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第2088回 渡鳥のバトンタッチ

①https://imagenavi.jp/search/detail.asp?id=70349893より引用の鳥のバトンリレー 

   皆さんは春先にはツバメが生まれ故郷の日本にやってきて、まだ開けやらぬ夜明け前には、イソヒヨドリのオスが大きな透き通った鳴き声でさえずり、日本の三鳴鳥のひとつのウグイスが「ホーホケキョ」とさえずれば、春の訪れだということになります。この時期はカレンダーで申しますと、三月半ば頃となるわけです。この時期のことを、「七十二候」で見ますと、イソヒヨドリがさえずりを本格化させた頃は、二十四節気「啓蟄 (けいちつ)」 3/5~3/19頃をいいます。ここから春のスタートとなります。イソヒヨドリとか、ウグイスメジロとかやはり春を告げる鳥はいますが、この三種は留鳥です。ツバメは夏鳥と言う渡鳥です。

②-1.https://www.birdfan.net/2017/04/14/51856/より引用のつがいで飛び去るマガモ(上がオス、下がメス共に体長約59㌢) 

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②-2.https://digibirds.hatenablog.com/entry/20160114/1452697896より引用の飛び去るツグミ(体長約24㌢)

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   私たちに身近なスズメと同じように、最近では住宅地や公園に年中いるシジュウカラや、山から春の街中の梅に甘い蜜を吸いにやってくるメジロやそのメジロと勘違いされる「ホーホケキョ」のウグイスも渡りをしない留鳥ですが、南の国から繁殖のために帰ってきて、有名なききなしの「虫食って、土食って、渋い」のツバメは、第十三候「玄鳥至 (つばめきたる)」 4/4~4/8頃にら当たるわけです。春の終わりのゴールデンウィークの最中にやってきます「東京特許許可局」のききなしと托卵で有名なホトトギスも「ホーホー、ホーホー」のアオバズクも夏鳥としてやってきます。

③-1.https://www.google.co.jp/amp/s/tenki.jp/amp/suppl/usagida/2016/03/13/10751.htmlより引用のツバメ(雌雄共に体長約17㌢)の営巣

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③-2.https://www.google.co.jp/amp/s/weathernews.jp/s/topics/201805/100115/amp.htmlより引用のホトトギスに托卵されたメスのウグイス(体長約14㌢)はそのヒナに給餌

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   春も真っ只中になりますと、色んな鳥たちが繁殖のために、色んな繁殖行動を行います。身近なスズメやカラスたちもさえずりとはいきませんが、鳴き声に活発さを感じさせます。また比較的に身近になってきましたコゲラはドラミング、コサギアオサギは「ギャー」とは鳴きますが、相手を惹きつけようと、飾り羽をたなびかせたり、クラッタリングを行います。もう春先に帰って来ましたツバメはつがい相手もみつかり、③-1.の写真のように子育てを開始しています。またこの頃のゴールデンウィーク中にやってきた夏鳥のホトトギスは、オスのウグイスが縄張り宣言と言うパトロールを掻い潜り、③-2.の写真のように托卵です。

④-1.https://www.birdfan.net/2021/01/15/80854/より引用の飛翔するマガン(体長約72㌢)

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④-2.http://y-arisa.sakura.ne.jp/photo-diary/Pr2-031.htmlより引用の雌雄のジョウビタキ(両脇がメス、中央がオス共に体長約14㌢)

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   春半ばには七十二候でも第十四候「鴻雁北 (こうがんかえる)」 4/9~4/13頃とあり、昔から冬鳥の代表的な雁の仲間たちが、北の国に帰って行く時期がこの春突入の頃だとしています。春になればこの回のタイトルのようにやって来るべき夏鳥とバトンタッチする時期なのです。春から秋にかけては、鳥たちの大きな鳴き声や、さえずり、繁殖行動による留鳥や夏鳥たちの子育てで、色んな鳥がいる場所が賑やかになるのに対して、冬鳥は越冬のためにやって来ますので、当然非繁殖期ですので、さえずりませんし、繁殖行動も行いません。また、冬鳥の多くは④-1.のような水辺の鳥のカモやハクチョウ、写真は雁の仲間のマガンです。水辺の鳥でなくても冬鳥は④-2.の写真のジョウビタキルリビタキなど山中に潜んで生息する鳥が多いです。街中が寂しくなる訳と思います。

⑤-1.https://blog.goo.ne.jp/tulipculb1945/e/7c1dcc1b2668ef92ce8457aeff27f15cより引用の夏鳥のクロツグミ(雌雄共に体長22㌢)

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⑤-3.https://www.birdfan.net/2020/06/12/78982/より引用の怖い顔のシメ(体長の19㌢)

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⑤-3.https://www.birdfan.net/2018/10/19/65628/より引用の一部で漂鳥のヒヨドリ(体長約27㌢)

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   冬だからさえずりをしなく、口をつむぐとされました冬鳥のツグミは春も半ばなり、バトンタッチするはずの⑤-1.の写真の夏鳥のクロツグミがやってきても、残っていることがあります。そんな渡り直前の時には、クロツグミのさえずりに引きつられるようにして「キュッキュッー、キュイキュイ」と二声で美しくさえずります。この渡って来るもの、又は去りゆくものの交差点の間には、⑤-2.の写真の怖い顔で有名なシメは、その冬場に一緒に地上に残っている木の実などを採餌していた留鳥のやはり怖い顔のカワラヒワに別れを告げて南の国に去って行きます。そして冬場に、いつも騒がしい⑤-3.の写真のヒヨドリが、何故かより一層「ヒーヨ、ヒーヨ」とうるさく鳴き叫んでいることをご存知の方も多いと思います。そして初夏が訪れた時、鳴き声も落ち着いたような。これは大概の分布域のヒヨドリは留鳥なのですが、寒冷地に生息するヒヨドリは漂鳥で、私たちのヒヨドリの地にやって来ているからです。色んな地域で、夏冬の渡り鳥のバトンタッチは行われます。

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