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第1555回 人懐っこいヤマガラ

※https://blog.goo.ne.jp/mushi_2010/e/17f715345171ddca95194099c6d37156より引用の人懐っこいヤマガラ

①https://www.amazon.co.jp/豪華ケージ-バードゲージ-大きいケージ-オウムケージ-ペット用品/dp/B07KG5FGDSより引用のヤマガラに適した縦長の円柱形バードケージ

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   私が小学生の頃、父親が今では飼うことができないヤマガラを飼っていました。①の写真のような縦長の円柱形の金属のバードゲージに、当たり前に止まり木やブランコ、鈴など、ヤマガラが遊べるような工夫をしたものでした。ヤマガラは止まり木から、止まり木に跳ぶのではなく、どちらかいいますと上下に動きまわり、逆さに向いたり遊ぶのが好きな鳥でした。ヤマガラは黒い頭巾に茶色いちゃんちゃんこを羽織った、田舎にいそうな童べで、ネクタイをしたシジュウカラは都会派。

②https://www.birdfan.net/2021/04/09/81961/より引用のヤマガラ(体長約14㌢)

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   カッターシャツにネクタイを締めて、街中に現れるカラ類の代表格のシジュウカラに対して、ちゃんちゃんこを着て、その名前の漢字表記も「山雀」と山にいる雀とされるヤマガラ。そんなヤマガラは一年中見られる留鳥で、地方の子供さんに多い純真無垢な性格で、他の野鳥に比べて人間をそんなに警戒はしません。生息範囲は日本、台湾、中国の一部と朝鮮半島だけの山地から平地にかけて生息しています。食性は雑食で、昆虫、クモ、果実などを食べ、主に樹上で採食します。

③https://yakimujy.blog.fc2.com/blog-category-15.htmlより引用のエゴの実を食べるヤマガラ

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   昔から「ヤマガラに会いたければ、エゴの木のある林や公園の樹林に行け」と言われるほど、③の写真のようにエゴの木の実が好きです。エゴの木の実は殻が硬くて、その実と殻の間には、石鹸の材料にもなるサポニンという成分が含まれています。サポニンはとてもえぐいのでこの名がつきました。そんな皆んなが嫌うエゴの実をヤマガラは、ドングリ同様に大好きな、虫がいない冬場の大切な食糧です。ヤマガラは趾でエゴの実を抑えて、クチバシで上手く殻とサポニンを除きます。

④http://blog.livedoor.jp/nohohoon_photo/archives/51655220.htmlより引用の左がヤマガラと右シジュウカラ(体長約14㌢)

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   ④の写真はヤマガラシジュウカラが向かい合って止まっています。さあ、これからどの方面で餌を探しみに行こうかなんてシジュウカラが、ヤマガラに問いかけているかも知れません。秋深くなる頃から、この二種を中心にカラ類やエナガコゲラメジロなど、本当の生息地が似通い小鳥たちが、種を越えてみんなで群がり餌探しをすることを混群と言います。その混群でリーダー的な存在がシジュウカラであり、ヤマガラなのです。シジュウカラヤマガラは非常に似た鳴き声です。

⑤-1.https://serai.jp/hobby/361100より引用のヤマガラの一羽ずつ違う楽器を使った合奏芸

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⑤-2.https://serai.jp/hobby/361100より引用のヤマガラの寺の鐘撞きの芸

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⑤-3. https://serai.jp/hobby/361100より引用のヤマガラの小鳥のお詣り芸

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   そんな人懐っこいヤマガラは日本では、平安時代には飼育されていた文献が遺されています。学習能力が高いため芸を仕込む事もでき、覚えさせた芸は江戸時代に盛んに披露されました。特におみくじを引かせる芸が多く1877年、大森貝塚を発見したエドワード・シルベスター・モースはヤマガラの器用に振る舞う芸(浅草の縁日で⑤-1.〜-3.などの芸)を見て芸の覚えが良く、人によく慣れる日本の固有種の一つとして、後に著作『日本その日その日』で、日本で最も感銘した鳥としました。

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