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第1801回 日本固有種の鳥 ⑶ カイツブリ、ハト、クイナ

①http://photozou.jp/photo/show/145672/140379832より引用のダイトウカイツブリ(体長約26㌢) 

   どこでも見ることができるカイツブリは日本では、本州中部以南では留鳥として周年生息しますが、北部や山地のものは冬に移動しますので、北海道や本州北部では夏季に飛来する夏鳥です。この本家カイツブリは、アフリカ大陸、ユーラシア大陸の中緯度以南、イギリス、インドネシア、ソロモン諸島、日本、パプアニューギニア、フィリピン、マダガスカルに生息します。日本固有種とされます①の写真のダイトウカイツブリは南大東島に生息しています。日本の二種のカイツブリ

②https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/naturepark/kids/titijima.htmlより引用のアカガシラカラスバト(体長約40㌢) 

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   日本のハトと言えば、街中の駅のロータリーや公園、寺社仏閣など、とにかく人の集まる場所に必ずいるドバト、また以前には人の集まるところが苦手で、ドバトのように集団行動をするのが苦手であったヤマバトと別名があったキジバト。この二種は決して美しく綺麗なハトとは言えませんでした。キジバト以上に山にいて、夏場になりますと、ミネラル補給の為に集団で岩礁に海水を命がけで飲みに行く、オリーブ色の美しいこのハトもヤマバトと呼ばれたアオバトの三種が有名です。

③http://ada-kitakyu.com/bird/karasubato.htmlより引用のヨナクニカラスバト(体長約40㌢)

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   三種のハトの中で、外来種はドバトです。ヨーロッパで飼鳥として、カワラバトの名前がありました。時代の流れとともに野に放たれ、現在に至ります。日本固有種のキジの名前を拝借致しましたキジバトは日本では国内で繁殖する留鳥ですが、実はユーラシア大陸東にも生息します。ハトの中で綺麗なアオバトは日本では本州、四国、九州で繁殖する留鳥ですが、中国、台湾、日本と三国に渡って生息しているアジアの鳥だったのです。私館にとても身近な三種は日本固有種でなかった。

④http://bird-muromi.sakura.ne.jp/zukan/hato/kinbato/kinbato.htmlより引用のキンバト(体長約25㌢)

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   日本に三種のハトの他に生息しているのはカラスバトキンバトベニバトシラコバトの四種です。この中のカラスバト自体は中国、韓国、日本に生息していますが、②のアカガシラカラスバトは日本の小笠原諸島、火山列島しか生息しない固有亜種です。全体で数十羽程度しかいません。同じく③のヨナクニカラスバトは日本は先島諸島の固有亜種です。この種も絶滅の恐れがあります。④のキンバトは亜種です。日本の八重山列島にしか生息しない固有亜種。全て生息数は少ない。

⑤https://www.birdfan.net/2021/07/09/82709/より引用のつがいのオオクイナ(手前がメス、奥がオス、共に体長約21〜26㌢)

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   クイナという鳥の仲間は、体型が似ていると言えば似ていますが、漢字表記で「水鶏」で水辺の鶏と書きます。クイナの仲間自体は、鳥類の中でも飛翔力を失いやすいことで知られ、飛ばない種が出現しやすいです。特に島の生息地におき、絶滅した種が多く、分布はアフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、ユーラシア大陸、インドネシア、オーストラリア、ソロモン諸島、日本、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィリピン、マダガスカルと幅広く分布しています。

⑥https://www.birdfan.net/2012/04/20/18473/より引用の飛べない鳥のヤンバルクイナ(体長約30㌢)

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   日本のクイナの仲間には、漢字表記が「水鶏」「秧鶏」「水雉」と日本の古典文学にたびたび登場する「くひな」は、身体が緋色のヒクイナのことが多いです。クイナは朝鮮半島、日本の本州中部以北やシベリア東部などで繁殖し、冬季になるとインド東部、中国南東部、日本の本州中部以南などへ南下し越冬する冬鳥もしくは漂鳥です。またオオバンも仲間ですが、日本では夏季に北海道では夏鳥、本州、九州で繁殖し、冬季になると本州以南で越冬する冬鳥もしくは留鳥となります。

⑦http://limiranger.com/chapter-tag/リュウキュウヒクイナより引用のリュウキュウヒクイナ(体長約23㌢)

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   バンオオバンの小さな身体と思われがちですが、他のクイナ同様泳ぎは下手です。クイナの仲間でオオバンは弁足で、どのクイナの仲間より泳ぎは上手いです。そんなクイナの中で日本固有種は沖縄県沖縄本島、八重山諸島、宮古島に生息する⑤の夜行性の亜種オオクイナ。そして沖縄県北部のやんばる山原地域だけに生息している飛べない鳥で有名な⑥のヤンバルクイナ。琉球諸島全域に生息する琉球諸島の亜種リュウキュウヒクイナの三種が日本の固有種で、飛ぶのが苦手です。



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