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第1814回 うぐひすからのウグイス

①https://aucfree.com/m/items/n411139341より引用のうぐひすの日本画

   日本一有名な野鳥はいいますと「ホーホケキョ」の鳴き声と、漢字で「鶯」と書いても、難しく漢字なのにウグイスと答えが戻ってきます。いまはウグイスと表記しますけど、昔はうぐひすでした。その別名は歌詠鳥(ウタヨミドリ)、黄粉鳥(キナコドリ)、経読鳥(キョウヨミドリ)、金衣公子(キンイコウシ)、黄鳥(コウチョウ)、倉庚=鶬鶊(ソウコウ)、禁鳥(トドメドリ)、匂鳥(ニオイドリ)、初音(ハツネ)、花見鳥(ハナミドリ)、春告鳥(ハルツゲドリ)、春鳥(ハルドリ)、人来鳥(ヒトクドリ)、報春鳥(ホウシュンドリ)、百千鳥(モモチドリ)…

②https://www.shikibunosato.com/f/hakubyo23より引用のうぐひすの初音を詠む紫式部

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   うぐひすがその年初めて鳴く声をいいます。
❶「うぐひすのはつねほのかにあしひきのやまべとびいづる声きこゆなり」     忠見集                       ❷ 「うぐひすの身を逆(さかさま)にうぐひすかな     其角                                                                        ❸ 「年月(としつき)を まつにひかれて 経(ふ)る人にけふうぐひすの 初音きかせよ     紫式部           ❹  「今日(けふ) 鶯(うぐひす)のはつね聞かせよ」 源氏物語                                                                   ❺  「松の上に鳴く  鶯の声をこそ  初ねの日とは言ふべかりけれ」    拾遺集             

③https://illustimage.com/?id=1186より引用のウグイスのイラスト 

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   ③のイラストは現在のウグイスです。昔も今もやっぱり、昔同様に「ホーホケキョ」と春先になれば、今まで潜んでいました藪中から陽気に伴われ、外に飛び出して、複数のつがいにするメスに対してアピールします。ウグイスは日本では、オオルリコマドリと並んで三鳴鳥と言われる野鳥で有名です。前述致しましたように、普段からあまり目立つような処ではさえずらず、藪中から大きな通る鳴き声で鼓舞するのですから、マスコミに登場しない、歌が上手い覆面歌手みたいです。

④https://www.kakejikudo.com/item/HG-3164-N/?mode=pcより引用の梅に鶯の掛け軸

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   ③のイラストはネットで「ウグイス」と検索した結果に表れたものです。どうやら梅の花が咲く木の枝に留まっています。またこの項の④の日本画は「うぐひす」と検索して表れたものです。やはり梅の花が咲く木の枝に留まっています。今も昔も梅の木にウグイスが留まっている印象が世の中に根強いのでしょう。「鶯に鶯」とネットで検索すると『日本の詩歌や絵画における伝統的な「絵になる良い取り合わせ」又は「仲のよい間柄」の例え。古代中国の漢詩に由来』と表れます。

⑤http://www.hokusetsu-ikimono.com/iki-h/inagawa-tori/mejiro/mejiro-ume/index.htmより引用の梅の木になメジロ

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   「梅に鶯」は初めに紹介致しました「発音」が全国寒暖の差はあれども、だいたい梅の花が咲く頃とされていました。また、この⑤の写真のようにその頃にはメジロが梅の花の蜜を吸いに街中にも現れます。丁度その頃に、辺りを警戒しながら大きく綺麗に通る鳴き声でさえずるウグイス。ちょっと見が同じような緑色系の配色なので、頻繁に現れるメジロと鳴き声はすれど姿が見えないウグイスがこの「梅に鶯」を文化的な物にしました。ウグイスは花の蜜より虫が好物な鳥なのです。

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