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第1350回 水鳥だけのためでないワンダーネット

①https://www.m-skin.com/archives/3125/より引用のコウテイペンギン一家

   ①の写真はコウテイペンギンの家族です。私はどんなペンギンにしろ、氷上に佇んでいる姿や冷たい海中に潜っている時など、寒がりの私にとってペンギンのこととはいえ、寒って思ってしまいます。ペンギンは特殊ゆえに、飛ぶことを捨て、海の中を飛ぶように泳いで餌を獲ります。しかしなぜゆえに、極寒でしかも冷たい南極に棲まうのでしょう。水中では極力体温をあげられる構造になっているし、ペンギンの特殊な羽毛が守りますが、氷上でも素足のペンギンは平気で立ちます。

②https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/sansen5641x/entry-12482681523.htmlより引用の氷張る池を泳ぐバン

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   ②の写真は冬の寒い氷が張った湖畔を水鳥のバンが泳いでいます。ペンギンの棲まう南極ほど、過酷な気象状況ではないにしろ、寒いことには変わりはないのです。ペンギンもそうでしたが、大きな水鳥になると体に約10万枚もの羽毛を持っています。 どんなに寒くても、羽根に含んだ空気の層が体温の放出を防いでくれます。それに鳥類の体温は人間では高熱とされる約40度前後あります。ただでさえ気温の低い空を飛ぶのですから、しかしペンギンの趾同様、素足で水を掻いています。

③体温が42度もあるカッコウ

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   ③の写真は鳩時計や托卵「カッコウ」の鳴き声でお馴染みのカッコウです。何回かご紹介させて頂いたように、カッコウホトトギスは、自分が産んだ卵を抱卵せずに、他の野鳥に託すので托卵鳥と呼ばれています。自分の子孫を残す為に他の野鳥の巣にいる卵やヒナを自らが蹴落としたりして托卵するのです。托卵する側の托卵鳥にもそれなりの理由がありやることです。カッコウの体温は鳥の中で一番高い42度らしいです。托卵鳥は体温変動が大きい傾向があるため、抱卵できません。

④https://biome.co.jp/biome_blog_055/より引用のワンダーネットの解説図

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   それほど、鳥の体温調整は大切なものなのです。それでは本来のなぜペンギンや水鳥は氷上や冷水でも素足で平気なのか。それは④の図解にあるような構造になっているからです。水鳥は恒温動物ですが、血液循環はどうなっているのでしょう。水鳥は、胴から足先に向かう血液を運ぶ動脈に、足先から胴に向かう血液を運ぶ静脈が絡んだ構造になり、この部分に足先から胴へいく血液は、暖められ、胴から足先へ向かう血液は、冷やされ、この構造で、外気に奪われる熱量を減らせます。

⑤https://www.jhf.or.jp/publish/bunko/54.htmlより引用の色んな生き物の血圧

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   この仕組みは水鳥だけでなく、⑤の図解イラストのように首が異常に長くて、超がつくほど高血圧なキリンにとっては、キリンの脳底部にある、ワンダーネットと呼ばれる網目状に走った毛細血管の塊は、急に頭を下げたときに、急流を流れ下る状態になっている血流を一旦せき止めプールし、脳内に一定の血圧で流れるよう調整しています。また足の小動脈の血管壁は分厚く、そのため動脈の血圧は高いのだが、静脈のほうは血圧が下がるので、足が鬱血して浮腫むことなしに正常です。

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