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第1641回 せっかちなセッカ

①https://mobile.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/4535.html?transfer=pc_to_mobile&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jpより引用のセッカのイラスト(体長約12㌢)

   ①のイラストのセッカは、日本では沖縄諸島から東北地方にかけて分布します留鳥か、北日本に住むものは冬になると暖かい地方に移動する漂鳥です。つまり寒さにはめっきり弱い野鳥です。しかし名前の漢字表記は「雪下」や「雪加」と、雪国にでも生息しているように思えてます。チガヤ、ススキなどの生える平地から山地の草原、河原、水田に生息し昆虫やクモを食べます。ヒバリの様に飛翔しながら「ヒッヒッヒッヒッ」鳴きます。

②-1.http://ada-kitakyu.com/bird/sekka.htmlより引用の夏羽のセッカ

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②-2.http://tori3.sakura.ne.jp/birdworld_menu/sekka/sekka/sekka-adw.htmより引用の冬羽のセッカ

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   もう一つのセッカの名前の由来は、はっきりとしたことはわかっていないようですが、個性的な鳴き方をしながら高く飛んだり、低く飛んだりすることからとてもせっかちな鳥だということからセッカと呼ばれるようになったという説もあるそうです。夏羽の場合は、頭が茶色で体は茶色と黄身かかった茶色、白の斑点模様があり、尾っぽは黒っぽく先が白いです。一方、冬羽は全体的に体の色は薄くなり、黄身かかった茶色に黒っぽい茶色模様になるようです。いずれも地味な色です。

③http://www.osaka-nankou-bird-sanctuary.com/o.n.b.s_web/top_cont2/sekka_note/sekka_note.htmlより引用の繁殖期のオスのセッカ

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   セッカの特徴といいますと、雌雄同色でオスとメスの区別が難しいです。また体長わずか12㌢ほどしかなく、幼鳥は、頭の部分にはっきりした縦線があるのが特徴で、お腹の辺りは黄色身が強い白色をしています。尾っぽは成鳥にくらべると短いのも特徴です。また繁殖期になりますと③のようにオスの口内は黒くなります。人間に対して警戒心が弱く意外に近くでみることができます。セッカスズメに似ていますが、スズメのように群れたりせずに、単独で動き回ることが多いです。

④-1.https://www.birdfan.net/2019/05/17/70732/より引用のウグイス(オス体長約16㌢、メス体長約14㌢)

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④-2.https://03383786.at.webry.info/200907/article_12.htmlより引用のオオセッカ(体長約13㌢)

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   そして何と、セッカは④-1.のウグイスの仲間といいます。藪中に籠り、群れたりしないのはよく似ていますが、警戒心はウグイスは強いです。鳴き声が大きく通るのも似てます。近縁に④-2.のオオセッカがいます。『大』と付きますが個体によっては殆ど差がありません。こちらは葦原を生息地にします。食べ物はほぼ一緒の昆虫食ですが、繁殖期には口の色は変わりませんが、つがい関係はウグイスセッカと違い一夫一妻といいます。

⑤-1.http://yukemuri2.blog.fc2.com/blog-entry-370.htmlより引用のこんなわかりにくいところに営巣するオスのセッカ

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⑤-2.https://ganref.jp/m/t-handa/portfolios/photo_detail/3127143より引用の内装の材料を運ぶメスのセッカ

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   一夫多妻のつがい関係のセッカは、⑤-1.のこんなわかりにくい場所に巣作りでいう、骨組みと外装だけを作り、⑤-2.のようにつがい相手のメスが内装を施します。ウグイスと同じく子育てはせずに、ただ縄張りを守るだけ、ウグイスより身勝手かもしれないと思うところは、つがい相手が気に入らない時は、巣内のメスが作った内装をオスが外に放り出し、出て行けとばかりの剣幕です。確かにウグイスも方々に形が違った巣作りをしますが、こんなセッカみたいな某君ではありません。



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