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第938回 レンジャクの仲間

①-1.https://www.istockphoto.com/jp/イラスト/レンジャク科?mediatype=illustration&phrase=レンジャク科&sort=bestより引用のレンジャクの仲間のイラスト

①-2.https://thunderparty.jp/contents/107687より引用の歌舞伎の連獅子

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   レンジャクとくれば、思い浮ぶのが歌舞伎の連獅子姿の役者の衣装です。歌舞伎の顔の化粧の印象はホオジロが似合っていますが、衣装までとなるとレンジャクが歌舞伎のか持ち分を遺憾無く発揮していると思います。レンジャクの漢字表記は「連雀」で、スズメのように連れだって現れるので、このように呼ばれています。日本には②の写真のキレンジャクは北日本に多く、③の写真のヒレンジャクは西日本に多いですが、キレンジャクの群れにヒレンジャクが混じることもあります。

キレンジャク(体長約19㌢)

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   まずはレンジャクの仲間の紹介からですが、キレンジャク(黄連雀)、ヒレンジャク(緋連雀)、④の写真のヒメレンジャク(姫連雀)の三種で、よく間違われるのが、⑤の写真のレンジャクノジコ(連雀野路子)です。キレンジャクは赤みのある灰褐色で、頭部には冠羽があり、次列風切羽の先端部に、赤い蝋状の突起物があるのが特徴です。ヒレンジャクにはありませんが、キレンジャクのほかヒメレンジャクにも見られ、この蝋状の物質がレンジャク科の英名「ワックスウィング」の元となります。

ヒレンジャク(体長約17㌢)

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   北日本のキレンジャクに対して、西日本に多いヒレンジャクヒレンジャクは赤紫がかった淡褐色であるが、頭や羽などに特徴的な部位が多く、顔はやや赤褐色みを帯び、尖った冠羽、冠羽の縁まで至る黒い過眼線、黒いのど(メスは、黒斑の下端の境界が曖昧)などです。腹は黄色みを帯びて、キレンジャクとは異なり、腰から上尾筒は灰色、下尾筒は赤ですが。キレンジャクは橙褐色。尾羽は灰黒色で先端が赤色です。尾羽の枚数は十二枚で、漢名「十二紅」の由来となっています。

④https://blog.goo.ne.jp/khp-owlets/e/136c739caaa9e629f1046fd690b7af90より引用のヒメレンジャク(体長約17㌢)

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   三種目のヒメレンジャクは尾羽先の黄色さから判りますように、キレンジャクと近種です。北アメリカに生息している海外での歌舞伎役者です。全体的に赤紫がかった淡褐色であり、頭や羽などに特徴的な部位が多いです。顔はやや赤褐色みを帯び、尖った冠羽、冠羽の縁まで至る黒い過眼線、黒いのどで、メスは黒斑の下端の境界が曖昧であります。初列風切は黒褐色で、外弁は灰色、オスは白斑があり、メスは外弁にのみ白斑があります。次列風切に灰色で先の方は黒色、先は赤い。

⑤https://www.pinterest.jp/pin/349380883593275555/より引用のレンジャクノジコ(体長約17㌢)

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   レンジャクノジコホオジロの仲間になる野鳥です。似ていると言っても、冠羽くらいのものです。パキスタン、インド北部から、ネパール、チベット南東部、中国西南部からタイ北部、ベトナム北部に生息する留鳥ですが、なぜか日本では迷鳥として、1987年に西表島で一羽の観察記録があります。雌雄共にある冠羽がある外見がキレンジャク等のレンジャク類と似ていることが和名の由来で、雄の方が冠羽は長いです。やはりレンジャクの仲間のヒやキしか歌舞伎姿は似合いません。

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