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第2041回 カラカラの仲間は?

①-1.https://ameblo.jp/kakegawakachoen/entry-11268092021.htmlより引用のカンムリカラカラ(体長約49〜59㌢)

①-2.http://interesting.world.coocan.jp/hphp/b/kbpc/i/i-0700.htmより引用の枝に止まったカンムリカラカラ

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   赤道以南の南米に分布しているという①-1.の写真の猛禽類のカンムリカラカラの仲間にはキノドカラカラアカノドカラカラキバラカラカラシロハラカラカラなど、10種のカラカラの仲間がいます。①-2.の写真では猛禽類らしく木の枝に止まって、地上の獲物を見渡します。南米の草原や農地など開けた環境に生息し、小型哺乳類や鳥類、昆虫類、爬虫類、カエルなどを捕食する事もありますが、生きた獲物を捕らえるのはそれ程得意ではなく、動物の死骸を食するスカベンジャーでもあり、他の猛禽類の餌を横取りする事もあるそうです。カラカラに似た猛禽類は何でしょう。 

②-1.https://torinozukan.net/sp/hebikuiwashi.phpより引用のヘビクイワシ(オスは体長約100〜150㌢、メス体長約120〜132㌢)

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②-2.https://ameblo.jp/wolflover/entry-12326564234.htmlより引用のヘビクイワシの顔のアップ

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   ②-1.の写真の脚が長くて、後頭部に長い飾り羽をなびかせて、すらりとした体型で、颯爽と歩くこの鳥の②-2.のような顔のアップ写真を拝見しますと、人間ではなく鳥なのに、カールされたまつ毛が長い美人のモデルさんを思い浮かべてしまいます。この鳥の名前はその容姿とは裏腹なヘビクイワシといいます。この鳥はサハラ砂漠以南のアフリカ大陸に生息しています猛禽類です。猛禽類の殆どはメスのほうが身体つきが大きいのに対して、この鳥はオスのほうが大きいです。普段はつがいで行動し、家族の集団で行動し、主食は文字通りのヘビや昆虫、クモ、小さな哺乳類を捕食します。カラカラと同じく地上採餌の猛禽類です。

③-1.https://www.birdfan.net/2019/06/28/71776/より引用のトビ(体長約59〜69㌢)

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③-2.https://www.birdfan.net/2016/09/16/46132/より引用のオオグンカンドリ(体長約100㌢)

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   カラカラの仲間は日本にはいませんが、猛禽類の括りという点では、ヘビクイワシ同様に日本には③-1.のタカの仲間としては大型のトビがいます。カラカラは地上採餌ということですが、猛禽類ですが、他の猛禽類に比べて狩があまり上手くないといいます。屍肉を食べることが多いなら、トビがその典型的な食生活ですし、またほかの鳥の捕獲した獲物を横取りするというなら、トビと同様に海鳥ながら泳いたり、海中に潜ったり出来ない③-2.の写真のグンカンドリトウゾクカモメが当たります。猛禽類なのにほかの鳥の捕獲した餌を横取りしたり、屍肉を食べたりカラスの様です。

④-1.https://blog.goo.ne.jp/snapshot2005/e/cea511844dbdafcb6f7396bf312e873eより引用の走るキジ(写真はオス体長約80㌢)

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④-2.https://ikumen-smile.com/american_woodcock_america_yamashigi-5126より引用の飛行速度が遅すぎるアメリカヤマシギ(体長約25〜31㌢)

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   カラカラの仲間はなぜ地上採餌で、狩も地上で行うかといいますと、その理由のひとつに飛ぶのが苦手だといいます。カイツブリや④-1.写真のキジのように翼が身体の割に短いのか、キジも飛ぶのが苦手で、長距離移動は好みません。キジの仲間は地上生活の鳥が多く、その中で長距離移動できるのはウズラだといいます。見かけによらない典型的な例だと思います。しかしキジは写真のように時速約30㌔で走ることができます。また④-2.の写真は飛行速度が世界一遅いアメリカヤマシギです。ぽっちゃり体型の鳥で、求愛や誇示行動の際の飛行速度は時速8㌔です。 大人の早足が時速6㌔度なので、その程度の速さで墜落せずに飛ぶのは、ある意味凄いです。それに対してカラカラは翼が短いということでもないし、また飛行速度もそんなに遅くない、走る速度もそんなに早くないのに猛禽類で地上採餌し、屍肉を食べるのです。

⑤-1.https://mag.anicom-sompo.co.jp/5174より引用のセキセイインコ(体長約18㌢)

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⑤-2.https://www.birdfan.net/2011/04/28/14416/より引用の空中で獲物を捕獲したハヤブサ(体長約42〜49㌢)

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   いきなり⑤-1.の写真のようにセキセイインコが表れましたら、なぜと思われる方も多いと思います。実は2013年3月に日本鳥学会は、外見などからタカの仲間の猛禽類の⑤-2.の写真のハヤブサを「インコ、スズメの仲間」と変更致しました。DNA鑑定によるものです。鳥類のDNA分析はこの20年ほどで進みました。基本的にDNAが近ければ外見や生態も似るが、環境に応じてハヤブサのように大型化したり、大きなのど袋を持つペリカンのように独特の変化を遂げたりするものもあります。カラカラの近縁と言われるのがハヤブサなのです。カラカラからセキセイインコだなんて。

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