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第1038回 スカベンジャーな身近な鳥

①http://www.around-the-world.jp/yometabi/africa-yometabi/4352.htmlより引用のハイエナとハゲワシ

   スカベンジャーというと、テレビの動物番組なんかでは、ライオンなど肉食動物の猛獣に捕食され、食べ残されたシマウマやインパラなどの草食動物の屍肉を①の写真のハイエナやジャッカル、リカオン、ハゲワシのいわゆるスカベンジャーと名付けられた草原のお掃除屋さんが、さも自然界で生き抜いていると思われています。また海の中にもサメやシャチに襲われ、死骸となった亡骸を処理するものもいますし、昆虫の世界でもアリがいますし、当然私たちの身近な鳥達にもいます。

②https://blog.goo.ne.jp/inpre-anac/e/c9015a394600622b92678e2bc6e1232dよりネズミの死骸を漁るハシブトガラス

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   その私たちの最も身近な野鳥の中で、スカベンジャーと呼ばれる野鳥は、やはりカラスだと思います。皆さんもなるほどって思わされる節は多々あると思います。それは私も何回もゴミステーションでゴミを漁る姿を見ています。②のハシブトガラスのごついクチバシで、ゴミ袋を簡単に引き裂いて、中から脂肪分の多いものから食します。特にマヨネーズのチューブなんかを必死になって、中のマヨを食べ尽くします。因みににゴミの中に石鹸や蝋燭があってもそれはカラスの好物です。

③https://www.nature-engineer.com/entry/2019/01/14/080000#ゴミや動物の死骸を漁るスカベンジャーより引用の魚の死骸を食べるトビ

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   街中のスカベンジャーのハシブトガラスに対して、山沿いの河川敷にはこの③の写真のトビがいます。トビは皆さんもご存知の方も多いと思いますが、天気の良い日に山の麓の空高く「ピーヒョロロ」と輪を描くように旋回飛行しているのがこの野鳥です。姿形を見れば誰もがこの鳥を猛禽類だと知っています。しかし、小さなトカゲやカエルをとる以外は屍肉に頼っています。死んだ生き物を食べるスカベンジャーです。京都の鴨川では、トビが見物客の弁当を狙いもしています。

④https://zukan.com/jbirds/question/2675より引用のスカベンジャー同士のカラスとトビの喧嘩

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   ④の写真はトビとカラスの喧嘩です。縄張りで言うと、街中ではハシブトガラスの独り勝ちですが、河川敷ではトビの独り勝ちとはいきません。周りの住居で私の住んでいる場所ではハシブトガラス、もっと上流を登るとハシボソガラスか生息しています。特にハシボソガラスは非常に縄張り意識が強く、わずか体長約50㌢の一羽のハシボソガラスでも体長約59〜69㌢のトビに、モビングを仕掛けて、時には数羽でトビを知能作戦で縄張り内から追い出し、スカベンジャーを通します。

⑤Twitterより引用のスズメも小さなスカベンジャー

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   皆さんは街中にいるスカベンジャーはハシブトガラスだけだと思っていると思います。私も以前にはそう思っていました。しかし、よくよく私たちの周りの身近な野鳥を見回してみると、いるではありませんか。どんなスカベンジャーかと言うと、一番身近なスズメがそうです。スズメは夏場には稲に付く害虫をたべ、秋には稲穂になる米を食べる雑食性の強い鳥です。今でもハシブトガラスが食べ残した小さな米粒やパン屑、スナック菓子など、小さなスカベンジャーを発揮します。

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