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第1529回 鳥の天気予報 ⑴

①https://birdstory.net/illust/8276より引用の鳥の天気予報のイラスト

   私の子供の頃は家の祖母が、朝は近所の人が飼っている、牡鶏が朝になりましたとばかりに「コケコッコー」と起こしてくれ、動物園に行った折には、正午になれば、飼育員の人がクジャクのオスをゲージから外に出してやると、大きく羽を広げて、時間を知らせてくれて、それから家から持ってきた、おにぎりのお弁当を園内を周りぺこぺこになったお腹に、家族で仲良く食べた思い出があります。しかし、そのクジャクの羽広げは、時間がきたからではなく、繁殖期のディスプレイだったようです。鶏も明るくなり、鳴くだけでした。

②-1.http://satoubin.photo-web.cc/aobato.htmlより引用のアオバトのつがい(左がオス、右がメス共に体長約33㌢)

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②-2.https://www.birdfan.net/2017/06/02/53151/より引用のアカショウビン(体長約27㌢)

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   鳥類は時刻を知らせるよりも、自分たちの生きる糧である食べ物の環境を左右する意味で、天候を事実上に私たちに知らせてくれているようです。②-1.のアオバトは中国の諺で「まお(アオバト)が鳴くと必ず天気が悪くなる」と言われます。また、②-2.の赤い大きなカワセミと言われますアカショウビンは、オスは朝夕や曇りの日に「キョロロロロ」と尻下がりの声でさえずり、その翌日が雨であることを知らせます。アカショウビンは渓流に生息している魚介類や両生類を採餌しますので、水質が濁ったり、増水は狩の妨となります。

③-1.https://mushinavi.com/navi_bird/data-tubame_iwa.htmより引用のイワツバメ(体長約15㌢)

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③-2.https://www.google.co.jp/amp/s/plaza.rakuten.co.jp/dadtwent/diary/201703100001-amp/より引用のウグイス(オス体長約17㌢、メス体長約15)

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   日本にはカラスが二種います様に、③-1.のツバメイワツバメというちょっとずんぐりした体型の種もいます。通常のツバメより早く二月の中旬頃には日本に帰ってきます。この種が渡ってくれば、もう雪は降らないと言われます。また、当たり前ですが、雨の最中に飛び出すと雨が止むと言われます。古名である春告鳥の名がある③-2.のウグイスは、そのさえずりが聴こえてきますと、季節が変わり春が来たとされます。またウグイスが早くさえずりを始める年は、里の農産物の出来が良い事が予測され、豊作の年が来ると言います。

④-1.https://www.google.co.jp/amp/s/ken2xmint.exblog.jp/amp/27152991/より引用のウソ(体長約16㌢)

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④-2.https://www.koreanculture.jp/sejong_korean_hitokoto_view.php?page=9&number=310&keyfield=&key=より引用のカササギ(体長約45㌢)の低い巣

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   今現在の世の中でも、各地の天満宮神社で、良き年になるように、嘘替神事の行われる④-1.のウソは、吉凶を占う野鳥とされ、ウソが街中に現れる年は雪の降る日が多いとか、ウソのオスは晴れを呼び、メスは雨を呼ぶとされます。④-2.のカラスの仲間のカササギは、九州を中心に生息していますが、カササギの巣が高い年は風が吹かないとか言い伝えで「カササギ巣風の起こる所を知る」は
大風の起こる年は巣を低く作ると言われていて台風のやって来る土地柄でのカササギの営巣です。

⑤-1.https://blog.goo.ne.jp/stella0706/e/7953fd6643b52edf26dc72547a10be1fより引用のカッコウ(体長約35㌢)

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⑤-2.https://kouroenhama.at.webry.info/201912/article_4.htmlより引用のマガモ(体長約59㌢)の大群

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   ⑤-1.のカッコウの天候の予報は、種蒔きの時期は「郭公が鳴くから大豆を蒔け」と、五月頃に夏鳥としてやってきて、繁殖期でさえずる時がその時期みたいです。また、カッコウが喧しく鳴く年は豊年の兆しともいって、吉凶を占います。こんな天候の予報は、⑤-2.のマガモをはじめとする鴨は「鴨集まって動ずれば雷と成る」鴨のような弱い鳥でも、群れを成して騒ぎ立てれば、雷のような大きな音を立てます。弱小のものでも数の多いときはあなどれない。これは予報ではないです。

⑥-1.https://ganref.jp/m/akutagawa/portfolios/photo_detail/2902814より引用のカモメ(体長約45㌢)の群れ

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⑥-2.https://www.nippon.com/ja/features/c03902/より引用のマガン(体長約72㌢)の群れ

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   季節の予報には、渡鳥の動向も大切な指標となります。鴨の群れの瞳孔は雷程度で済みましたが、今の天気予報の行方は、天候を気にされる方々を左右するように、この⑥-1.のカモメの高鳴きは時化(しけ)のもとで、漁を左右します。時化の具合では船は出せません。鴨と同様の鴨の仲間の⑥-2.のガンの仲間(写真はマガン)の渡りも大切な長期予報と考えます。その群れの行き先方向が、より南の地方に向かうと判断された年は、その年は必ず大寒になると言われます。ガンは予知しています。

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