見出し画像

第920回 (続)いろんな托卵の形式

①https://www.petsitter.co.jp/archives/22117/より引用の托卵のイラスト

   托卵する野鳥はどんな野鳥に対して行うのかと言うと、カッコウオオヨシキリホオジロモズ
アカモズコヨシキリアオジキセキレイオナガで、托卵をする場所の条件は、見渡しの開けたところを好み、産み落とす卵は模様や大きさがまちまちです。ホトトギスウグイスミソサザイクロツグミで、林の中などの巣を好み、種ごとにほぼ同じの卵の大きさです。ツツドリセンダイムシクイメボソムシクイモズビンズイ
メジロアオジウグイスサンコウチョウヤブサメジュウイチオオルリコルリルリビタキコマドリキビタキビンズイでやはり林の中で、種ごとにほぼ同じの卵の大きさです。

②毛虫を好む托卵仲間のカッコウ(体長約35㌢)

画像1

   托卵相手の条件としては、餌が基本的に同じことが挙げられます。昆虫食で特に毛虫を好みますが、他の鳥は毛虫を好みません。しかし毛虫でなくても昆虫などであれば育ちます。カワラヒワのように完全な種子食では無理です。ホオジロのように秋冬は種子食でも繁殖期は昆虫食の鳥がてきします。自分より体が小さい仮親を選ぶのは、仮親の卵より小さいと排除されてしまうからです。また仮親のオスが子育てを手伝わない種を選びます。それは巣が空になる時間が多いからです。

③http://www.asahi-net.or.jp/~jf2m-mrt/michiyo/dokushotakeuti.htmlより引用の仮宿の卵より早く孵るカッコウのヒナ

画像2

   産卵は主に午後で多くは夕方です。それは午後は仮親が巣を離れることが多いからです。カッコウなどは産卵の準備ができた卵を、産卵直前の状態で輸卵管に留めておくことができ、輸卵管の中ですでに発育を始めているので仮宿の玉川より早く孵化します。普通の鳥は親が抱卵しないと発育しません。仮親の卵を一つ抜き取ってから一つ産みます。産卵後に抜き取ると、間違えて自分の卵を抜く可能性があるからです。仮宿に取り付いてから産卵して離れるまでの時間は即効十秒前後。

④https://www.google.co.jp/amp/s/tenki.jp/amp/suppl/usagida/2017/04/25/22161.htmlより引用のカッコウのヒナの口中は赤い

画像3

   一繁殖期の産卵数は20個ほどと多めで、一日おきに産卵します。その際、託卵に適した巣が見つかるとは限らないからです。造巣中の巣は巣を放棄されやすく、抱卵中の巣は孵化できなかったり、巣を独占できない事が多いです。本来の託卵相手でない種の巣は適切でないと育ちません。また口内が黄色いジュウイチのヒナは、翼の内側の黄色い皮膚を見せ、ヒナが何羽もいるように見せかけ、仮親の給餌意欲を高める効果が有り、カッコウは口が赤く仮親を刺激して餌を催促します。

⑤https://note.com/hiho2351/n/ne7faec1729a5より引用のカッコウオナガが逆襲

画像4

   こんな托卵する側のやり方に対して、前回の第910回には、タイトル写真になってもいますが、真っ向からカッコウの托卵に対し、必死に追い払おうとしている姿が印象的です。この⑤の写真はオナガの営巣です。オナガカッコウなどの托卵に対して、自分の卵と見分けて、反対にカッコウの卵を排除するらしいです。それに対してカッコウはまたオナガの卵に似せてのいたちごっこが続いています。また基本的に托卵する相手が小さいので、復讐にその仮宿を破壊するといいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?