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第1835回 イソヒヨドリの不思議

①http://www.tabata-tumugi.co.jp/fuubutu/backno/fuu1105.htmより引用のイソヒヨドリのつがい(左がオス、右がメス、共に体長約25㌢)

   これまで何回もイソヒヨドリの記事を投稿し、もう書くことがないのではないのかと自分でも思ってはいるのですが、ある意味に於いても、スズメやハト、カラスなど身近な野鳥と同じように、イソヒヨドリも同じように思います。また地味な色合いではないオスのイソヒヨドリは青い色が凄く目立つのです。二月にもなれば、まだまだ真っ暗な夜明け前から、街中のマンションの屋上や電柱の天辺で、もう春だよ、繁殖の時期が来たとばかりに声高らかに複雑な「ヒーチュリツチーチュルリル」なのか判別できませんが非常に透き通った大きな声でさえずり、春よ来いと鳴き続けます。

②-1.https://www.birdfan.net/2015/04/10/34234/より引用の従来のイソヒヨドリの生活域

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②-2.https://www.birdfan.net/2012/04/06/18339/より引用の街中のビルに進出したイソヒヨドリ

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   十数年前まで、こんな青い鳥は街中では見ることができませんでした。わざわざ、林や渓流沿いに行かなければ、青いオオルリなどの綺麗な野鳥は見ることは出来ませんでした。それがこともあろうか街中に幸せの青い鳥がいるのです。漢字表記で「磯鵯」と『磯』が付くのですから、当然に海辺がイソヒヨドリの生息域だし、実際に海辺に行くとそこにも当然イソヒヨドリはいるのです。それがいつのまにか、このコンクリートジャングルの街中、それも私たちが住むマンションにも…

③-1.https://www.birdfan.net/pg/kind/ord17/fam1711/spe171118/より引用の高山のイソヒヨドリより引用の以前には高山に生息していたイソヒヨドリ

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③-2.https://note.com/hiho2351/n/nafea2a13dc53より引用の高山や海辺でのイソヒヨドリの営巣

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   日本には海辺で、ゴカイなどの拙速類を捕食して生息していたイソヒヨドリが、街中に現れたのですが。世界的に見てみますと、アフリカとユーラシア大陸に広く分布し、和名どおり海辺にもいますが、高山にその基礎があるようです。街中でもイソヒヨドリは電線にこそ留まりますが、木の枝に留まっているのは珍しいです。海辺や高山で繁殖する時は③-1.の写真のような岩場の穴蔵に営巣します。また街中に生息しているイソヒヨドリは民家の都袋やマンションのベランダのエアコン室外機の裏とか、立体駐車場の屋根の隙間とか、とにかく、硬い所を好み、樹上は頭にないです。

④http://icho1969.livedoor.blog/archives/cat_67272.htmlより引用のマンションで幼鳥に給餌するオスのイソヒヨドリ

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   最近では、人がある程度近づいていても、イソヒヨドリは逃げなくなりました。私の住むマンションによく来るイソヒヨドリだけかもしれませんが、雌雄揃って、郁雛して大きくなった幼鳥を④の写真のように、共同手摺りに留まり、人がいるのに給餌します。さすがに近づくと逃げますが、スズメやカラスなんかよりかは警戒心は強くないと思います。恐らくこのマンションで育った今の親がこんなコンクリートの塊を、遠い祖先の高山や海辺の岩場のように感じて、安心して子育てを行っているのだと、毎年毎日感じざる得ません。

⑤-1.https://bogi88.blog.fc2.com/blog-entry-3011.htmlより引用の右がヒヨドリ(体長約27㌢)と左がイソヒヨドリ

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⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/s/plaza.rakuten.co.jp/mae717da/diary/202011030002-amp/より引用の右のイソヒヨドリが左のハクセキレイ(体長約21㌢)を追い立てる

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   ⑤-1.の写真は珍しく、イソヒヨドリヒヨドリが一つのフレームに収まっています。イソヒヨドリは実はツグミの仲間で地上性が強く、反対にヒヨドリは樹上性が強く全く歩行している姿を私は見たことがありません。イソヒヨドリのメスとヒヨドリが似ていただけで『ヒヨドリ』の冠名を拝しました。⑤-2.の写真は私はよく目にします。同じく地上性の強いハクセキレイとは、主食が虫などと生息域が同じです。それゆえにおおきなイソヒヨドリは小さなハクセキレイを追い立てます。

⑥-1.http://www.kobe-sizennoie.com/p/detail/2ca420b2ae8379d2d069e91ffc63715a/より引用の冬のヒヨドリ

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⑥-2.https://www.kanaya440.com/bird-photo/category/シーン別/より引用の単独行動のイソヒヨドリ

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   ⑥-1.のヒヨドリは昔は朝鮮半島より冬越えのために渡って来ました渡鳥でしたが、今や留鳥となっています。しかし、今でも寒冷地に住むヒヨドリは「漂鳥」として、国内間の渡りを行うことで有名です。冬にもなると、他の野鳥たちが動き回るのをやめた頃、ヒヨドリハクセキレイが冬のは寒空を両種とも「波状飛行」で飛び回ります。あれほど、雌雄共にさえずりあい、行動していたイソヒヨドリの姿は見えません。あのウグイスですら寒冷地では漂鳥となり、渡りを行います。まさか、イソヒヨドリもと思うのは、二月半ばには暗い夜明け前からさえずり、存在を示しています。この寒空にイソヒヨドリはどこに消えたのか…

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