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第1460回 長距離ランナー

①https://jp.123rf.com/photo_4595262_マラソン-ランナー-シルエットについて黒と白のイラスト%E3%80%82異なる年齢の人々-は長距離実行遅い%E3%80%82.htmlより引用のイラスト

   世間が寒くなってくると、今や日本各地では何処もかしこも、マラソンブームに乗っかって、名だたる有名なマラソン大会はテレビやラジオなどマスコミの中継や取材で賑わいます。その距離は男女問わずして、42.195km。それを制覇するランナーはって感じです。しかし、もっと過酷なマラソンのトライアスロン競技はスイム3.8km、バイク180kmを終えた後は、まるまるフルマラソンの距離である42.195kmを走り抜けます。しかしそのトライアスロンは注目されることは余りないです。

②-1.https://www.birdfan.net/2019/05/17/70722/より引用のツバメ(体長約17㌢)

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②-2.https://www.birdfan.net/2010/08/06/5732/より引用のキョクアジサシ(体長約35㌢)

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   マラソンの42.195kmよりも遥かな距離を走り抜く、まさにアイアンマンの名に相応しい競技ですが、なぜかマニアックなファン層にしか支持されていません。このマラソンを鳥類の世界で例えるならば、ツバメイワツバメの仲間が花形選手で、毎回その動向(何月何日に上陸したかや、昨年の渡数の対比)が注目されます。フィリピンやベトナム、マレーシア、インドネシアから日本に里帰りし、距離にしておよそ2,000~5,000kmの長距離になり、離陸時は同じ距離を駆け抜けます。

③https://ikimono-matome.com/arctic-tern/より引用のキョクアジサシの渡りの飛行距離の図解

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   鳥類のマラソンが、ツバメだとしたら、私は鳥類のアイアンマンは、②-2.の写真のキョクアジサシだと思います。漢字表記は難しく「極鯵刺」で、カモメの仲間です。キョクアジサシは北極と南極を移動する渡り鳥です。アジサシに似ていますが、クチバシと足が短く見えます。更に、夏羽では写真のように、クチバシと足が赤いので区別できます。ツバメとよく似た身体の特徴は、両種ともに飛行することが一日のうちの長時間をしめ、そのせいか、脚の長さは身体の割には短いです。

④https://blog.goo.ne.jp/at-strike-jewel/e/fdbe0115a635e75b24a8abe8b9d037adより引用のキョクアジサシの飛行

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④-2.https://www.birdfan.net/2015/07/24/36516/より引用のハシボソミズナギドリ(体長約42㌢)

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   ハシボソミズナギドリと共に、最も長距離の渡りをする鳥の一つとして知られるキョクアジサシは一年のうちに地球の北極圏と南極圏の間を往き来します(③の図解参照)。夏の北極圏で繁殖し、太平洋東部と大西洋東部に分かれて南半球へ渡ります。 非繁殖期は夏の南極周辺海域で過ごし、繁殖期には再び北極圏へ戻っています。 言うなれば「白夜を求めて旅をする」鳥で、渡りの距離は往復32,000kmにも及びます。日本には時折り、渡りのルートより外れ、迷鳥として現れています。

⑤https://jp.123rf.com/photo_55063439_キョクアジサシ-ニュース-paradissea-の巣の中の小さなふわふわのひよこ%E3%80%82北極砂漠.htmlより引用のキョクアジサシの営巣 

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   キョクアジサシの生涯の飛行距離は、寿命が30年を超えることを考慮すると、一生の間に移動する距離はおよそ240万kmに達します。これは地球と月の間を三往復する距離に相当します。南極大陸周辺を一ヶ月ほど、繰り返し移動しています。
この辺りは餌となる魚や甲殻類が豊富な海域で、
春先の大移動に向けて、体力を蓄えていると考えられています。キョクアジサシは北極圏に留まる6月~8月が繁殖期です。その幼鳥は孵化後一ヶ月で南極までの旅に出て、家族で餌にありつきます。



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