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第660回 野鳥の性の考え方

①https://www.google.co.jp/amp/s/plaza.rakuten.co.jp/chocoratsuzumusi/diary/200709200000-amp/より引用のイラスト

   人もにも色んな国の法律や規則にもよりますが基本的には「一夫一妻」が基本です。日本においてはひとりの男が二人以上の配偶者は持てないことになっています。でも世の中には何人も愛人がいたりして…何人もの隠し子が色んな所にいるといった有名人の話をよく聞きます。野鳥の世界でも人間社会と同じことが言えます。でも人間社会と同じく繁殖相手は一夫一妻です。その割合は、もしかしたら人間社会をうわまっているかもさされません。その率は93%にも登ります。

②https://ysmanarasi.at.webry.info/upload/detail/012/542/48/N000/000/008/133829128417213119037_IMG_2588cx01.jpg.htmlより引用のカンムリカイツブリの求愛行動

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   ②の写真のカンムリカイツブリは「一夫一妻」の代表的な野鳥で、雌雄同色で、繁殖期には縄張りを形成します。雌雄が「カッカッ」と鳴き頭部をもたげながら接近し、向かい合って左右に頸部を振ります。その後に羽づくろいをしたり、互いに巣材を回収するという複雑な求愛行動を行ないます。つがいになった折の新居となる浮巣を営巣するための契りの行為だと思われます。非繁殖期には単独か数羽で生活します。ヒナの頃はシマウマのような模様があります。家庭安全型です。

③https://zukan.com/jbirds/leaf107956より引用のイワヒバリのつがい

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   ②のカンムリカイツブリに対して、この③の写真のイワヒバリの習性はまったく反対のような気がします。高山の野鳥としてはカヤクグリと並んで有名な野鳥です。カヤクグリと違うのはイワヒバリは人馴れします。またこの二種の共通な行為は「乱婚」です。「一夫多妻」ところかオスも複数のメスと交尾し、またメスも複数のオスと交尾します。何家族あるのか身内は何羽かわかりません。これには理由があり、餌が有り余る時は「一夫多妻」餌が足りない時は「一妻多夫」です。

④鳥類では最小の生殖器を持つとされるウソのオス

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   「一夫一妻」であろうがなかろうが、人間もそうですが、野鳥にも繁殖期にこれは鳥類における『社会的一夫一婦制』と『性的一夫一婦制』の違いを区別することに、研究者は繁殖期の生殖器に注目しました。難しい話ですが、相対的に大きな生殖器を持つ動物は、雌の乱婚制を示す確かな証拠だとしています。野鳥で生殖器が身体の割に大きいのはヨーロッパウズラで、確かに乱婚です。またイワヒバリカヤクグリもそうです。反対に最小の生殖器は日本でもお馴染みのウソです。

⑤http://shumishan.blog.fc2.com/blog-entry-399.htmlより引用のアカハシウシハタオリのオス

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   この④の写真のウソは生殖器が非常に小さいことが判明したと言うことは、人間で言えば厳格な夫ということになります。そのウソに対して、日本では男の甲斐性だと大昔の言葉みたいに、セッカのオスが11羽のオスとつがいを観察されています。もっと多いとされるのが、三鳴鳥のひとつのウグイスです。セッカのような観察記録はないようですが、世界においては⑤の写真のアカハシウシハタオリで、一羽のオスが12羽とつがい関係に…また最長交尾時間の三十分を記録します。

⑥https://tokyo.birdlife.org/archives/world/14654より引用の一羽のメスに群がるマガモのオスたち

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   では色んな環境のもとでは「一夫一妻」が93%を占めているのだからこそ一番適しているのかというと、またそれはそれで問題があります。カモ類はつがい期間が非常に短く、一期間限りです。交尾して、卵を産んでメスが抱卵し始めたら、オスはメスから離れます、そこでつがいは解消です。たったの四カ月ぐらいです。その相手を巡って⑥の写真のようになります。早く自分の繁殖相手を探して交尾しないと、次の繁殖期間を待たなければならないからです。自然は厳しいです。

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