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第821回 サンコウチョウ(2回目)の不思議

①https://www.photo-ac.com/main/search?q=サンコウチョウ&srt=dlrankより引用の飛行するオスのサンコウチョウ(体長約45㌢)

   この①〜⑤の写真のサンコウチョウには私はまだ会ったことがありません。是非とも見てみたい野鳥のひとつです。いくつかのサンコウチョウの写真を初めて見た時は本当にびっくりしました。他にもまだ見ていない野鳥にミコアイサとか、ヤツガシラヤイロチョウと観てみたい野鳥は余りあるほどいますが、このサンコウチョウだけは隣町で観察されていますので、何とか見てみたいものです。見た写真で驚いたのは何よりもオスの尾羽とあのブルーのアイリングが印象的でした。

②尾羽の長い紫色のオスのサンコウチョウ

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    その姿を見た時の感想は地球外生物と思わず思ってしまいました。②の写真を見て頂いても分かると思いますが、オスが体長45㌢のうちの果たしてこれだけの長すぎる尾羽がいるのだろうか。尾羽が長い野鳥としては「セキレイ」やエナガオナガキジのオスとかまだまだいると思います。しかし45㌢の体長の胴体と尾羽の比率は1:3くらいはあるのではと思うくらい長いです。ちなみにサンコウチョウのメスの体長は約15㌢です。メスにしても他の野鳥よりかは尾羽は長いです。

③背中が茶色いオスのサンコウチョウ

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   しかし、頭や背中、翼の色が濃い紫でお腹の色は白くて、眼のアイリングがブルーというサンコウチョウのオスのイメージは決してこのタイプばかりだとは限りません。この③の顔の色は②の写真のサンコウチョウのオスと同じ色ですが、この写真の個体は背中や翼の色が茶色っぽい色をしています。春には短尾でまるでメスのような茶色の体色なのに、クチバシもアイリングも立派な個体がいて迷うことがありますが、そんな茶色のメスに擬態化して、天敵から身を守っているのです。

④尾羽の短いオスのサンコウチョウ

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   また反対に身体の色は普通のサンコウチョウのオスの黒っぽい紫色の背中と翼の色なのですが、④の写真をご覧になって、おわかり頂けると思いますが、何と尾羽がメスのような長さなのです。サンコウチョウは繁殖期になると、ほかの野鳥と同じように縄張り争いをして、自分の縄張りにメスを受け入れる時に、この尾羽がどれほど長いかで、メスからの受け入れがあるかどうかで、自分の子孫を残せるかどうかになります。短い尾羽のオスはこの闘いには不利な状況と言えます。

⑤https://blog.goo.ne.jp/pin-boke-jiiji/e/7260a2d77ae451236270e4943b2b7d39より引用のサンコウチョウのメス(体長約18㌢)

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   ⑤の写真はサンコウチョウのメスですが、夏の渡鳥なので、まず最初にオスが渡ってきて、メスを迎え入れる用意の縄張りを確保します。そして後からやってくるメスに長い尾羽をふりかざして「ツキヒーホシ、ホイホイホイ」月・日・星、と聞えることから「三光鳥」と呼ばれるだけのさえずりでお嫁さん候補に訴えかけます。①や②の長い尾羽で、黒っぽい紫の身体の個体が繁殖力が強いです。また秋で渡りの季節になると渡りには邪魔な長い尾羽をオス自らが抜いておさらばです。

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