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第2116回 やっぱりカワセミ

①http://iam-publicidad.org/article/青い鳥カワセミの高画質な画像まとめより引用のカワセミのつがい(体長約21㌢、左がメス、右がオス)

   ①のタイトル写真は青い構造色の綺麗なつがいのカワセミが写っています。カワセミは「清流の宝石」と呼ばれて、対する同じく青い構造色の綺麗なブッポウソウの「山の宝石」と対峙致します。構造色を身近な例で申しますと、シャボン玉やCDの表面の虹色に輝く部分をいいます。またカワセミを語ります時に不可欠なのは、漢字表記の「翡翠」です。カワセミは写真をご覧の様に雌雄同色の綺麗な鳥ですが、この二文字の漢字には雌雄のカワセミを表しているのです。「翡」一字でオスのカワセミを表し「翠」はメスのカワセミです。

②-1.https://ameblo.jp/toyo0513/entry-12720273249.htmlより引用のメスのカワセミのクチバシ

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②-2.https://karapaia.com/archives/52309375.htmlより引用のぐるりと回るカワセミのクビ

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②-3.https://kawasemiojisan2020.exblog.jp/31525216/より引用のカワセミの趾(あしゆび)

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   カワセミは雌雄同色なのに、揃って綺麗な鳥というのも珍しいです。しかし、その体型は決してすらっとはしてはいませんが、むしろずんぐりむっくりした身体です。その身体のひとつひとつの部位を辿ってみましたら、なるほどと思えることがいっぱいあります。②-1.の写真で、まずはその身体にして、その割合よりすらりと長いクチバシはホバリングや木の枝からの水中の標的を的確に捕獲するためにはこの形が一番だと言えます。そのクチバシの下顎部分が写真のように赤いのがメスで、上下が黒いのがオスと私たち人間からしましたら区別がはっきりとわかります。またこのクビが短い体型ながら、②-2.のGIFのようにクビを320°回すことが出来ます。三つ目は②-3.の写真のように、短い脚ながら、横穴式の巣穴を作ります時に穴を掘りやすいように、 趾は三本で、その内の二本が癒着し全体として二本しか機能していませんが、そのショベル状になった趾で掘ります。

③-1.https://39598513.at.webry.info/201404/article_2.htmlより引用のカワセミの横穴式の巣穴

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③-2.http://mishimasatoyama.web.fc2.com/page031.htmlより引用のカワセミの巣穴の構造

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   カワセミはこんなに青くて綺麗な鳥ですが、食性は小魚やエビなどの魚介類しか食べない肉食の鳥です。その肉食の鳥の営巣は③-1.の赤土や黄土の土手に横穴式の巣穴をつがいで作ります。まずは巣穴の候補場所をオスが見つけ出し、メスがその場所を気に入れば突貫工事の開始です。その名の通りに、クチバシから突っ込んで、最初の穴をあけてから、ショベル状の趾を持って、土中を掘削して穴を開けます。具体的な場所は川辺に有る赤土の露出した所で、③-2.の図解イラストのように
垂直またはオーバーハングで、入り口の直径は6~9㌢、奥行き0.5~1㍍くらいで、奥に行くほど登り勾配の傾斜は10~20°と言いますのは産室内に糞が流れ込むのを防ぐため、産室は一番奥で、産室が完成するまでは尻から出てきますが、産室が完成すると方向転換ができるので、頭から出てくるようになります。ペリットを吐き出し、産座にします。抱卵中や雛が小さい内は、産室で向きを変えます。ヒナが大きくなるとバックして出てきます。巣穴は、毎年同じくらいの高さに作ります。
これは一番上の表土は固いが、その下は軟らかく、さらに下には粘土があり、その理由としては
① 土が軟らかく、巣穴を掘る労力と時間が節約できる
② 上に締まった土があるため、雨水が染み込みにくい
③ 毛細管引力が弱いので、地下水が上昇しない
④ 多孔質なので、温度変化が少なく、卵やヒナを保護する
⑤ ヒナが出す液状の糞が吸収されやすい

④-1.https://s.kakaku.com/bbs/K0000843469/SortID=21480312/より引用のカワセミのダイブ

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④-2.http://netgeek.biz/archives/55491より引用のカワセミのダイブ 

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④-3.https://kawasemi2018.exblog.jp/28802522/より引用のカワセミのダイブ

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④-4.http://www.forest-akita.jp/data/bird/03-kawasemi/kawasemi.htmlより引用のカワセミのダイブ

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   カワセミと言えば、上記④の写真のダイブがあります。夏の代名詞と言ってもいいくらいです。私たちは夏に拝見致しますので、涼しそうに見えますが、当のカワセミは極寒の冬の時期でも、水中ダイブを行わないと、生きてはいけないのです。そんなこの鳥にとっては大事な行動は④-1.〜4.の写真の色んな角度の写真で見て、判断するしかないのです。又オリンピックでのアーティスティックスイミングや飛び込みもダイブする時に大きな飛沫をあげるか、そうでないかに寄って、大変なさが生じます。飛沫を上げれば、魚が気づいて逃げていくからです。獲物を確保出来るか出来ないかで、カワセミのの生き方が変わっていきます。

⑤-1.http://yamasemiweb.blogspot.com/2014/01/i-met-pair-of-crested-kingfisher-at.html?m=1より引用のつがいのヤマセミ(左がメス、右がオス共に体長約38㌢)

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⑤-2.http://sakaguchi.cocolog-nifty.com/birdiemossei/2013/06/post-cbf2.htmlより引用のアカショウビン(体長約27㌢、左がメス、右がオス) 

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    そんな日本のカワセミの仲間には、⑤-1.の写真のヤマセミと、⑤-2.の写真のアカショウビンの三種がそうなります。その証拠に、それぞれの漢字表記は山翡翠(ヤマセミ)、赤翡翠(アカショウビン)と山の「翡翠」か、紅い「翡翠」ですべてに「翡翠」が付くことで同じ仲間であると言うことになります。「翡翠」の漢字自体も『翡』の『羽』は当用漢字でないので旧字のままを使い、『翠』の『羽』は当用漢字なので新字の『羽』が使われています。また『翡』は赤い羽のオス『翠』は緑の羽のメスを表しているようです。カワセミの漢字は中国語で「翡翠」が日本に伝わりました。その後、赤と緑二色の宝石のヒスイを翡翠玉と呼びました。時代と共にいつしかヒスイ全てを「翡翠」と呼ぶようになりました。決してカワセミの漢字は宝石の「翡翠」からもらったのではありません。旧仮名遣いの『かはせみ』は、『はと』の『は』は頭にあるので『はと』と発音致しますが
『かはせみ』の『は』は二文字目以降なので『かわせみ』と発音します。カワセミのことを英語でハルシオンバードといいます。ハルシオンはよく効く鎮痛薬の効果をもつ睡眠薬です。カワセミは冬至の頃、海上に浮く巣でヒナをかえし、魔力で波を鎮めると信じられていた事からの名前です。

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