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第1339回 ゴジュウカラを知る

①遠いカラの仲間のゴジュウカラ(体長約13㌢)

   ①の写真のゴジュウカラは、寒帯と山岳地帯を除くユーラシアに広く分布しています。生息地では基本的には留鳥で、渡りは行いません。ゴジュウカラの漢字表記は「五十雀」で、名前だけ聞いていると、シジュウカラの身内のようにも思えます。シジュウカラも同じ『カラ』の仲間ですが、その下の小さな括りでは『ゴジュウカラ』の括りとなっています。シジュウカラとは体型が似ておらず、シジュウカラのような黒いネクタイもなくキツツキのように木の幹に垂直に留まります。

②https://www.google.co.jp/amp/s/kmatsu.exblog.jp/amp/7442093/より引用のシジュウカラ(左下側、体長約14㌢)とゴジュウカラ(右側)

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②-2.https://yacho-joho.com/niteiru-yacho-chigai-miwakekata/shijuukara-higara-kogara-chigai-miwakekata/より引用の左端シジュウカラと中央ヒガラ(体長約11㌢)、右側コガラ(体長約12㌢)の違い

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   同じカラの仲間のシジュウカラと体型や色合いが似ているのは、コガラヒガラです。黒くて長いネクタイをしているのがシジュウカラです。三種の共通点は黒いベレー帽を被り、喉元が多少なりとも黒いです。対するゴジュウカラは、黒いベレー帽もなく、黒い喉元もありません。あるのモズのように黒い過眼線があり、木の幹に垂直に留まれることです。昔は四十歳で初老、五十歳で老人であったのでゴジュウカラの青みがかった灰色の羽を老人に見立てたことから名付けられました。

ゴジュウカラと体型が似ているキバシリ(体長約14㌢)

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   ゴジュウカラに体型が似ている野鳥が、③の写真のキバシリです。キバシリの漢字表記は「木走」で、木の幹に垂直に留まり、登る姿からキバシリの名が付けられました。キバシリもやはりカラの仲間ですが『キバシリ』の括りで、ゴジュウカラとは似てるといい、仲間とは言えません。日本では北海道、本州、四国、九州の亜高山帯の針葉樹林に留鳥として生息します。またキバシリはキツツキと同じように尾羽を使って木の幹に垂直に留まることができ、少しずつ木をよじ登ります。

④https://ganref.jp/m/inpute/portfolios/photo_detail/4331218より引用のゴジュウカラの得意のポーズ

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   このキバシリゴジュウカラとの違いはなんでしょうか。体型的に見てみると、キバシリのクチバシは真っ直ぐに伸びず、やや下向きに反っています。ゴジュウカラは真っ直ぐに伸びたクチバシです。ゴジュウカラの尾羽が短いのに対して、キバシリの尾羽は長いです。これはキバシリがキツツキのように身体を固定して、木の幹の虫を食べるからです。またキバシリは木の幹を上向きに駆け上がりますが、ゴジュウカラは下向きににも移動します。④の写真は勝ち誇るような得意のポーズ

⑤http://maruyaneko.blog.fc2.com/blog-entry-822.html?spより引用のゴジュウカラの営巣

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   よく似たキバシリもこのゴジュウカラもキツツキのように木の幹に垂直に留まったり、走り回って、幹に潜む虫を食べますが、決してキツツキではないために、⑤の写真のゴジュウカラはキツツキの営巣を横取りしたようです。キバシリは木の裂け目や、フクロウなどが営巣していた木の祠、キツツキの古巣を利用します。ゴジュウカラはキツツキの巣を内装工事をして、自分の身体の大きさに合った入り口や内壁に、泥などを運んできて狭めます。これも自然界の知恵の使い所です。

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