第671回 野鳥のクチバシの役割(番外編)
①http://illustrationisland.art.coocan.jp/gallery/gallery_page/chara/chara_page2_4.htmlより引用のイラスト
第667〜668回の「野鳥のクチバシの役割」を語っていましたが、途中で子供の頃、よく買って食べた森永製菓のチョコボールの箱に描かれていたイラストの「キョロちゃん」を思い出しました。本当はこのキョロちゃんはキュウカンチョウであることはわかっているのですが、あまりにもそのクチバシが大きすぎるので、野鳥のことが好きになってからこんなに大きなクチバシの持ち主はオオハシの仲間に違いないと思うようになり、キョロちゃんはオニオオハシと思えました。
②https://natumalife.com/about/1801091/より引用のオニオオハシ
そして調べてみましたら、やはりこの②の写真のオニオオハシが身体の大きさの割に大きすぎるクチバシを持つ野鳥であることがわかりました。別名を「オオオオハシ」と言ったらしいですから発音の言いやすさからオニオオハシになったようです。ちなみにこの「オオハシ」の仲間はキツツキに属すらしいです。こんなに大きなクチバシで、木の幹をコツコツ突いていたのでしょうか。生息地は南米ブラジル周辺の森や川に生息しています。色鮮やかな野鳥はアマゾン特有です。
③https://www.torinozukan.net/sp/saichou.phpより引用のやはりクチバシが大きなサイチョウ
③の写真のサイチョウもご覧の通りのクチバシの大きさです。インドネシアやタイ王国南部、ブルネイ、マレーシアに生息していて、名前の由来は頭部にある角質の鶏冠がサイの角(つの)を連想させることでサイチョウです。別名も「ツノサイチョウ」です。サイチョウの大きさはオスで、体長約110〜160㌢、メスは少し小さめで約90㌢くらいです。樹上生活者であり地上には殆ど降りません。長距離を飛行時は非常に大きな羽音を立て、その鳴き声はラッパのように響きます。
④https://www.vario-media.net/interesting/20171128_31691/より引用の仲間のサンショクキムネオオハシ
アマゾンに住むオニオオハシはサイチョウよりも身体は小さく、体長約55〜65㌢くらいの大きさになんとクチバシは約20㌢もあるというから体長の約三分の一はクチバシということになります。また仲間も多く、凄く派手な出で立ちの④の写真のサンショクキムネオオハシや、⑤のクチバシに栗の皮の色をしたクリハシオオハシ、⑥の眼に青いアイシャドウと胸には緋色のヒムネオオハシ、シロムネオオハシ、アカハシシロムネオオハシなど四十種からオオハシの仲間はいます。
⑤http://wall.kabegami.com/word/クリハシオオハシ?page=1より引用のクリハシオオハシ
オニオオハシはそのカラフルで美しい体色からアマゾンの宝石とも呼ばれています。オニオオハシの特徴的なクチバシは体長に占める割合が鳥類最大であり、体内の熱を血管を通じて放熱するラジエターの役割があることが最近の研究でわかってきました。主食は果実ですが、昆虫や鳥の卵も採食するなど食性は多様に及びます。営巣は木の洞で、これにはキツツキの仲間かなと思います。自分の体重を支えきれないほどの細い枝に実った果実を、その枝に止まらずに採取できます。
⑥http://wall.kabegami.com/word/クリハシオオハシ?page=1より引用のヒムネオオハシ
オニオオハシはこんなに大きなクチバシですが、重さは拾円玉三枚分、約15gと非常に軽く、体重の約二十分の一でしかないので、飛ぶ事には全く支障がありません。クチバシが体長に占める割合が鳥類最大となっており、体熱を血管を通じて放熱するラジエターの役割があることが最近の研究で判明しました。クチバシの構造が持つ三つの特徴が、①中空だからクチバシの軽量化。②ケラチンを組み合わせてサンドイッチ構造。③クチバシの外形をハニカム構造で強度補強します。
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