第1135回 バレンタインデーと鳥の関係

   ※ この記事は以前の「第524回 バレンタインと野鳥」に加筆し、本日ギリギリ急遽投稿します。

 ①https://ja.pngtree.com/freepng/valentines-day-illustration-with-cute-bird_5866535.htmlより引用のバレンタインデーと鳥のイラスト

   毎年の2月14日の日は何曜日であろうとも、バレンタインデーです。バレンタインデーの他の呼び方は聖バレンタインデーとか、セイントバレンタインデーで、日本ではバレンタインデーが一般的な呼び方です。これはキリスト教圏のお祝いで主に欧米で、カップルが愛を祝う日とされています。元々269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した「聖ウァレンティヌス（テルニのバレンタイン）に由来する記念日」だと、主に西方教会の広がる地域においてかつて伝えられていました。この日、キリスト教圏では一般に恋人や家族など大切な人に贈り物をする事が習わしとなっています。

②https://nokkun.com/season_event_007/より引用の義理チョコのイラスト

   今に始まったことではありませんが、クリスマスにしろ、バレンタインデーにしろ、キリスト教徒の「宗教行事」を我が日本国では、単なる「お祭り」にしているのです。非キリスト教圏である日本においては、伝統的に「女性が男性にチョコレートを贈る日」とされています。その贈り方も、本命であったり、②のイラストのような「義理チョコ」まで発生しています。また日本や韓国では、バレンタインデーに派生して、バレンタインデーに女性からチョコを頂いたのだから、翌月3月14日には、今度は男性が女性に対して贈り物をするホワイトデーが存在します。二月三日の恵方巻き宜しく、日本は宗教行事をお祭り化してます。

③https://www.chankome.com/entry/valentine-lupercaliaより引用のバレンタインデーの起源とされるルペルカーリア祭を表した絵画

   古代ローマでは、バレンタインデーの起源は③の絵画が示します結婚の女神ユノや豊穣の神マイアを崇拝する祭りのルペルカーリア祭ということです。2月14日はユノの祝日であり、毎年、翌2月15日から豊穣・繁栄を祈願するルペルカーリア祭が行われていました。つまり正確には2月14日はルペルカーリア祭の前日でした。当初は、キリスト教からすれば異教の神々の祭りであり、現在のバレンタインデーのようなキリスト教色は全くありませんでした。しかし西暦5世紀、性的な乱れを助長するルペルカーリア祭が若者の風紀を乱していることを憂慮した当時のローマ教皇ゲラシウス1世により、ルペルカーリア祭は廃止され、代わりにバレンタインデーが創設された。今の日本では考えられない位に、当時は真剣な行事だったのです。

④-1.https://ameblo.jp/kokoro-sinryoku/entry-12450544812.htmlより引用のつがいのツバメ(左がメス、右がオス共に体長約17㌢)

④-2.http://www.birdfan.net/2021/03/05/81684/より引用のルリビタキ(体長約14㌢)

④-3.https://sky.ap.teacup.com/toritori/img/1195807148.jpgより引用のつがいのカワセミ(左がオス、右がメス共に体長約17㌢)

   このルペルカーリア祭の前日の2月14日は、この日に鳥が愛をささやき始めるといわれています。④の写真のように、これによく似た「2月14日はツバメがつがいになる日」という民間伝承もあり、そこから「この日に最初に出会った人が将来の結婚相手なる」という俗信が生まれたようです。話はさらに発展し「2月14日に見た鳥によって、その女性の結婚運が決まる」という言い伝えがヨーロッパにはあるそうです。例えば、青い鳥を見たら幸福を与えてくれる男性と結婚するというものです。2月に見られる青い鳥といえば、日本ではルリビタキとか、カワセミということになります。

⑤-1.https://www.google.co.jp/amp/s/inko.exp.jp/2020/02/12/post-10211/amp/より引用のバレンタインデーの鳥のチョコレート

⑤-2.https://inko.exp.jp/2020/02/12/post-10211/amp/#toc_id_2_2より引用の青い鳥のチョコレート

   そんな固いことばかり言ってみても仕方がありませんので、こんなに古くからの歴史のあるバレンタインデーに野鳥が関わっていたことが分かりました。それでは、そのバレンタインデーチョコと野鳥は関わっているのかといいますと、⑤-1.のやはり鳥のセキセイインコやフクロウ、白い文鳥、
メジロを形取ったゴンチャロフ・アニマルショコラや、⑤-2.の写真の八ヶ岳高原ロッジの幸せを呼ぶ青い鳥のルリビタキのチョコレートがあります。特にこのチョコの中身を見てみると、ルリビタキがプリントされたチョコレートと青いカードが入っています。青いルリビタキのカードは、持っていると幸運が訪れるというエピソードがあり、幸せを呼ぶとして有名な一品らしいです。

   最後にこの記事を書いている最中に、noteの仲間のげんきさんより「オオタカの幼鳥が、ハートマークがいっぱい付いた羽を存分に見せてくれました」とご自身が作成されたYouTubeの動画を紹介して頂きました。宜しければご覧になってあげてください。YouTubeで「オオタカの幼鳥ハートマーク」で検索すれば現れます。おすすめです。