギ、イモセドリ、ニワクナギ、ニワクナブリ、ツツ、マナバシラ、イシタタキ、ニワタタキ、イワタタキ、イシクナギ、カワラスズメ、オシエドリ、コイオシエドリ、トツギオシエドリ、ツツナワセドリ(雁を意味することもある)など多くの異名を持ちます。こんなに名前があります。

②https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn%3AANd9GcTBsc_jMFFOgJObShBnTCmysBfKT-uG689um42Qw928T3fLDE9gより引用の『日本書紀』のイザナギ、イザナミの国生み

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   そんなに沢山の名前を頂いている「セキレイ」はこの②の日本書紀の画の日本創設の神様とされるイザナギ、イザナミの両神方に子供の作り方を教えて、その教えに両神が従われ、今日の日本があると言われています。そんな昔話しがあると頭に置いて「セキレイ」を見ましょう。「セキレイ」という名は、中国での呼び名「鶺鴒」を音読みしたもので「背筋を伸ばした美しい姿勢の鳥」という意味なのです。確かにその歩いている姿は背筋がピンと伸びて背筋は綺麗だと思います。

キセキレイ(体長約20㌢)

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   日本各地には「セキレイ」にまつわる伝承があり、日本列島の中で最初に生まれたとされる淡路島には「セキレイ」が指導してみせたという「鶺鴒石」が祀られています。今でも結婚式で古式ゆかしくされる式の会場には「鶺鴒台」なるものが飾られるのです。比較的に見ましたらまだ身近に感じるのは③のキセキレイに、④のハクセキレイ、⑤のセグロセキレイの三種ですが、まだ日本には、ツメナガセキレイキガシラセキレイイワミセキレイの三種が加わり、六種となります。

ハクセキレイ(体長約21㌢)

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   キセキレイハクセキレイセグロセキレイの共通する三種の動作はイザナギ、イザナミの両神が従われたその動作は、歩く際に尾羽をぴこぴこ上下に振ることです。これをどのように観察して性交を理解されたのかはわかりませんが、その「セキレイ」が日常に行っている行動が、この「セキレイ」を有名にしたのです。また①の「セキレイ」がシルエットになっているのは、文献には「セキレイ」しか表示されていないのは、この三種のうちのどの「セキレイ」なのかです。

セグロセキレイ(体長約21㌢)

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   国産みの場所が今の淡路島だったので、三種いる「セキレイ」のうちで、キセキレイは水辺は水辺でも上流の清流を好みますから外れます。また最近では、街中に進出してきているハクセキレイも、その頃には東北地方の北部にしか生息していないから外れます。神話が語られた時代、日本列島の西部に暮らしていた人々にとって最も身近にいた「セキレイ」は、セグロセキレイだったことから、神話の「セキレイ」はセグロセキレイだったのではないかと推察されています。

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