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第1085回 鳥の子殺し

※野鳥の子殺しですからちょっとショキングな内容かも知れませんのでご注意下さい

①https://jpnculture.net/kokeshi/より引用のコケシの写真

   世間には子殺しなんて反乱していて、小学生の頃に生き物の飼育係をしていたころ、ウサギ小屋でウサギが子供を産みました。担当の先生があんまりウサギの赤ちゃんを見てやると、親ウサギが子供を取られると思って、子供を殺してしまうと聞かされ、なるべく赤ちゃんを見ないようにして、餌や水を替えていたのを思い出します。本当にそれは先生のおっしゃる通りだと思います。①の写真は「こけし」です。子供の顔を形取った木製の人形で、各地のお土産物屋さんに売ってます。

②http://yonagomizutori.blogspot.com/2015/06/blog-post_21.html?m=1より引用のカルガモの子殺し

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   こけしの由来が「子消し」「子化身」であるという説が出回ったことがあります。日本では敗戦直後の貧しかった頃、増えすぎた子供を減らすためにあえて産まず、中絶する間引き、口減らしという悲しい文化に由来するという説がありました。今では否定されていますが、自分の子供を消した親が殺してしまった我が子に報いる為に作った木彫りの人形です。地方によっては豊かでなかった生活に子作りだけが楽しみのひとつで、しかし産まれてきた赤ちゃんを育てることが出来ません。

③https://note.com/hiho2351/n/n4a22298b6e3aより引用のツバメの子殺し

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   そこで赤ちゃんの顔に水で濡らした和紙を置き、子殺しをしたという貧しい時代の話です。動物たちにとって、人間みたいに貧しいという金銭的感覚はないですが、産んだはいいが、採餌するべき餌がないため、本能的に我が子を殺してしまうことはあるようです。それが鳥の社会にもあります。③の写真は皆さんもご存知のつがい揃って巣作りから子育てまでするツバメです。そのツバメも卵を3〜7個産む子沢山、つがい揃って採餌しますが、採餌しきれぬ時は子殺しするみたいです。

④https://www.sakigake.jp/special/jidai/042/article_29.jspより引用のイヌワシの兄弟殺し

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   どんな種類の野鳥が子殺しをするというと、鴨の仲間のカルガモ、鷺の仲間では一番繁殖数の多いアマサギコサギヘラサギコウノトリオオバンと、セグロカモメと水鳥の部類が一番多く、その他ならツバメハイタカハシボソガラスとなります。あの知能の高いカラスでも餌がままならない時は子殺しをするようです。また子殺しではないですが、兄弟殺しも存在します。猛禽類はほかの鳥類と違う所は、猛禽類が増えれば、自分たちの捕食する小鳥たちが足りなくなります。

⑤http://manabu-biology.com/archives/生まれたばかりのカッコーの赤ちゃんが他の鳥の.htmlより引用の托卵先の兄弟の卵を排除し殺すカッコウのヒナ

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   そうならないために、一回の繁殖期の産卵数を他の鳥類よりも少なく産むわけです。またオスが小さく、メスが大きいのは、オスは小さな獲物、メスは小鳥以上の獲物を狙う棲み分けをし、また数少ないヒナを身体の大きなメスが守ります。④の写真はイヌワシの三羽のヒナです。立派に成鳥になるのは一羽で、この三羽は兄弟同士で殺し合い、一羽のみが残ります。⑤の写真は托卵のカッコウが仮宿で孵化し、これから宿主の義兄弟卵を背中で押して、巣から排除するこれも兄弟殺しです。

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