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第604回 冠を被った野鳥

①https://heppoko.tuna.be/15362507.htmlより引用のイラスト

ヤツガシラ(体長約26㌢)

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   ①のように本当に冠を被った野鳥なんているわけがないのですが、実際の冠を被ったような姿をしている野鳥にはふたつの形態学あります。まずこの②のヤツガシラは以前にも語りましたが、昭和天皇の時代に東京千代田の皇居のお庭に現れ、さぞかし天皇を喜ばしました。このヤツガシラは漢字表記すると「八頭」で、その冠羽が八つの頭に見え、普段はその頭の部分は工事道具のツルハシのような形をしていますが、頭には広げると扇状になる冠羽があり橙黄褐色で先は黒いです。

③https://www.google.co.jp/amp/s/jeepgrace.exblog.jp/amp/17302900/よりキクイタダキ(体長約10㌢)の冠羽が開いた

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   以前から何回か語らしめていますキクイタダキです。③の写真のようにキクイタダキが冠羽を広げている時はそんなにありませんので、当然写真も少ないです。キクイタダキがよく登場するのは、日本で一番最小な野鳥として、エナガミソサザイの三種と比べられます。ヨーロッパでも有名でコマドリと野鳥の王様の地位を争います。また、キクイタダキの漢字表記は「菊戴」で表記にも菊を戴くとあります。その通り、キクイタダキは奥ゆかしく、冠を滅多に見せないのです。

④ヒガラ(体長約11㌢)

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   ④のヒガラはカラ類のシジュウカラと同じ仲間です。シジュウカラとはネクタイ模様の黒い帯はなく、コガラと比べててみたら冠羽があるかないかくらいの違いです。カラ類でこのコガラより小さな体長約11㌢で木の枝の間をちょこまかちょこまかと動き回ります。このヒガラの漢字表記は「日雀」とその身体に付いている冠羽との関係はこの名前からはわかりません。頭頂は黒い羽毛で被われ、羽毛が伸長する短い冠羽が特徴です。

カンムリカイツブリ(体長約56㌢)

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   鳰の湖でお馴染みのあのカイツブリの仲間である⑤のカンムリカイツブリ。その名の通りの漢字表記は「冠鳰」でなんの語りも要らないくらいの表記です。カンムリカイツブリの特徴は頸部が非常に長くて、上面は黒褐色、下面は白く、頭頂には黒い羽毛が伸長した冠羽があります。今まで登場した②〜④の野鳥は普段は冠をしまっていましたが、このカンムリカイツブリだけはロイヤルクイーンだと言わんばかりに自慢の長い首に載冠して、水の中を悠々自適に潜って狩をします。

ミヤマホオジロ(体長約16㌢)

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   このミヤマホオジロは冬鳥で越冬のためにこの日本に飛来します。漢字表記は「深山頬白」なのですが、和名のミヤマは山奥の「深山」ではなく「遠隔地」を指しています。雌雄ともに頭頂の羽毛が伸長し冠羽を見ることが出来ます。仲間のホオジロはその名の通り、頰が白いことが目立つのに対して、このミヤマホオジロは鮮やかな首の黄色さが目立ちます。冬季には小規模な群れを形成し生活し、他の同属の種であるカシラダカホオジロなどと混群する場合があります。

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