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第1891回 禿げた野鳥なんて

①https://jp.123rf.com/photo_15004952_グリフォンのハゲタカ-ベンガルハゲワシ-fulvus-の古いイラスト%E3%80%82merveilles-デ-ラ自然、bailliere-上で公開・-クレッチマーによって作成された-et-fils、パ.htmlより引用のハゲタカのイメージのイラスト

   ①のタイトル画のような「ハゲタカ」というような野鳥はこの世の中には生息してはいません。ネットで「ハゲタカ」と検索致しますと「企業買収を仕掛ける際に、対象企業の株式や社債などが安くなっているタイミングを狙って買収し、その企業の経営に深く関与して企業価値を高めた後に売却することで、高い利回りを獲得することを目的としたファンドのことを皮肉るときに使う俗語」(コトバンク)。「ハゲタカ(禿鷹)- 鳥類のハゲワシ類またはコンドル類の俗称。生物学上ハゲタカという鳥は存在しないため実在の鳥に対し使うのは誤りである」(Wikipedia)と解説するくらいです。

②-1.https://www.google.co.jp/amp/s/ing54328.exblog.jp/amp/26829532/より引用のクロハゲワシ(体長約100〜115㌢)

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②-2.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%8F%E3%82%B2%E3%83%AF%E3%82%B7より引用のクロハゲワシの頭頂部

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   野鳥の世界には「ハゲタカ」はいませんが、総称でいうところの「ハゲワシ」は腐肉を主なエサとする一群の総称です。②-1.の写真は呼称のクロハゲワシです。ヨーロッパ南部から中央アジア、パキスタン、インドにかけて繁殖し、一部の個体は冬季、アフリカ北部、インド、中国、東南アジアに渡り越冬します。その頭頂部のアップした写真が、②-2.ですが、羽毛がなく灰色の皮膚が露出しています。なぜ禿げているかのかは、死んだ動物の体内に頭を突っ込んで肉を食べるので、首から先が血まみれになります。頭部に羽が生えていたら、血液がこびり付いて固まるだけでなく不衛生になるので、進化として頭頂部は禿げています。

③http://www.higashiyama.city.nagoya.jp/news/2021/12/post-675.htmlより引用のトキイロコンドル(体長約80㌢)

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   「ハゲワシ」のほか、屍肉を食べる禿げ頭の猛禽類に「コンドル」がいます。③の写真はトキイロコンドルで、②-1.のクロハゲワシと違い、一目瞭然で、人の禿げ頭のような頭頂部が見渡せます。「ハゲワシ」の仲間は、クロハゲワシをはじめ、ヤシハゲワシヒゲハゲワシエジプトハゲワシズキンハゲワシコシジロハゲワシベンガルハゲワシインドハゲワシハシボソハゲワシマダラハゲワシヒマラヤハゲワシシロエリハゲワシケープシロエリハゲワシミミハゲワシカオジロハゲワシミミヒダハゲワシの16種。「コンドル」はコンドルをはじめ、ヒメコンドルキガシラコンドルオオキガシラコンドルクロコンドルトキイロコンドルカリフォルニアコンドルの7種で、いわゆる死骸の掃除人と言われる『ハゲワシ』は23種いる事になります。

④-1.https://www.google.co.jp/amp/s/yukihyou.exblog.jp/amp/28159649/より引用のアフリカハゲコウ(体長約120〜130㌢)

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④-2.http://miniflag.sblo.jp/s/article/64137482.htmlより引用の求愛行動は喉袋を膨らませクラッタリングするアフリカハゲコウ

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   禿げ頭の鳥は何も猛禽類の『ハゲワシ』だけではありません。④-1.の写真は「コウノトリ」の仲間のアフリカハゲコウです。ダチョウエミューと同じく大型渉禽類の一種のようです。サハラ砂漠以南のアフリカ全域に生息し、水辺でも内陸でも活動し、人間の居住地域近辺のとくにゴミ置き場でもふつうに見られるようです。ハシブトガラスみたいな存在です。禿げ上がった頭と頸、黒い背中に白い腹部という異様な格好です。地上生活なので寝る時は樹上。求愛行動はコウノトリの仲間らしく喉袋を膨らませ、クラッタリングします。

⑤-1.https://ar.pinterest.com/pin/798051996444940193/より引用のハゲチメドリ(体長約33〜38㌢)

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⑤-2.https://www.hlasek.com/francolinus_leucoscepus1jp.htmlより引用のハゲノドシャコ(体長約25〜38㌢)

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   大きな鳥の『ハゲワシ』やアフリカハゲコウが禿げているわけではありません。前回にお伝えしました「絶滅危惧種」の⑤-1.の写真のハゲチメドリは、日本にも外来種として、生息していますソウシチョウガビチョウとはまったく姿形も違います。余り飛ばない、土でツバメのような巣作り。別名か英名で「ハゲガラス」。しかし「チメドリ」の名に恥じないのは、声高らかに鳴くことでしょう。最後に登場の⑤の写真のハゲノドシャコは「キジ」の仲間で、アフリカのサバンナに生息し、頭が禿げているのではなく、喉元が禿げていて、夜明けと夕暮れ時に最も活動的です。ハゲチメドリと違うのは環境の変化への適応性が高く、人間の農業活動で地域の自然環境が変化しても同じ場所で生息し続けるという素晴らしさです。

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