見出し画像

第1755回 鳥の言葉遊び

①https://www.ac-illust.com/main/search_result.php?word=野鳥より引用の色んな鳥のイラスト

   今回のタイトル画には比較的に身近な野鳥を集めてみましたが、この野鳥を含めた家禽も一緒の言葉遊びです。よく小学校の頃に先生が授業の合間に教えてくださった早口言葉で一番印象に残っているのは、今でこそききなしと言う、その鳥の鳴き声を的確に覚えるための聴き方の伝授でした。それはいまでは基本中の基本のホトトギスの「特許許可局」で、小学校低学年の私にはその内容の意味なんて知るよしもなしにその早口言葉をどうこなすかで、言葉の遊びを学んでいきました。

②https://qpon.at.webry.info/201601/article_18.html?pc=onより引用の夕方の鈴なりのスズメ(体長約15㌢)

画像1

   ⑴   早口言葉
1.  家鴨(アヒル)→ある日昼、ニヒルな家鴨、蛭に怯んだ
2.  鴨→親鴨子鴨子孫鴨
3.  雀→ 鈴懸に 雀鈴なりで 夕涼み
4.  鶏→二羽の鶏 庭の取りっこ 睨めっこ
5.  禿鷹→禿鷹 いつ禿げたか 下駄履けたか
6.  梟→梟 黒い覆面して 服泥棒
7.  ホシガラス→ホシガラス 欲しがらず

③https://www.pinterest.jp/pin/855754366670786760/より引用の笑われているワライカワセミ
(体長約41〜47㌢)

画像2

   8.  ワライカワセミ→笑われて 笑えぬ ワライカワセミ
9.  ホトトギス(聞きなし)→特許許可局
10.  bird→
Barbara heard her bird’s word.
バーバラは彼女の鳥の言葉を聞いた。
11.  bluebird→
The blue bluebird blinks.
青いルリツグミが、目をパチパチさせる。
12.  crow→
The crow flew over the river
with a lump of raw liver.
そのカラスは皮の上を飛んだ。
一塊の生のレバーをくわえて。
13.  hen→
The hen’s fence fended off Fred’s hands.
雌鶏のフェンスはフレッドの手を寄せ付けなかった。
14.  lark→
The larks lurk by the large lagoon.
ヒバリが広いラグーンの辺りに潜んでいる。
15.  swan→
The lovely swan silently glided on the silvery lake.
美しい白鳥が静かに銀色の湖に着水した。

③https://gifmagazine.net/post_images/556712より引用の幸せそうなシロフクロウ(体長約63〜73㌢)

画像3

   ⑵  アナグラム(並び替え)
16.  田舎の鳩(いなかのはと)
⇄都会の花(とかいのはな)
17.  梟は幸せ(ふくろうはしあわせ)
⇄苦労は不幸せ(くろうはふしあわせ)
18.  すねるアヒルの子
⇄昼寝するあの子(ひるねするあのこ)
 ⑶  つけたし言葉
18.  聞きに北野のほととぎす
「聞きに来た」
「はるばると 聞きに北野の時鳥 ただ一声を 国のみやげに (和泉式部)」

④-1.https://www.google.co.jp/amp/s/plaza.rakuten.co.jp/shibutyanndesu/diary/202105230000-amp/より引用のシャクヤクとシジュウカラ(体長約14㌢)

画像4

④-2.https://fukage.blog.fc2.com/blog-entry-940.htmlより引用のセグロセキレイ(体長約21㌢)の歩いた後はきれい

画像5

   ⑷  ※倒語の謎
19.  鵜で獲る→羅生門綱は鮎をば追まはし
 謡曲「羅生門」は鬼の腕を切り落とす
20.  カササギ→垣の内の笹=鵲
 カキの内側にササ
21.  カラス→中華でも変わらぬものや梅の味
 「中華」は「唐」「梅の味」は「ス(酢)」っぱい
22.  シジュウカラ
→しやくやくに和名はなしと思ひけり
「シャクヤクに」を四八九八九二とし、合計四十
「和名はなし」で「唐(から)」
23.  シトド→年立ち返る年のはじめ=しとど
 トシが返ればシト トシの初めはト  セウ(オオタカ雄)  風終成雨声(風の終り雨の声と成る)
「かぜ」の終りは「せ」 「雨」の「声=音」は「う」
24.  鶺鴒→後ろに垢もなし
「後ろ」は「せ」、「垢」がないので「きれい」
25.  トキ→きと打ち返す賽の目九つ=ときぐし(解き櫛)  キトを返せばトキ 賽の目九つは54(グシ)
26.  鳳→山を払う嵐に虫は去って鳥来る
27.  酒→水辺の鳥  鳥を酉に                                       ※  当事者の間でだけ通ずるように約束し、音の配置を逆にしたり(例、種を「ねた」と言う)、内容の逆を言ったりする表現のこと

⑤-1.https://www.birdfan.net/2020/03/13/77930/より引用のカワウ(体長約81㌢)

画像6

⑤-2.https://www.birdfan.net/2015/06/19/35843/より引用の小首を傾げるコサギ(体長約61㌢)

画像7

   ⑸  雑俳
28.  ツミ→蔵に俵を積み重ね置く     斎藤徳元
29.  ツグミ→代官を受け継ぐ身こそ目出たけれ
斎藤徳元
30.  鵜、雁、木莵、鴨→
うかりけり 壁に耳つく 浮世かも                      海士(あま)をぶね
31.  雁=鷹-鳥
→かりがねとはなせばなるや鷹の鳥
32.  雲雀
→星食ひに 揚るきほひの 夕雲雀   紅葉                 33.  鵜 鶴 鸞 鴇 鶸 鴛 鳶 鴫 雁              移るらん 時日は惜しと 鹿尾草(ひじき)刈り
菊峯

 ⑹  犬筑波集
34.  ふくろは二つ空にふらふら
大黒と布袋は鳶につかまれて                                   35.  尊くもあり尊くもなし
飛ぶ鳥を祈り落して食はれけり                               36.  行者は弓を持ちいでけり
飛ぶ鳥の祈れど落ちぬ夢を見て

   ⑺   都々逸
37.  白鷺
→白鷺が 小首傾げて二の足踏んで やつれ姿の水鏡     都々逸坊扇歌
38.  雁
→雁の文字さへ乱るるばかりとんで行くとのかへし書     若松屋歌鶴

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?